(仮訳)タイ産被実性チチタケ属菌の新種
Verbeken, A. et al., 2014. A new angiocarpous Lactarius species from Thailand. Phytotaxa. Available at: http://www.mapress.com/phytotaxa/content/2014/f/p00181p170f.pdf [Accessed December 29, 2014].
【R3-01414】2014/12/29投稿

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3行まとめ

タイ北部の熱帯林で採集された被実性のチチタケ属菌を検討し、Lactarius bisporusとして新種記載した。
本種は乳液が白色で変色性がなく、担子器が常に2胞子性で、担子胞子の装飾が疣状~刺状であることなどで特徴づけられた。
本種は同じく被実性のL. pomiolensと最も近縁であったが、形態的・系統的に区別された。
Thailand, Chiang Mai Province, Mae On District, about 3 km from Tharnthong Lodges

(新種)

Lactarius bisporus Verbeken & F. Hampe
語源…2胞子性の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lactarius pomiolens
アジアに分布する
子実体が被実性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくスリランカに分布する
本種と異なり乳液が変色しないのではなく速やかに硫黄色に変色する
本種と異なり特に臭いがないのではなく強く甘いリンゴ臭がある
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種と異なり担子胞子の装飾が独立した刺状および疣状ではなく非常に背の高い翼状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius echinus
アジアに分布する
子実体が被実性
担子器が2胞子性
担子胞子の装飾が刺状
本種より担子胞子の装飾が長い
本種より担子胞子の装飾が規則的
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPlinthogalus亜属クレードに含まれる)
Lactarius falcatus
アジアに分布する
子実体が被実性
担子器が2胞子性
担子胞子の装飾が刺状
本種と異なり乳液が変色しないのではなく速やかに明るい淡黄色に変色する
本種より担子胞子の装飾が短い
本種と異なり担子胞子の装飾の頂部が典型的には屈曲する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりRussularia亜属クレードに含まれる)
Arcangeliella lactifera
アジアに分布する
子実体が被実性
担子器が2胞子性
担子胞子の装飾が刺状
本種より担子胞子の装飾が長い
本種より担子胞子の装飾が規則的
Arcangeliella nanjingensis
アジアに分布する
子実体が被実性
担子器が2胞子性
本種と異なり子実体が黄褐色ではなく褐色~暗褐色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子の装飾が短い