(仮訳)トリコロマトイド・クレードにおけるカヤタケ型の3新属(Atractosporocybe属、Leucocybe属、Rhizocybe属)、およびClitocybe属およびLepista属に関する記録
Alvarado, P. et al., 2015. Atractosporocybe, Leucocybe and Rhizocybe: three new clitocyboid genera in the Tricholomatoid clade (Agaricales) with notes on Clitocybe and Lepista. Mycologia. …. Available at: http://www.mycologia.org/content/107/1/123.short [Accessed January 7, 2016].
【R3-02540】2016/01/07投稿

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3行まとめ

複数遺伝子に基づく分子系統解析を実施し、カヤタケ型の子実体を形成する3新属、Atractosporocybe属、Leucocybe属、およびRhizocybe属を提唱した。
Atractosporocybe属はClitocybe属旧Inornatae節、Rhizocybe属は同Vernae節、Leucocybe属はClitocybe属の2種に対して設けられた。
Atractosporocybe属は長い紡錘形の担子胞子、Rhizocybe属は明瞭な根状菌糸束などでそれぞれ特徴づけられた一方、Leucocybe属には共通の特徴的な形質は見出されなかった。

(新組み合わせ)

Atractosporocybe inornata (Sowerby) P. Alvarado, G. Moreno & Vizzini
ナガミノカヤタケ
旧名:Clitocybe inornata (Sowerby) Gillet
語源…(属名)紡錘形の胞子のClitocybe
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【よく似た種との区別】
Lepista irina var. montana
子実体に不快臭がある
担子胞子が長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Leucocybe candicans (Pers.) Vizzini, P. Alvarado, G. Moreno & Consiglio
シロヒメカヤタケ
旧名:Clitocybe candicans (Pers.) P. Kumm.
語源…(属名)白色のClitocybe
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【よく似た種との区別】
Clitocybe phyllophila(ミヤマオシロイシメジ)
子実体が白色系
本種より子実体のサイズが大きい
ITSおよびnrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucocybe connata(オシロイシメジ)
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が叢生する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり襞が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色する
本種と異なり肉が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色する
本種と異なり担子器が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色する
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Leucocybe connata (Schumach.) Vizzini, P. Alvarado, G. Moreno & Consiglio
オシロイシメジ
旧名:Clitocybe connata (Schumach.) Gillet
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【よく似た種との区別】
Clitocybe phyllophila(ミヤマオシロイシメジ)
子実体が白色系
本種と異なり硫酸鉄に対して呈色反応を示さない
ITSおよびnrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucocybe candicans(シロヒメカヤタケ)
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が叢生しない
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり襞が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色しない
本種と異なり肉が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色しない
本種と異なり担子器が塩化鉄、硫酸鉄などで暗青色に呈色しない
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Rhizocybe vermicularis (Fr.) Vizzini, G. Moreno, P. Alvarado & Consiglio
旧名:Clitocybe vermicularis (Fr.) Quél.
語源…(属名)根のClitocybe
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【よく似た種との区別】
Rhizocybe pruinosa
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり低地ではなく亜高山帯に分布する
本種と異なり傘が赤色を帯びるのではなく帯灰褐色
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Rhizocybe pruinosa (Lasch: Fr.) Vizzini, G. Moreno & P. Alvarado
旧名:Clitocybe pruinosa (Lasch) P. Kumm.
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【よく似た種との区別】
Rhizocybe vermicularis
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり亜高山帯ではなく低地に分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色ではなく赤色を帯びる
nrLSU+rpb2+EF1-α+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhizocybe rhizoides
本種とITS領域の塩基配列が異なる(類似度91%、577/632塩基が一致)

(新組み合わせ)

Rhizocybe rhizoides (H.E. Bigelow & Hesler) Vizzini, G. Moreno & P. Alvarado
旧名:Clitocybe rhizoides H.E. Bigelow & Hesler
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【よく似た種との区別】
Rhizocybe pruinosa
本種とITS領域の塩基配列が異なる(類似度91%、577/632塩基が一致)

(その他掲載種)

Lepista panaeola (Fr.) P. Karst.
Lepista caespitosaL. paxilloidesL. subconnexaを本種のシノニムとすることを提案した。
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【よく似た種との区別】
Lepista densifolia
形態的に類似している(同種と見なされたことがある)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる)
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される