2022年5月20日 (仮訳)中国北東部産のLeucoagaricus属6新種 Ma, Y. et al., 2022. Six New Species of Leucoagaricus (Agaricaceae) from Northeastern China. Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/14/5/314 [Accessed May 20, 2022] 【R3-09525】2022/5/20投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国の内モンゴル自治区および遼寧省で採集されたLeucoagaricus属菌について、形態学的検討および分子系統解析を実施した。 L. albosquamosus、L. atroviridis、L. aurantioruber、L. candidus、L. centricastaneus、およびL. virensの6新種を記載した。 そのうち2種がSericeomyces亜属に含まれたが、残りの種は既存のいずれの節にも当てはまらなかった。 中国内モンゴル自治区赤峰市松山区錫泊河緑地帯 (新種) Leucoagaricus albosquamosus Y.R. Ma, Z. W. Ge & T.Z. Liu 語源…白い鱗片の(子実体の表面性状から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus nivalis 中国に分布する 子実体が小型 子実体全体が白色 傘が白色 縁シスチジアが類棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表面が鱗片状ではなく無毛~放射状繊維紋をあらわす 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく扁桃形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus umbonatus アジアに分布する 柄基部が塊茎状 担子器のサイズが類似している 担子器が棍棒形 担子胞子の形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくパキスタンなどに分布する 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが便腹形~紡錘形 本種と異なり傘表皮が放射状に配列した白色繊維からなる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus sericifer 傘が白色 担子胞子の形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく長扁桃形~円筒状扁桃形 本種と異なり縁シスチジアがいくぶん瓶形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucocoprinus cepistipes(キヌカラカサタケ) 傘表面がいくぶん扇畳状で鱗片を伴う 本種と異なり傘表面に小型でベージュ褐色~黄褐色の鱗片を有する 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~棍棒形でありしばしば頂部に突起を有する 中国遼寧省瀋陽市瀋陽農業大学 (新種) Leucoagaricus atroviridis Y.R. Ma, Z. W. Ge & X.D. Yu 語源…暗緑色の(傘表面の鱗片の色から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus truncatus 中国に分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が截断状 本種と異なり傘表面に橙白色~灰橙色の鱗片を伴う 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus purpureolilacinus ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくオランダなどに分布する 本種と異なり傘が帯紫褐色 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~類紡錘形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国内モンゴル自治区赤峰市寧城県黒里河鎮 黒里河国家級自然保護区 (新種) Leucoagaricus aurantioruber Y.R. Ma, Z. W. Ge & T.Z. Liu 語源…橙赤色の(傘の色から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus rubrotinctus(アカキツネガサ) 傘が帯赤橙色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形 本種と異なり縁シスチジアが類紡錘形でない 本種と異なり縁シスチジア頂部に小さな結晶を伴うという特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus rubrobrunneus アジアに分布する 襞縁部が不稔である 縁シスチジアが類紡錘形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく極東ロシアなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジア頂部に小さな結晶を伴うという特徴を欠く 本種と異なり傘鱗片が分枝した薄壁の菌糸からなるという特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus bulbiger 傘表面に鱗片を伴う 担子胞子の形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくドミニカ共和国などに分布する 本種と異なり傘が黄橙色 本種と異なり柄基部が塊茎状 本種と異なり縁シスチジアが多形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus proximus アジアに分布する 傘表面に鱗片を伴う 担子胞子の形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく極東ロシアなどに分布する 本種より縁シスチジアのサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus rubroconfusus 傘表面に橙色の繊維状鱗片を伴う 担子胞子の長さがほぼ同一 担子胞子が卵状~楕円形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジア頂部に小さな結晶を伴うという特徴を欠く Leucoagaricus japonicus 傘表面が鱗片状 担子胞子が卵状~楕円形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が煉瓦色である 