2023年4月19日 (仮訳)メキシコの熱帯山地雲霧林における大型菌類の新知見 Valenzuela, R. et al., 2023. Novelties in Macrofungi of the Tropical Montane Cloud Forest in Mexico. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/9/4/477 [Accessed April 19, 2023] 【R3-10525】2023/4/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ メキシコの雲霧林からBondarzewia、Gymnopilus、Serpula、およびSparassis属の各1新種を記載した。 G. guzmaniiは子実体が地上から叢生し傘が帯黄橙色~橙赤色で担子胞子が広楕円形、Se. cyatheicolaはヘゴ属のシダに生じ担子胞子が楕円形であることなどで特徴づけられた。 Sp. isisはは子実体が長く1-4層からなる花弁状であり、B. mesofilaは地上から発生し傘が数色からなる点などで特徴づけられた。 Mexico, Hidalgo state, Tlanchinol municipality, El Temazate (新種) Gymnopilus guzmanii R. Valenz., Baut.-Hern. & Raymundo 語源…メキシコの菌類学者、Gastón Guzmán氏に献名 【よく似た種との区別】 Gymnopilus subspectabilis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地上ではなく広葉樹に生じる 本種と異なり担子胞子が扁桃形~楕円形で頂部が鋭い円錐形 本種と異なり担子胞子表面が不規則な疣により中程度の粗面である 本種と異なり担子胞子の発芽孔が明瞭である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Gymnopilus ventricosus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地上ではなく針葉樹に生じる 本種と異なり担子胞子が扁桃形で頂部が円錐形 本種と異なり担子胞子表面が不規則な疣および畝からなる微細~粗い粗面である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, Hidalgo state, Tlanchinol municipality, El Temazate (新種) Serpula cyatheicola Raymundo, de la Fuente, García-Jiménez, Martínez-González & R. Valenz. 語源…ヘゴ属に生息する 【よく似た種との区別】 Serpula lacrymans(ナミダタケ) メキシコに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり根状菌糸束を欠くのではなく有する 本種より担子器のサイズが大きい 本種より担子胞子が長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Serpula dendrocalami 傘が大型 孔口がシワタケ状である ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヘゴ属ではなくマチク属植物などに生じる 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucogyrophana hexagonoides 担子胞子のサイズが類似している 本種と異なりヘゴ属植物に生じるという特徴を欠く Serpula similis 担子胞子のサイズが類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヘゴ属植物に生じるという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnomerulius pinastri 担子胞子の長さが類似している 本種と異なりヘゴ属ではなくマツ属、モミ属、コナラ属植物などに生じる 本種より担子器のサイズが小さい Mexico, Hidalgo state, Tlanchinol municipality, El Temazate (新種) Sparassis isis Raymundo & R. Valenz. 語源…タイプ標本の採集者である故Isis Musito Sánchez氏に献名 【よく似た種との区別】 Sparassis americana 北米に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコナラ属ではなくマツ属植物などに生じる 本種と異なり植物の根の寄生菌である可能性がある 本種と異なり子実体が緩く配列した数層の扇状の部分からなるのではなく上部が粗く不規則に分枝し、拡張して花弁状に縮れる 本種と異なり子実体頂部の縁が乾燥すると軟骨質、新鮮時蝋質であり、乾燥時も外観が保たれる 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく広楕円形で軸方向に扁平である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis radicata ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり熱帯雲霧林ではなく温帯林などに生息する 本種と異なりコナラ属植物ではなく針葉樹に生じる 本種と子実体の形状が異なる 本種と異なり柄が地下で偽菌核状をなす 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく広楕円形~楕円形で軸方向に扁平である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, Hidalgo state, Tlanchinol municipality, El Temazate (新種) Bondarzewia mesofila R. Valenz., Baut.-Hern. & Raymundo 語源…中温の(植生タイプから) 【よく似た種との区別】 Bondarzewia berkeleyi(オオミヤマトンビマイ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地上ではなく材などに生じる 本種と異なり菌核を有する 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bondarzewia dickinsii ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地上ではなく倒木などに生じる 本種と異なり傘が白色~帯褐色 本種と異なり担子胞子表面が鈍い畝状ではなくより丈の高い鋭い畝状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bondarzewia occidentalis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地上ではなく材などに生じる 本種と異なり傘が帯黄褐色~橙褐色 本種と異なり傘表面に環紋をあらわし無毛 本種より担子胞子表面の畝状装飾が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される