(仮訳)Amanita griseofusca:パキスタン、スワート、マラム・ジャバ産のAmanitaVaginatae節の新種
Kiran, M. et al., 2018. Amanita griseofusca: A new species of Amanita in section Vaginatae from Malam Jabba, Swat, Pakistan. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.364.2.5 [Accessed August 31, 2022] 【R3-09834】2022/8/31投稿

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3行まとめ

パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州の森林においてQuercus dilatataの樹下に発生した菌を検討し、Amanita griseofuscaとして新種記載した。
本種は子実体が中型で傘が帯灰褐色、条線をあらわし、疣状の被膜の名残を伴い、襞が帯桃クリーム色で密、つぼが緩い袋状で、担子胞子が広楕円形~楕円形であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でVaginatae節クレードに含まれ、近縁種とは肉眼的・顕微鏡的形態などが異なっていた。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Swat District, Malam Jabba valley

(新種)

Amanita griseofusca J. Khan & M. Kiran
語源…帯灰褐色の(傘の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Amanita oblongospora
傘の色が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくヨーロッパ、米国などに分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色ではなくパールグレーである
本種と異なり傘に顕著で広い中丘を欠くのではなく有する
本種と異なり傘表面の条線が半径の1/3を占めるのではなく1/5を占める
本種と異なり担子器基部にクランプを欠くのではなく通常有する
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita mairei(ナガミノツルタケ)
傘が帯灰色
つぼが袋状
担子胞子が広楕円形~楕円形
担子胞子が非アミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する
本種と異なり傘が成熟時オリーブ色または紫色を帯びる
本種と異なり傘表面の条線が半径の1/3を占めるという特徴を欠く
本種と異なり担子器基部にクランプを欠くのではなく時に有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita pseudovaginata(カブラツルタケ)
アジアに分布する
傘が帯灰褐色
傘中央部が僅かに窪む
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり襞が桃色を帯びることがない
本種と異なり柄表面が顕著な繊維状ではなくほぼ平滑
本種と異なりつぼの上半分が成熟時ベージュ色ではなく灰色になる
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく類球形~広楕円形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita beckeri
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく米国などに分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色ではなく黄金クルミ色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita crocea(コガネツルタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくドイツなどに分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色で中央部が暗色なのではなくサフラン橙色
本種と異なり傘表面に被膜の名残を欠く
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita malleata
傘が帯灰色
襞が帯クリーム白色で乾燥すると桃色を帯びる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する
本種と異なり傘が成熟すると白色になる
本種と異なり傘がいくぶん円錐形または鐘形なのではなく幼時半球形~楕円形で成熟すると扁平になる
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく類球形~広楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita separata
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色ではなくビストル~暗い帯褐色
本種と異なり傘が扁平~広凸形で中央部が成熟時窪むのではなく中高
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita cistetorum
襞が桃色を帯びることがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する
本種と異なり襞が成熟時桃色ではなく帯桃黄褐色でしばしば成熟時アッシュグレーを呈する
本種と異なり柄表面がクリーム色の粉に密に覆われる
本種と異なりつぼがやや膜質で脆い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita simulans
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくイタリア、フランス、イングランドなどに分布する
本種と異なり傘に大型で鈍頭の中丘を有する
本種と異なり襞に黒色斑点をあらわす
本種と異なりつぼに帯黄橙色の斑点をあらわす
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される