本種より担子胞子が長い 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~紡錘形 本種と異なり縁シスチジア頂部に小さな結晶を伴うという特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国内モンゴル自治区赤峰市寧城県四道溝郷 黒里河国家級自然保護区 (新種) Leucoagaricus candidus Y.R. Ma, Z. W. Ge & T.Z. Liu 語源…白色の(子実体の色から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus nivalis 形態的に類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形でない 本種より傘表皮菌糸の幅が狭い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus serenus(ヒカゲシロキツネガサ) 形態的に類似している 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形でない 本種より傘表皮菌糸の幅が狭い Leucoagaricus sericifer 形態的に類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形でない 本種より傘表皮菌糸の幅が狭い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus subvolvatus 子実体が全体的に白色 担子胞子の形態が類似している 本種と異なり傘が白色~クリーム色 本種と異なり縁シスチジア頂部に結晶を伴う Leucoagaricus menieri 子実体が全体的に白色 担子胞子の形態が類似している 本種と異なり傘表面に絹状光沢を有する 本種と異なり傘が脆い 本種と異なり縁シスチジア頂部に結晶を伴う 中国遼寧省瀋陽市瀋陽農業大学 (新種) Leucoagaricus centricastaneus Y.R. Ma, Z. W. Ge & X.D. Yu 語源…中央が栗色の(傘の色から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus lahorensis アジアに分布する 縁シスチジアが類棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくパキスタンなどに分布する 本種と異なり傘が橙色、帯赤橙色、または帯赤褐色 本種と異なり担子胞子が扁桃形~楕円形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus lahorensiformis アジアに分布する 縁シスチジアが類棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくパキスタンなどに分布する 本種と異なり傘が橙色、帯赤橙色、または帯赤褐色 本種と異なり担子胞子が扁桃形~楕円形 本種と異なり縁シスチジア頂部に屈折性の内容物を有さない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus japonicus 東アジアに分布する 縁シスチジアの形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種と異なり傘が煉瓦色である 本種と異なり傘表面が鱗片状 本種と異なり担子胞子が扁桃形 本種より縁シスチジアが長い 本種と異なり縁シスチジア頂部に屈折性の内容物を有さない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus rubrotinctus(アカキツネガサ) 縁シスチジアの形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり傘が帯赤橙色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が扁桃形 本種と異なり縁シスチジア頂部に屈折性の内容物を有さない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus vassiljevae アジアに分布する 縁シスチジアの形状が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく極東ロシアなどに分布する 本種と異なり傘表面が圧着した赤褐色または緋褐色の繊維状 本種と異なり担子器が広棍棒形 本種と異なり縁シスチジア頂部に屈折性の内容物を有さない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国内モンゴル自治区赤峰市寧城県黒里河鎮 黒里河国家級自然保護区 (新種) Leucoagaricus virens Y.R. Ma, Z. W. Ge & T.Z. Liu 語源…緑色の(子実体の変色性から) 【よく似た種との区別】 Leucoagaricus viriditinctus アジアに分布する 子実体の全体的な外観が類似している 子実体が傷ついたり乾燥したりすると淡緑色~暗緑色に変色する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくスリランカなどに分布する 本種と異なり肉が傷ついたり乾燥したりすると淡青色~暗青色に変色する 本種と異なり縁シスチジアが洋梨形~広棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus flavovirens 中国に分布する 子実体が傷ついたり乾燥したりすると淡緑色~暗緑色に変色する 担子胞子が扁桃形~楕円形 傘鱗片が類円筒形の菌糸からなる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が傷つくと帯青緑色に変色する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagaricus viridiflavus(アオゾメキイロキツネガサ) 子実体が肉の露出によりオリーブ色~暗オリーブ色に変色する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子に発芽孔を有する 本種と異なり縁シスチジアが小嚢形、便腹形、または広棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leucoagarius atroazureus 中国に分布する 傘表面に帯褐色の鱗片を伴う 肉が白色 担子胞子の形状が類似している 本種と異なり子実体が傷ついたり乾燥したりすると暗青色に変色する 本種より担子胞子のサイズが小さい Leucoagarius caerulescens 中国に分布する 傘表面に帯褐色の鱗片を伴う 肉が白色 担子胞子の形状が類似している 本種と異なり子実体が乾燥すると帯青緑色に変色する 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~広棍棒形