(仮訳)Flavi節の臨床に関連する新種、Aspergillus novoparasiticus
Gonçalves, SS. et al., 2012. Aspergillus novoparasiticus: a new clinical species of the section Flavi. Medical Mycology. … Available at: http://informahealthcare.com/doi/abs/10.3109/13693786.2011.593564 [Accessed April 26, 2014].
【R3-00648】2014/04/26投稿

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3行まとめ

臨床環境で出現するコウジカビ属菌の調査の過程で、Aspergillus parasiticusに類似するがコロニーの色や分生子の装飾が異なる分離菌株を見出した。
複数遺伝子に基づく分子系統解析を含む多相分類学的手法により本菌株を検討し、Aspergillus novoparasiticusとして新種記載した。
本種はA. parasiticusと明瞭な姉妹群を形成し、産生する二次代謝産物の種類でも同種と区別されることが判明したほか、4種のアフラトキシン類を産生することも明らかになった。
Brazil, São Paulo

(新種)

Aspergillus novoparasiticus Gonçalves, Stchigel, Cano, Colombo & Guarro
語源…新しいAspergillus parasiticus
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus flavus
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウム、リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子柄の頂嚢直下に隔壁を持つという特徴を欠く
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなく平滑~粗面
本種と異なり培養下で菌核を形成することがある
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりアフラトキシン類を産生しないか、産生する種類が少ない
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性の菌株がある
本種と異なりタンニン酸の資化能を有する
Aspergillus parasiticus
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
アフラトキシン類 (B1、B2、G1、G2) の産生能を持つ
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子柄の頂嚢直下に隔壁を持つという特徴を欠く
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなくトゲ状
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(3遺伝子の結合配列に約3.4%の違いがある)
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する
Aspergillus parasiticus var. globosus
培養下で菌核を形成しない
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
アフラトキシン類 (B1、B2、G1) の産生能を持つ
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子柄の頂嚢直下に隔壁を持つという特徴を欠く
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなくトゲ状
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりアフラトキシンG2の産生能を欠く
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する
Aspergillus sojae
培養下で菌核を形成しない
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなくトゲ状
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりアフラトキシン類の産生能を欠く
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する
Aspergillus terricola var. americanus
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
AFPA培地陰性
CREA培地陰性
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子柄の頂嚢直下に隔壁を持つという特徴を欠く
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなくトゲ状
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりアフラトキシン類の産生能を欠く
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する
Aspergillus minisclerotigenes
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
アフラトキシン類 (B1、B2、G1、G2) の産生能を持つ
本種と異なり培養下で菌核を形成する
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性
Aspergillus arachidicola
培養下で菌核を形成しない
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で近縁
アフラトキシン類 (B1、B2、G1、G2) の産生能を持つ
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
amdS+omt S+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりCREA培地陽性
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する
Aspergillus toxicarius
アフラトキシン類の産生能を持つ
リンゴ酸の資化能を欠く
10%塩化ナトリウムに耐性を持つ
0.1%シクロヘキシミドに耐性を持つ
ウレアーゼ試験陽性
本種と異なり分生子柄の頂嚢直下に隔壁を持つという特徴を欠く
本種と異なり分生子の装飾が裂片状~網状ではなくトゲ状
本種と異なりアフラトキシンB2の産生能を欠く
本種と異なりAFPA培地陽性
本種と異なりCREA培地陽性
本種と異なりタンニン酸、乳酸、D-グルコサミン、亜硝酸カリウムの資化能を有する

(その他の分類学的知見または措置)

  • A. parasiticusが単一の種ではなく種複合体であることを示した。