(仮訳)抗真菌治療抵抗性の侵襲性疾患を引き起こす新種Aspergillus tanneri
Sugui, JA. et al., 2012. Aspergillus tanneri sp. nov., a New Pathogen That Causes Invasive Disease Refractory to Antifungal Therapy. Journal of Clinical Microbiology. …. Available at: http://jcm.asm.org/content/50/10/3309.short [Accessed April 28, 2015].
【R3-01775】2015/04/28投稿

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3行まとめ

慢性肉芽腫症の若年男性2例に侵襲性アスペルギルス症を引き起こした菌を検討し、Aspergillus tanneriとして新種記載した。
本種は様々な常用培地で不稔であることで特徴づけられ、他のCircumdati節の種と同様に、アゾール系抗真菌薬およびアムホテリシンBに耐性を有していた。
一方、Circumdati節の多くの種が産生するオクラトキシンの産生能は認められず、同節の種とは頂嚢の形態や菌核形成の有無などで区別された。
USA

(新種)

Aspergillus tanneri Kwon-Chung, Sugui & S. W. Peterson
語源…本種の感染により死亡した患者の名前に由来
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus robustus
同じCircumdati節に含まれる
Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域の塩基配列が類似している
Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種とITS領域の塩基配列が異なる(類似度95%未満)
Aspergillus fumigatus
侵襲性アスペルギルス症の原因菌である
慢性肉芽腫症モデルマウスに対する接種で肺実質に肉芽腫を形成する
本種と異なり患者の肺から隣接する複数の臓器に拡がるのではなく典型的には肺に局在する
本種と異なりMEA37°Cでのコロニーが白色で薄いのではなく緑色芝生状
本種と異なりMEA37°Cで不稔ではなく胞子形成する
本種と異なりアムホテリシンBに対する耐性を欠く
本種よりボリコナゾールおよびイトラコナゾールのMICが低い
本種より接種した慢性肉芽腫症モデルマウスが死亡するまでの日数が顕著に短い
Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus petrakii
同じCircumdati節に含まれる
頂嚢のサイズが類似している
頂嚢の形状が類似している
菌核を形成しない
本種と異なりCz培地37°Cでほとんど生育しない