(仮訳)タスマニアの山地に産したPorina属1新種、およびオーストラリアの岩上生の分類群の改訂版検索表
McCarthy, PM. & Kantvilas, G. 2023. A new species of Porina (lichenized Ascomycota, Porinaceae) from montane Tasmania, and an updated key to the saxicolous taxa in Australia. Australasian Lichenology. Available at: https://www.anbg.gov.au/abrs/lichenlist/AL92.pdf [Accessed October 14, 2023] 【R3-11060】2023/10/14投稿

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3行まとめ

オーストラリア、タスマニア州で採集された岩上生地衣の一種を検討し、Porina nivalisを新種記載した。
本種は地衣体が淡褐色または淡灰褐色~暗い帯灰緑色で連続的~微細な小区画状、被子器が極小の黒色、子嚢胞子が3隔壁、子囊果周辺組織外壁がKOHで濃青色~紫色を呈し、粉子が微小であり、共生藻が異常に大型であることなどで特徴づけられた。
オーストラリア産の岩上生地衣の検索表を掲載した。
Australia, Tasmania, Ben Lomond, saddle between Giblin Peak and Legges Tor

(新種)

Porina nivalis P.M.McCarthy & Kantvilas
語源…雪の(生息環境から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Porina byssophila
岩上生地衣である
被子器が小型
被子器が黒色
子囊果周辺組織外壁が紫色~紫褐色
子嚢果周辺組織外壁がK+青灰色~暗灰褐色
本種と異なりオーストラリアではなくヨーロッパ、北米、中国などに分布する
本種と異なり粗粒玄武岩ではなく石灰岩などに生じる
本種と異なり被子器が通常集まりをなす
本種と異なり子嚢胞子のうち隔壁数5-7のものが少数である
本種より粉子の合図が大きい
本種より共生藻細胞のサイズが小さい
Porina chlorotica(マルゴケ)
オーストラリアに分布する
岩上生地衣である
子嚢胞子の隔壁数が3
子嚢果周辺組織外壁の切片が一様に黒色
子嚢果周辺組織外壁に藻類細胞が含まれない
本種と異なりほぼ汎世界的に分布する
本種と異なり粗粒玄武岩ではなく珪質岩などに生じる
本種と異なり子嚢果周辺組織外壁が紫褐色、灰褐色または帯緑黒色
本種と異なり子嚢果周辺組織外壁がK+濃青色~紫色ではなくK陰性またはK+暗い帯褐灰色
本種より粉子のサイズが大きい
本種と異なり共生藻細胞が小型である
Porina psilocarpa
オセアニアに分布する
本種と異なりオーストラリアではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子嚢胞子のほとんどが3隔壁であるが1/3ほどは5-7隔壁を有する
本種と異なり子嚢果周辺組織外壁の断面が紫黒色である
本種と異なり子嚢果周辺組織外壁がKOH陰性である
本種と異なり外被層が同色である
Porina tasmanica
オーストラリアに分布する
高山帯に分布する
岩上生地衣である
子嚢胞子に横隔壁のみを有する
スミレモ属の共生藻を有する
共生藻が大型である
本種と異なり粗粒玄武岩ではなく石英などに生じる
本種より被子器のサイズが大きい
本種と異なり被子器の表面および断面が橙褐色である
本種と異なり子嚢果周辺組織外壁に藻類細胞を含む
本種より粉子が長い
本種と異なり粉芽が桿形~糸状