2023年5月3日 (仮訳)カロスフェリア科における裂開二重壁子嚢のメカニズム、およびサクラ属の材に発生したJattaea属およびCalosphaeria属新種 Damm, U., Crous, PW. & Fourie, PH. 2008. A fissitunicate ascus mechanism in the Calosphaeriaceae, and novel species of Jattaea and Calosphaeria on Prunus wood. Persoonia. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2865353/ [Accessed May 3, 2023] 【R3-10568】2023/5/3投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 南アフリカにおいてサクラ属の材から分離された3種の菌を検討し、うち1種をCalosphaeria africanaとして新種記載した。 本種の子嚢の裂開二重壁構造はカロスフェリア科菌類においてこれまで見られず、他の二重壁子嚢を有する系統とは遠縁であることから収斂進化の結果と考えられた。 その他の種をJattaea prunicolaおよびJ. mookgopongaとして新種記載したが、これは本属菌の南アフリカおよびサクラ属樹木からの初報告となった。 South Africa, Western Cape Province, Robertson (新種) Calosphaeria africana Damm & Crous 語源…アフリカの 【よく似た種との区別】 Calosphaeria abieticola 本種より子嚢果のサイズがずっと大きい Calosphaeria ciliatula 子嚢胞子のサイズが類似している 本種と子嚢の形状が異なる 本種と子嚢胞子の形状が異なる Calosphaeria cyclospora 子嚢胞子のサイズが類似している 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より子嚢胞子が強く屈曲し半円形~円形となる Calosphaeria cylindrica 子嚢胞子のサイズが類似している 本種より子嚢が短い 本種より子嚢の幅が広い Calosphaeria fagi 子嚢胞子のサイズが類似している 本種と異なり子嚢胞子に隔壁を有する 本種と異なりramichloridiumおよびsporothrix類似のシンアナモルフを有する Calosphaeria fallax 子嚢胞子のサイズが類似している 本種より子嚢のサイズが大きい 本種と異なり子嚢が多胞子性である Calosphaeria lantanae 子嚢胞子のサイズが類似している 本種と異なり子嚢果を子座内部に形成する 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり側糸が見られない Calosphaeria micromeria 子嚢胞子のサイズが類似している 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子がほぼ無色 本種ほど子嚢胞子が屈曲しない Calosphaeria pirellifera 子嚢胞子のサイズが類似している 本種より子嚢が短い Calosphaeria pulchella 子嚢胞子のサイズが類似している nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢のサイズが大きい 本種と異なり子嚢が棍棒形に近いのではなく基部にかけて一様に先細りになり、細長い楔形になる 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種より子嚢胞子の長さ/幅比が大きい 本種ほど子嚢胞子が屈曲しない Calosphaeria rimicola 子嚢胞子のサイズが類似している 本種と異なり子嚢果が球形ではなく球形~卵形 本種と異なり子嚢果が崩壊しないのではなくしばしば崩壊する 本種より子嚢胞子の平均サイズが大きい Calosphaeria rosarum 本種より子嚢果のサイズがずっと大きい South Africa, Western Cape Province, Franschhoek (新種) Jattaea prunicola Damm & Crous 語源…サクラ属に生息する 【よく似た種との区別】 Jattaea brevirostris 本種より子嚢の幅が広い Jattaea microtheca 本種より子嚢の幅が広い Calosphaeria alpina 子嚢殻孔口の長さが類似している 本種と異なり子嚢果が密な菌糸層に囲まれる 本種より子嚢が短い 本種と異なり子嚢が類円筒形ではなく棍棒形で基部にかけて徐々に先細りになる Jattaea spermatozoides 本種と異なり子嚢殻孔口表面に溝や瘤を欠くのではなく3-4本の溝線をあらわすか瘤状 本種と異なり子嚢が類円筒形ではなく棍棒形で長い糸状の柄を有する Jattaea stachybotryoides 本種より子嚢殻に長い嘴を有する 本種より子嚢が短い Jattaea mookgoponga 南アフリカに分布する 同じサクラ属植物に生じる 材から分離される nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が知られていない 本種と異なり分生子がソーセージ形でない 本種より培養下での生長が速い nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa, Limpopo Province, Mookgopong (新種) Jattaea mookgoponga Damm & Crous 語源…ムックゴポン(町の名前)の 【よく似た種との区別】 Jattaea prunicola 南アフリカに分布する 同じサクラ属植物に生じる 材から分離される nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が知られている 本種と異なり分生子がソーセージ形 本種より培養下での生長が遅い nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される