2024年5月8日 (仮訳)米国の臨床検体におけるOchroconis属菌とVerruconis属菌の出現 Giraldo, A. et al. 2014. Occurrence of Ochroconis and Verruconis Species in Clinical Specimens from the United States. Journal of Clinical Microbiology. Available at: https://journals.asm.org/doi/10.1128/jcm.02027-14 [Accessed May 8, 2024] 【R3-11680】2024/5/8投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国の真菌検査研究所が受領した臨床検体におけるOchroconis属菌とVerruconis属菌の分布を調査し、形態学的検討および分子系統解析を実施した。 51菌株を同定し、その中からO. icarus、O. olivacea、およびO. ramosaの3新種を記載した。 8種類の抗真菌薬に対する感受性試験を実施したところ、テルビナフィンとミカファンギンが最も有効であった。 Canada, Ontario (新種) Ochroconis icarus Samerpitak, Giraldo, Guarro & de Hoog 語源…(神話の登場人物)イカロスの(分生子の形状から) 【よく似た種との区別】 Ochroconis minima 土壌から分離される D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオランダ、カナダではなくインド、ナイジェリアなどに分布する 本種より分生子のサイズが大きい 本種より分生子の下部細胞の幅が広い 本種と異なり最大生長温度が33°Cではなく37°C D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ochroconis ramosa 北米に分布する D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオランダ、カナダではなく米国に分布する 本種と異なり土壌ではなく臨床検体から分離される 本種より分生子柄の小歯が短い 本種より分生子の上部細胞の幅が狭い 本種と異なり分生子表面が平滑ではなく粗面 D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Utah (新種) Ochroconis olivacea Giraldo, Gene, Deanna A. Sutton & Guarro 語源…オリーブ色の(コロニーの色から) 【よく似た種との区別】 Ochroconis humicola 北米に分布する 分生子柄が直立する 分生子柄が長い 分生子が単細胞である D1/D2領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくカナダなどに分布する 本種と異なり気管支肺胞洗浄液ではなく土壌などから分離される 本種より分生子柄が長い 本種と異なり分生子が楕円形または円筒形ではなく広円筒形 本種と異なり分生子表面が疣状ではなく微細な小刺状 本種よりコロニーの生長が速い D1/D2領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ochroconis verrucosa 分生子表面が疣状 D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくミャンマー、インドなどに分布する 本種と異なり気管支肺胞洗浄液ではなく土壌や葉などから分離される 本種と異なり分生子が単生しない 本種と異なり分生子が楕円形または円筒形ではなく紡錘形または円筒形 本種と異なり分生子の細胞数がほとんどの場合2ではなくほとんどの場合4 D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ochroconis gamsii 分生子柄が直立する 分生子柄が長い 分生子が単細胞である D1/D2領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくスリランカなどに分布する 本種と異なり気管支肺胞洗浄液ではなく葉などから分離される 本種より分生子柄が暗色 本種と異なり分生子が楕円形または円筒形ではなく広紡錘形で片側が扁平である D1/D2領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ochroconis macrozamiae 本種と異なりMacrozamia属植物などから分離される 本種と異なり気管支肺胞洗浄液ではなく落葉から分離される 本種と異なり分生子が楕円形または円筒形ではなく広紡錘形 USA, California (新種) Ochroconis ramosa Giraldo, Gene, Deanna A. Sutton & Guarro 語源…分枝する(分生子の形状から) 【よく似た種との区別】 Ochroconis minima 米国に分布する D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり臨床検体ではなく土壌などから分離される 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり最大生長温度が35°Cではなく37°C D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ochroconis icarus 米国に分布する 臨床検体から分離される D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくオランダ、カナダに分布する 本種と異なり臨床検体ではなく土壌から分離される 本種より分生子柄の小歯が長い 本種より分生子の上部細胞の幅が広い 本種と異なり分生子表面が粗面ではなく平滑 D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Verruconis gallopava (W.B. Cooke) Samerpitak & de Hoog (その他掲載種) Ochroconis cordanae Samerpitak, Crous & de Hoog 【よく似た種との区別】 Ochroconis humicola 北米に分布する 形態的に類似している(以前この種に同定されていた) D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子柄が長い 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子がほとんどの場合楕円形という特徴を欠く 本種よりコロニーの生長が速い D1/D2領域およびnrSSU+ITS+nrLSU+ACT1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される