(仮訳)日本産Amanita属の研究
Yang, Z-L. & Doi, Y. 1999. A Contribution to the Knowledge of Amanita (Amanitaceae, Agaricales) in Japan. Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series B (Botany). Available at: https://www.kahaku.go.jp/research/publication/botany/download/25-3/Yang_Doi1999_B25_3_107-130.pdf [Accessed May 1, 2024] 【R3-11661】2024/5/1投稿

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3行まとめ

日本産のAmanita属菌について、国立科学博物館の標本を調査し、18分類群を同定した。
そのうちA. orientogemmataA. oberwinkleranaの2種を新種として記載した。
また、A. manginiana sensu ChiuとA. subjunquillea var. albaは日本から初めて報告された。
鳥取県鳥取市樗谿

(新種)

Amanita orientogemmata Zhu L. Yang & Yoshim. Doi
語源…東洋のAmanita gemmata
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【よく似た種との区別】
Amanita gemmata
本種と異なり日本ではなくオランダなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と傘表面のつぼの名残の構造が異なる
本種と異なり菌糸にかなりクランプが普通に見られるという特徴を欠く
Amanita pantherina var. velatipes
本種と異なり日本ではなく北米などに分布する
本種と異なりつばが永存性
本種と異なりつぼが” ocreate”で塊茎上に生じる
本種より担子胞子の幅が狭い
Amanita pantherina var. lutea
東アジアに分布する
傘が帯黄色~黄色
本種と異なり日本ではなく中国などに分布する
本種と異なりつばが上位にある
本種と異なりつぼが”ocerate”の襟状で塊茎上に生じる
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Amanita elata
アジアに分布する
傘が帯黄色~黄色
本種と異なり日本ではなく東南アジアなどに分布する
本種より傘表面のつぼの名残が取り外しやすい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Amanita crenulata
傘が帯黄色~黄色
本種と異なり日本ではなく北米などに分布する
本種と異なり傘が汚い帯黄褐色~やや汚れた淡黄褐色
本種と異なり傘表面に微粉状の”champagne”色のつぼの名残を伴う
本種と異なりつばが上位
本種より担子胞子が球形である
本種と異なりつばに僅かに膨大した細胞を含む
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Amanita xylinovolva
傘が帯黄色~黄色
本種と異なり日本ではなくコロンビアなどに分布する
本種より傘縁部の条線が長い
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Amanita diemii
傘が帯黄色~黄色
本種と異なり日本ではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なりナンキョクブナ属の樹下に生じる
本種と異なり傘が黄金色~橙黄褐色で老成すると褐色になる
本種と異なりつばを欠く
本種より担子胞子が球形である
東京都青梅市黒沢3丁目永山丘陵ハイキングコース

(新種)

Amanita oberwinklerana Zhu L. Yang & Yoshim. Doi
語源…F. Oberwinkler博士に献名(60歳の誕生日を記念して)
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【よく似た種との区別】
Amanita verna(シロタマゴテングタケ)
形態的に類似している(この種に同定されてきたとみられる)
子実体が白色、類白色
つばが膜質
つぼが白色
担子胞子がアミロイドである
本種と異なり日本ではなくモロッコなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりつぼの名残に豊富に膨大した細胞を含むという特徴を欠く
Amanita virosa(ドクツルタケ)
形態的に類似している(この種に同定されてきたとみられる)
子実体が白色、類白色
つばが膜質
つぼが白色
担子胞子がアミロイドである
本種と異なり日本ではなくポーランドなどに分布する
本種と異なり傘が不規則形、円錐形~鐘形
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
Amanita bisporigera
本種と異なり日本ではなく北米などに分布する
本種と異なりつぼが”limbate”である
本種と異なり担子器が主に2胞子性
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なりつぼが主に繊維状菌糸からなる
Amanita magnivelaris
本種と異なり日本ではなく北米などに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり襞が帯桃色
本種と異なりつぼが”limbate”である
本種と異なりつばに膨大した細胞を欠くか僅かにしか含まない
Amanita eburnea
本種と異なり日本ではなくベリーズ、ホンジュラスなどに分布する
本種より傘がしばしば暗色
本種と異なりつぼが柄基部に通常残存する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種よりつばの膨大した細胞が豊富である

(その他掲載種)

Amanita melleiceps Hongo
ヒメコガネツルタケ
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(その他掲載種)

Amanita pseudogemmata Hongo
イボコガネテングタケ
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(その他掲載種)

Amanita cf. pantherina (DeCandolle) Krombholz
テングタケ
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(その他掲載種)

Amanita longistriata S. Imai
タマゴテングタケモドキ
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【よく似た種との区別】
Amanita spreta(ツルタケダマシ)
本種より傘縁部の条線がかなり短い
本種よりつぼのサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が顕著に狭い
Amanita incarnatifolia
本種より子実体のサイズがやや小さい
本種より傘縁部の条線が短い
本種より担子胞子の幅が狭い

(その他掲載種)

Amanita pseudovaginata Hongo
カブラツルタケ
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(その他掲載種)

Amanita avellaneosquamosa (S. Imai) S. Imai
アクイロウロコツルタケ
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(その他掲載種)

Amanita alboflavescens Hongo
キウロコテングタケ
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(その他掲載種)

Amanita castanopsis Hongo
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(その他掲載種)

Amanita griseofarinosa Hongo
コナカブリテングタケ
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(その他掲載種)

Amanita hongoi Bas
シロオニタケモドキ
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(その他掲載種)

Amanita lutescens Hongo
イロガワリヘビキノコ
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(その他掲載種)

Amanita sphaerobulbosa Hongo
タマシロオニタケ
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【よく似た種との区別】
Amanita abrupta
形態的に類似している(同種ともされる)
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なりつぼの名残の上部に多数の油管性の菌糸と膨大した細胞が含まれるという特徴を欠く

(日本新産種)

Amanita manginiana Hariot & Patouillard
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【よく似た種との区別】
Amanita pseudoporphyria(コテングタケモドキ)
日本に分布する
形態的に類似している(おそらく従来この種と考えられてきた)
本種と異なり柄基部がしばしば根状
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種よりつぼの膨大した細胞が多い

(その他掲載種)

Amanita pseudoporphyria Hongo
コテングタケモドキ
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【よく似た種との区別】
Amanita manginiana
日本に分布する
形態的に類似している(おそらく従来本種と考えられてきた)
本種と異なり柄基部がしばしば根状という特徴を欠く
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅が広い
本種よりつぼの膨大した細胞が少ない

(その他掲載種)

Amanita subjunquillea S. Imai
タマゴタケモドキ
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【よく似た種との区別】
Amanita subjunquillea var. alba
日本に分布する
本種と異なり傘が白色
本種と異なり柄が白色

(日本新産種)

Amanita subjunquillea var. alba Zhu L. Yang
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【よく似た種との区別】
Amanita subjunquillea(タマゴタケモドキ)
日本に分布する
本変種と異なり傘が白色でない
本変種と異なり柄が白色でない
Amanita virosa(ドクツルタケ)
形態的に類似している(この種に同定されてきたとみられる)
本変種と異なり傘が不規則形、円錐形~鐘形
本変種と異なりつばが薄い
本変種と異なりつばが脆い
本変種より担子胞子のサイズが顕著に大きい