2019年1月6日 (仮訳)中国産キツネノカラカサ属Stenosporae節菌類の系統分類 Liang, J-F. 2016. Taxonomy and phylogeny in Lepiota sect. Stenosporae from China. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/14-192 [Accessed January 6, 2019] 【R3-05833】2019/1/6投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国産のキツネノカラカサ属Stenosporae節菌類として7種を認め、記載文、検索表、および形質比較表などを掲載した。 そのうちLepiota mandarinaおよびL. subcastaneaを新種記載した。 本節がOvisporae節Helveolinae亜節から進化したとする仮説を提唱したほか、担子胞子および傘表皮の形態の進化についても考察した。 中国雲南省景洪市大渡崗郷 (新種) Lepiota mandarina J. F. Liang&Zhu L. Yang 語源…橙赤色の(傘および柄の鱗片の色から) 【よく似た種との区別】 Lepiota tomentella(ウスキキツネノカラカサ) ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくオランダなどに分布する 本種と異なり傘が帯褐黄色、灰褐色、暗灰褐色で桃色を帯びる 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が直線状または幅広い距を有する ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota pilodes ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくオランダなどに分布する 本種と異なり傘が橙褐色、帯褐黄色、暗褐色 本種と異なり傘が触れたり老成したりすると橙色に退色する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が円筒形で距状 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota alopochroa ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくタイ、スリランカなどに分布する 本種と異なり傘表面に黄褐色~さび色の小鱗片を伴う 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子に顕著に長い距を有する ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota castanea(クリイロカラカサタケ) 中国に分布する 担子胞子が弱いデキストリノイド性を示す 傘表皮が毛状被 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり担子胞子に顕著な嚢状の距を有する 本種より傘表皮の細胞が長い ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国チベット自治区江達郷Leijila山 (新種) Lepiota subcastanea J. F. Liang & Zhu L. Yang 語源…やや栗色の(傘の色から)/Lepiota castanea類似の 【よく似た種との区別】 Lepiota castanea(クリイロカラカサタケ) 中国に分布する 担子胞子のサイズの範囲が重なる 担子胞子のQ値の範囲が重なる 傘表皮が毛状被 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり子実体が鮮やかな色をしている 本種と異なり傘中央部が芥子褐色~帯褐黄色ではなく橙褐色、赤褐色、暗赤褐色 本種と異なり傘表面が老成すると小型帯黄褐色~淡褐色のパッチ状あるいは綿毛状小鱗片になるのではなく立ち上がった綿毛状またはパッチ状の小鱗片になる 本種と異なり柄に触れるとしばしば帯褐橙色~帯褐赤色ではなく橙黄色に変色する 本種と異なり柄下部表面が黄色、帯褐黄色、芥子褐色の小鱗片ではなく黄褐色~赤褐色の繊維状小鱗片に覆われる 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり担子胞子が非デキストリノイドではなくデキストリノイド 本種と異なり縁シスチジアが狭棍棒形~狭小嚢形ではなく棍棒形、狭小嚢形、狭棍棒形、類円筒形など様々な形状をとる 本種と異なり傘表皮の末端細胞が類円筒形で頂部が丸い ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota alopochroa ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくタイ、スリランカなどに分布する 本種と異なり傘が黄褐色~さび色 本種と異なり傘表面に繊維状~長軟毛状の小鱗片を有する 本種より担子器が短い 本種より担子胞子が短い ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota cingulum ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する 本種と異なり傘表面に帯桃褐色綿毛状の小鱗片を伴う 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より傘表皮の細胞が長い 本種と異なり傘表皮の細胞が先細りになる ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota pilodes ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり中国ではなくオランダなどに分布する 本種と異なり傘が触れると橙色に変色する 本種と異なり傘表面がビロード状~綿毛状 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Lepiota boudieri Guég. 【よく似た種との区別】 Lepiota aureofulvella 担子胞子が距状 傘表皮が平行菌糸被様 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ2に含まれる) 本種より担子胞子が短い 本種と異なり担子胞子がより明色の黄金色 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota rhodophylla 北米に分布する 担子胞子が距状 傘表皮が平行菌糸被様 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ2に含まれる) 本種と異なり子実体ががっしりとしている 本種と異なり襞が鮮やかな桃色 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota andegavensis ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ2に含まれる) 本種と異なり傘表皮の末端要素に隔壁を有する 本種と異なり傘表皮の末端要素にクランプを欠く ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Lepiota castanea Quél. クリイロカラカサタケ 【よく似た種との区別】 Lepiota cingulum ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり子実体が鮮やかな橙褐色ではなく帯桃褐色 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota mandarina 中国に分布する 担子胞子が弱いデキストリノイド性を示す 傘表皮が毛状被 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種と異なり担子胞子に顕著な嚢状の距を有するという特徴を欠く 本種より傘表皮の細胞が短い ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota subcastanea 中国に分布する 担子胞子のサイズの範囲が重なる 担子胞子のQ値の範囲が重なる 傘表皮が毛状被 ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIグループ1に含まれる) 本種と異なり子実体が鮮やかな色をしていない 本種と異なり傘中央部が橙褐色、赤褐色、暗赤褐色ではなく芥子褐色~帯褐黄色 本種と異なり傘表面が立ち上がった綿毛状またはパッチ状の小鱗片になるのではなく老成すると小型帯黄褐色~淡褐色のパッチ状あるいは綿毛状小鱗片になる 本種と異なり柄に触れるとしばしば橙黄色ではなく帯褐橙色~帯褐赤色に変色する 本種と異なり柄下部表面が黄褐色~赤褐色の繊維状小鱗片ではなく黄色、帯褐黄色、芥子褐色の小鱗片に覆われる 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種と異なり担子胞子がデキストリノイドではなく非デキストリノイド 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形、狭小嚢形、狭棍棒形、類円筒形など様々な形状をとるのではなく狭棍棒形~狭小嚢形 本種と異なり傘表皮の末端細胞が類円筒形で頂部が丸い ITS+nrLSU+IGS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Lepiota erythrosticta (Berk. & Broome) Sacc. (その他掲載種) Lepiota luteocastanea E. Horak 【よく似た種との区別】 Lepiota subcitrophylla(キヒダカラカサタケ) 中国に分布する 肉が淡黄色 担子胞子のQ値の範囲が重なる 傘表皮が毛状被 本種と異なり傘が”wheat yellow”ではなくレモン色 本種と異なり傘表面がワイン赤色~赤褐色の綿毛状ではなく帯灰褐色羊毛状の小鱗片を有する 本種と異なり襞が”wheat yellow”ではなくレモン色 本種と異なり肉が変色しないのではなく傷つくと青色に変色する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子がデキストリノイドではなく弱いデキストリノイド (中国新産種) Lepiota subcitrophylla Hongo キヒダカラカサタケ 【よく似た種との区別】 Lepiota citrophylla 本種と異なり子実体が傷つくと青色に変色するのではなく傷ついても変色しない 本種と異なり担子胞子が類三角形ではなく類円筒形 Lepiota luteocastanea 中国に分布する 肉が淡黄色 担子胞子のQ値の範囲が重なる 傘表皮が毛状被 本種と異なり傘がレモン色ではなく”wheat yellow” 本種と異なり傘表面に帯灰褐色羊毛状の小鱗片を有するのではなくワイン赤色~赤褐色の綿毛状 本種と異なり襞がレモン色ではなく”wheat yellow” 本種と異なり肉が傷つくと青色に変色するのではなく変色しない 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が弱いデキストリノイドではなくデキストリノイド