(仮訳)ハリタケ型ニクハリタケ科菌類への追加:Cabalodontia属、Etheirodon属、Metuloidea属、およびSteccherinum
Westphalen, MC. et al. 2021. Additions to the knowledge of hydnoid Steccherinaceae: Cabalodontia, Etheirodon, Metuloidea, and Steccherinum. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00275514.2021.1894536 [Accessed October 16, 2023] 【R3-11066】2023/10/16投稿

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3行まとめ

ブラジルなど新熱帯地域からCabalodontia delicataEtheirodon purpureum、およびSteccherinum larssoniiの3新種を記載した。
また、新組み合わせとしてC. albofibrillosaおよびMetuloidea reniformisを提唱した。
関連する属の主な形質を表にまとめたほか、”residual polyporoid”クレードのハリタケ型の属の検索表を掲載した。
Brazil, Rio Grande do Sul, Caxias do Sul, Comunidade Nossa Senhora de Lourdes, 3a Légua

(新種)

Cabalodontia delicata Westphalen & Motato-Vásq.
語源…繊細な(子実体の質感から)
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【よく似た種との区別】
Cabalodontia queletii(カタコメバタケ)
形態的に非常に類似している
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、ベネズエラ、コスタリカではなくヨーロッパに分布する
本種より子実体が厚い
本種と異なり子実体ががっしりとしている
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が類球形~長楕円形ではなく楕円形~短円筒形
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cabalodontia albofibrillosa
形態的に非常に類似している
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、ベネズエラ、コスタリカではなくアジアに分布する
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が類球形~長楕円形ではなく球形~類球形
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Rio Grande do Sul, São Francisco de Paula, Floresta Nacional (FLONA)

(新種)

Etheirodon purpureum Westphalen
語源…紫色の(子実体の新鮮時の色から)
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【よく似た種との区別】
Etheirodon fimbriatum
形態的に類似している(従来この種に同定されており、担子胞子のサイズおよび形状、地理的分布によってしか区別されない)
子実体が新鮮時紫色
子実体縁部が顕著な長縁毛状
子実層托表面が微粉状
子実層托が小型
子実層托が不規則な歯状
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルおよびベネズエラではなくチェコ、スペイン、イギリスなどに分布する
本種より担子胞子が僅かに短い
本種より担子胞子の幅が僅かに広い
本種と担子胞子の形状が異なる
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Irpex microdon
ブラジルに分布する
本種と異なり子実体がクリーム色
本種より担子胞子の幅が狭い
Brazil, São Paulo, Santo André, Rebio do Alto da Serra de Paranapiacaba

(新種)

Steccherinum larssonii Westphalen & Motato-Vásq.
語源…スウェーデンの菌学者、Karl-Henrik Larsson氏に献名
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【よく似た種との区別】
Steccherinum bourdotii
担子胞子の形態がほぼ同一である
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、コスタリカ、メキシコではなくフランスなどに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種より傘がよく発達する
本種より歯が長い
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Steccherinum perparvulum
ブラジルに分布する
肉眼的形態がほぼ同一である
本種より歯のサイズが僅かに小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と担子胞子の形状が異なる
Steccherinum subochraceum
顕微鏡的形質が非常に類似している
担子胞子の形態がほぼ同一である
本種と異なり子実体が背着生で縁部が平らに広がる
本種より歯のサイズがずっと大きい
Steccherinum basibasidium
担子胞子の形態がほぼ同一である
本種より傘のサイズが大きい
本種より傘が発達する
本種より歯のサイズがずっと大きい

(新組み合わせ)

Cabalondotia albofibrillosa (Hjortstam & Ryvarden) Westphalen
旧名:Steccherinum albofibrillosum (Hjortstam & Ryvarden) Hallenb. & Hjortstam
(基礎異名はPhlebia albofibrillosa Hjortstam & Ryvarden)
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【よく似た種との区別】
Cabalodontia delicata
形態的に非常に類似している
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアジアではなくブラジル、ベネズエラ、コスタリカに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく類球形~長楕円形
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cabalodontia queletii(カタコメバタケ)
形態的に非常に類似している
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアジアではなくヨーロッパに分布する
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく楕円形~短円筒形
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Metuloidea reniformis (Berk. & M.A. Curtis) Westphalen & Motato-Vásq.
旧名:Irpex reniformis (Berk. & M.A. Curtis) Saaren. & Kotir.
(基礎異名はHydnum reniforme Berk. & M.A. Curtis)
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【よく似た種との区別】
Metuloidea murashkinskyi(ニセニクハリタケ)
形態的に非常に類似している
本種より子実体がやや厚い
本種と異なりシスチジアが棍棒形