(仮訳)Trapelia属への追加
Kantvilas, G. et al., 2015. Additions to the genus Trapelia (Trapeliaceae: lichenised Ascomycetes). Australian Systematic Botany. Available at: http://www.publish.csiro.au/view/journals/dsp_journals_pip_abstract_scholar1.cfm?nid=150&pip=SB14037 [Accessed August 3, 2015].
【R3-02068】2015/08/03投稿

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3行まとめ

オーストラリア、タスマニア州からTrapelia calvarianaを、西オーストラリア州からT. thieleanaを、それぞれ新種記載した。
前者は地衣体が暗灰褐色で特有の子嚢や5-O-メチルヒアス酸を含むことなどで、後者は未知の黄色色素を含むことなどで特徴づけられた。
Trapelia属の属概念を検討し、本属の同質性に疑問を呈した。
Australia, Tasmania, Skullbone Plains

(新種)

Trapelia calvariana Kantvilas & Lumbsch
語源…頭骸骨の(採集地のスカルボーン平原と一般的な生息環境から)
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【よく似た種との区別】
Trapelia lilacea
タスマニア州に分布する
地衣体が帯灰色で鈍色
子器が小型
果殻縁部が薄い
果托の色が類似している
果托の厚さが類似している
果殻縁部に頻繁に類白色の地衣体の欠片を付着する
地衣成分として5-O-メチルヒアス酸を含む
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体が広がる
本種より地衣体が厚い
本種と異なり地衣体が淡い帯黄灰色~淡紫色を帯びる
本種と異なり地衣体の縁部が扇畳み状
本種と異なり果托が輪状ではなく杯状
本種と子嚢の形態が大きく異なる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種より分生子が短い
本種と異なり果托の組織が繊維菌糸組織からなる
本種と異なり地衣成分として複数のジロホール酸型の化合物と2種の未知成分を含む
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Western Australia, Tutunup Road

(新種)

Trapelia thieleana Kantvilas, Lumbsch & Elix
語源…植物学者のKevin Thiele氏に献名
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【よく似た種との区別】
Trapelia coarctata
一般的形態が類似している
共生藻がChlorella属類似
子嚢胞子のサイズが類似している
二次代謝産物として主にジロホール酸を含む
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり西オーストラリア州のみで知られているのではなくおそらく汎世界的に分布する
本種と異なり黄色の色素を含むという特徴を欠く
本種と異なり果托が非常に退化的なのではなく明瞭
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される