(仮訳)カナリア諸島産のカラタチゴケ属地衣1新種
Pérez-Ortega, I. & Pérez-Ortega, S. 2014. A new endemic Ramalina species from the Canary Islands (Ascomycota, Lecanorales). Phytotaxa. Available at: https://biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.159.4.3 [Accessed October 4, 2019] 【R3-06648】2019/10/4投稿

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3行まとめ

カナリア諸島、エル・イエロ島の森林で採集された固有種とみられる樹皮生地衣の一種を検討し、Ramalina alisiosaeとして新種記載した。
本種は地衣体の枝が細長くて徐々に先細りになり、地衣成分としてノルスチクチン酸およびウスニン酸を含むことなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析ではR. farinaceaグループに近縁であり、形態的にも類似していた。
Spain, Canary Islands, El Hierro, Sabinosa, Camino hacia la Fuente de Mencáfete

(新種)

Ramalina alisiosae Pérez-Vargas & Pérez-Ortega
語源…貿易風の(生息地に吹くことから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ramalina farinacea
樹皮生地衣である
地衣体の長さが類似している
地衣体の枝が先細りになる
子器が稀に生じる
子器が側生する
子器にやや柄を有する
粉芽塊を多数生じる
地衣成分としてノルスチクチン酸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり稀に岩上生のことがある
本種と異なりカナリア諸島ではなく北半球に分布する
本種と異なり地衣体が中程度に分枝するのではなく二叉または不規則に分枝する
本種より地衣体の枝の最大幅が広い
本種と異なり地衣体の枝が類円筒形ではなく円筒形で扁平または管状
本種より子器の最大直径が大きい
本種と異なり粉芽塊が半円形~円形、凸形でしばしば微小な小枝を生じるのではなく円形で凹み、時に小枝を生じる
本種より粉芽のサイズが小さい
本種と異なり粉芽が小粒状ではなく穀粉状~微細な小粒状
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種より皮層が薄い
本種と異なり地衣成分としてプロトセトラル酸、サラジン酸、ヒポプロトセトラル酸、プソロミン酸などを有することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina implectens
マカロネシアに分布する
樹皮生地衣である
地衣体の長さが類似している
地衣体が中程度に分枝する
地衣体の枝の幅の範囲が重なる
地衣体の枝が先細りになる
地衣成分としてノルスチクチン酸を有することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイベリア半島における分布が知られている
本種と異なり稀に岩上生のことがある
本種と異なり地衣体の枝が類円筒形ではなく円筒形で扁平または管状
本種と異なり子器が稀ではなく多数生じる
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器が側生ではなく側生または時に頂生する
本種と異なり粉芽塊を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の次端部に偽隔壁を生じる
本種より皮層が薄い
本種と異なり地衣成分としてサラジン酸、プロトセトラル酸、ヒポプロトセトラル酸などを有することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina peruviana(コフキカラタチゴケ)
樹皮生地衣である
子器が稀に生じる
子器が側生する
粉芽塊を多数生じる
粉芽が小粒状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナリア諸島ではなく汎世界的に分布する
本種と異なり稀に岩上生のことがある
本種より地衣体が短い
本種と異なり地衣体が中程度に分枝するのではなく密で複雑に分枝する
本種より地衣体の枝の幅が狭い
本種と異なり地衣体の枝が類円筒形ではなく扁平で頂部が類円筒形
本種より子器の最大直径が大きい
本種と異なり粉芽塊が半円形~円形、凸形でしばしば微小な小枝を生じるのではなく点状でしばしば小型の繊維を生じる
本種より粉芽のサイズが小さい
本種より皮層が薄い
本種と異なり地衣成分としてウスニン酸およびノルスチクチン酸を含むという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分として石花酸類を有することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina dendriscoides
樹皮生地衣である
粉芽塊が”efflorescent”である
粉芽が小粒状
本種と異なりカナリア諸島ではなく中米、南米、東アフリカに分布する
本種より地衣体が短い
本種と異なり地衣体が中程度に分枝するのではなく密で複雑に分枝する
本種より地衣体の枝の幅が狭い
本種と異なり地衣体の枝が類円筒形ではなく主に円筒形
本種と異なり子器を形成しない
本種より粉芽のサイズが小さい
本種より子嚢胞子が長い
本種より皮層が薄い
本種と異なり地衣成分としてウスニン酸およびノルスチクチン酸を含むという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分としてサラジン酸および痕跡的なアトラノリンを有する