(仮訳)ハナミズキの輪紋葉枯れ病の原因菌である新属新種Haradamyces foliicola
Masuya, H. et al., 2009. Haradamyces foliicola anam. gen. et sp. nov., a cause of zonate leaf blight disease in Cornus florida in Japan. Mycological research. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0953756208002360 [Accessed December 15, 2013].
【R3-00143】2013/12/15投稿

※本病原菌には「ミズキ輪紋葉枯れ病菌」の名称が与えられている(参考リンク

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3行まとめ

日本で様々な落葉樹や常緑樹の葉に輪紋葉枯れ病 (ZLB) を起こす病原菌をHaradamyces foliicolaとして新種記載した。
本種は葉の組織に菌核様構造を形成し、その複数の菌糸に由来する盤状の多細胞の散布体を、葉の両面に形成することを特徴とする。
nSSUおよびITS領域に基づく分子系統解析により、本種のキンカクキン科菌類との類縁性が明らかになったが、形態および配列データはいかなる既知のアナモルフ菌にも合致しなかった。
茨城県日立市十王

(新種)

Haradamyces foliicola Masuya, Kusunoki, Kosaka & Aikawa
語源…(属名)菌学者の原田幸雄氏に献名 / (種小名)葉に生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycopappus alni
形態に基づき、本種と最も近縁な種の一つと考えられる
本種と同じキンカクキン科に含まれる
本種と散布体がやや類似している
培養下で小分生子を形成する
培養下で菌核を形成する
本種と異なり長い菌糸の付属物を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mycopappus quercus
形態に基づき、本種と最も近縁な種の一つと考えられる
本種と同じキンカクキン科に含まれる
本種と散布体がやや類似している
本種と異なり長い菌糸の付属物を持つ
本種と異なりRedheadiaと呼ばれるテレオモルフが知られている
Cristulariella spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
本種と異なり分生子柄先端の単一の細胞から散布体が発達する
Hinomyces spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
本種と異なり分生子柄先端の単一の細胞から散布体が発達する
Valdensia spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
本種と異なり分生子柄先端の単一の細胞から散布体が発達する
Verdipulvinus spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
散布体が単一の分生子柄ではなく、複数の菌糸に由来して生じる
宿主上に浅い杯状の構造を形成する
本種と異なりMyrioconium属のようなシンアナモルフの存在が知られていない
Dactuliophora spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
散布体が単一の分生子柄ではなく、複数の菌糸に由来して生じる
宿主上に浅い杯状の構造を形成する
本種と異なりMyrioconium属のようなシンアナモルフの存在が知られていない
Pulvinella spp.
複数の菌糸からなる散布体を形成する
散布体が単一の分生子柄ではなく、複数の菌糸に由来して生じる
本種と異なり露出した菌糸体表面に散布体を形成する
本種と異なりMyrioconium属のようなシンアナモルフの存在が知られていない