(仮訳)米国北中部においてテンサイに”Fusarium yellowing decline”を引き起こした新種、Fusarium secorumの特性
Secor, GA. et al., 2014. Characterization of Fusarium secorum, a new species causing Fusarium yellowing decline of sugar beet in north central USA. Fungal biology. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S187861461400097X [Accessed April 6, 2016].
【R3-02811】2016/04/07投稿

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3行まとめ

米国ミネソタ州においてテンサイに萎黄および根腐れ病害を起こした菌を調査し、病原菌をFusarium secorumとして新種記載した。
表現型データおよび分子系統解析の結果から、本種がF. fujikuroi種複合体に含まれることが強く示唆された。
本種の病原性は接種試験で確かめられたが、ボーベリシン以外のマイコトキシンは検出されなかった。
Sabin, Minnesota, USA

(新種)

Fusarium secorum Secor, Rivera-Varas, Christ, F. Mathew, M.F.R. Khan, Varrelmann, & M. Bolton
語源…故A. Secor氏(著者、Gary Secor氏の父親)に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium acutatum
同じFusarium fujikuroi種複合体に含まれる
ボーベリシン産生能を有する
EF1-α+CAL+mtSSU、EF1-α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく南アジアなどに分布する
本種と異なりテンサイではなく植物や昆虫から分離される
本種と異なり接種試験でテンサイに対して病原性を示さない
本種と異なりヒトの日和見感染菌である可能性が示されている
本種と異なりモニリフォルミン、フモニシンFB1およびFB2の産生能が知られている
EF1-α+CAL+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium oxysporum f. sp. betae
米国に分布する
同じテンサイを宿主とする
病害の症状が類似している
本種と異なり宿主に”Fusarium yellowing decline”ではなく”Fusarium yellows”を引き起こす
本種ほど病原力が強くないことが示唆される
Fusarium circinatum
同じFusarium fujikuroi種複合体に含まれる
菌糸が円形に巻く
EF1-α+CAL+mtSSU、EF1-α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり円形に巻く菌糸に稔性を欠く
本種と大分生子の形態が異なる
本種と異なり螺旋形の菌糸を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙色という特徴を欠く
EF1-α+CAL+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium pseudocircinatum
同じFusarium fujikuroi種複合体に含まれる
菌糸が円形に巻く
EF1-α+CAL+mtSSU、EF1-α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり円形に巻く菌糸に稔性を欠く
本種と大分生子の形態が異なる
本種と異なり螺旋形の菌糸を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙色という特徴を欠く
EF1-α+CAL+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium sterilihyphosum
同じFusarium fujikuroi種複合体に含まれる
菌糸が円形に巻く
EF1-α+CAL+mtSSU、EF1-α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり円形に巻く菌糸に稔性を欠く
本種と大分生子の形態が異なる
本種と異なり螺旋形の菌糸を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙色という特徴を欠く
EF1-α+CAL+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium mexicanum
同じFusarium fujikuroi種複合体に含まれる
菌糸が円形に巻く
円形に巻く菌糸から胞子を形成することがある
本種と大分生子の形態が異なる
本種と異なり螺旋形の菌糸を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙色という特徴を欠く