(仮訳)エキビョウキン属クレード9の高温耐性を有する新種、P. hydrogena
Yang, X., Gallegly, ME. & Hong, C-X., 2014. A high-temperature tolerant species in clade 9 of the genus Phytophthora: P. hydrogena sp. nov. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/106/1/57.short [Accessed April 12, 2016].
【R3-02829】2016/04/13投稿

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3行まとめ

米国バージニア州において灌漑用水から分離された卵菌の一種を検討し、Phytophthora hydrogenaとして新種記載した。
本種は35°Cの高温でも良好に生育し、最小生長温度は5°C、最大生長温度は40°Cであった。
分子系統解析では本種はクレード9に含まれ、同じく高温耐性を有する種とクラスターを形成した。
Virginia, USA

(新種)

Phytophthora hydrogena X. Yang & C.X. Hong
語源…水生の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phytophthora hydropathica
米国バージニア州に分布する
灌漑用水から分離される
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
高温耐性を有する
ヘテロタリックである
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード9に含まれる)
本種と異なりKalmia latifoliaなどを宿主とする
本種と異なり厚壁胞子を形成する
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに31塩基、cox1に25塩基の差異)
Phytophthora irrigata
米国バージニア州に分布する
灌漑用水から分離される
形態的に非常に類似している
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
高温耐性を有する
ヘテロタリックである
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード9に含まれる)
本種と異なり遊走子嚢柄の先端が幅広いという特徴を欠く
本種と異なり遊走子嚢基部が細まるという特徴を欠く
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに53塩基、cox1に28塩基の差異)
Phytophthora parsiana
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
高温耐性を有する
ヘテロタリックである
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード9に含まれる)
本種と異なり米国ではなくイランなどに分布する
本種と異なりFicus caricaなどを宿主とする
本種より遊走子嚢のサイズがずっと大きい
本種と異なり厚壁胞子を形成する
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに43塩基、cox1に26塩基の差異)
Phytophthora aquimorbida
米国バージニア州に分布する
灌漑用水から分離される
高温耐性を有する
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード9に含まれる)
ITSおよびcox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora chrysanthemi
高温耐性を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく日本などに分布する
本種と異なりキク属植物などを宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される