(仮訳)ニュージーランド産Chlorociboria属菌
Johnston, PR. & Park, D. 2005. Chlorociboria (Fungi, Helotiales) in New Zealand. New Zealand Journal of Botany. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/0028825X.2005.9512985 [Accessed April 7, 2022] 【R3-09394】2022/4/7投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

ニュージーランドからChlorociboria属菌の13新種と1新亜種を記載した。
既知のニュージーランド産の種としてはC. argentinensisのみが認められた。
これらの分類群は肉眼的外観、子嚢胞子のサイズと形状、”tomentum hyphae”の有無や平滑と粗面の別などで識別された。
New Zealand, Taupo, Rangitoto Station, Mangatutu, White Marker Track

(新亜種)

Chlorociboria aeruginascens subsp. australis P.R. Johnston
語源…南の(南半球に分布することから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria aeruginascens(ロクショウグサレキンモドキ)
形態的に識別不能なほど類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本亜種と異なり南半球ではなく北半球に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria argentinensis
ニュージーランドに分布する
子嚢盤が薄い
子嚢盤縁部が乾燥時巻き上がって部分的に子実層面を覆う
子実層面の形態が乾燥時に黒色になり類似することがある
柄が短い
子嚢の形態が識別不能なほど類似している
子嚢胞子の形態が識別不能なほど類似している
托外被層がゼラチン質の絡み合い菌糸組織からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本亜種と異なり子嚢盤がほとんどの場合共通の子座から生じるのではなく典型的には単生する
本亜種と異なり子嚢盤に白色の粉霜を欠く
本亜種と異なり托に白色の粉霜を欠く
本亜種と異なり”tomentum hyphae”を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Taupo, Pureora Forest, Link Track

(新種)

Chlorociboria albohymenia P.R. Johnston
語源…白色の子実層面の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria poutoensis
ニュージーランドに分布する
子実層面が新鮮時いくぶん白色で乾燥時明黄色
柄が短い
子嚢胞子が円筒形
“tomentum hyphae”が粗面
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と子実層面の色が異なる
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子が非対称形でない
本種と異なり子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれるという特徴を欠く
本種より”tomentum hyphae”が長い
本種と異なり”tomentum hyphae”が球形~短円筒形ではなくコイル状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(ニュージーランド新産種)

Chlorociboria argentinensis J.R. Dixon
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria campbellensis
ニュージーランドに分布する
子嚢盤が薄い
子嚢盤縁部が乾燥時巻き上がって部分的に子実層面を覆う
子実層面の形態が乾燥時に黒色になり類似することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり托に白色の粉霜を有する
本種と異なり子嚢胞子が円筒形でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria aeruginascens subsp. australis
ニュージーランドに分布する
子嚢盤が薄い
子嚢盤縁部が乾燥時巻き上がって部分的に子実層面を覆う
子実層面の形態が乾燥時に黒色になり類似することがある
柄が短い
子嚢の形態が識別不能なほど類似している
子嚢胞子の形態が識別不能なほど類似している
托外被層がゼラチン質の絡み合い菌糸組織からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が典型的には単生するのではなくほとんどの場合共通の子座から生じる
本種と異なり子嚢盤に白色の粉霜を有する
本種と異なり托に白色の粉霜を有する
本亜種と異なり”tomentum hyphae”を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Waikato, Awakino, Steuart Russell Awakino Beech Reserve

(新種)

Chlorociboria awakinoana P.R. Johnston
語源…アワキノの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria pardalota
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が単生するのではなく数個共通の子座から生じる
本種と異なり子実層面が乾燥時黒色ではなく黄色、暗青緑色
本種と異なり柄が基部にかけて細まる
本種と異なり柄表面に垂直方向の粗い畝を有する
本種と異なり托が濃青緑色ではなく成熟時淡黄色
本種と異なり托表面に暗色の斑点が散在する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria spathulata
ニュージーランドに分布する
形態的に識別困難なほど類似している
子嚢盤が単生する
子実層面が新鮮時青緑色で乾燥時黒色
柄が短い
柄がいくぶん上下同大
柄表面が畝状でない
托が成熟時暗青緑色
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり子嚢胞子が一端で僅かに幅広いのではなく両端の形状が等しい
本種より托外被層の外側を形成する菌糸が不完全な層ではなく完全かつ複雑な層状
本種と異なり托外被層菌糸が粗面ではなく平滑
本種と異なり托外被層菌糸の末端が膨大しないのではなく典型的には膨大して紡錘状~棍棒形
本種と異なり托外被層表面の菌糸が平滑
本種と異なり”tomentum hyphae”を欠くのではなく有するが欠くことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria omnivirens(ヒメロクショウグサレキン)
オセアニアに分布する
子嚢胞子のサイズが類似している
“tomentum hyphae”を欠く
本種と異なりニュージーランドではなくタスマニアなどに分布する
New Zealand, Campbell Island, along fenceline from western cliffs to Tucker Stream mouth

(新種)

Chlorociboria campbellensis P.R. Johnston
語源…キャンベル(島)産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria argentinensis
ニュージーランドに分布する
子嚢盤が薄い
子嚢盤縁部が乾燥時巻き上がって部分的に子実層面を覆う
子実層面の形態が乾燥時に黒色になり類似することがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり托に白色の粉霜を欠く
本種と異なり子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria halonata
ニュージーランドに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Taupo, vic. Kiko Rd, near corner Hingapo & Tiraki Rd

(新種)

Chlorociboria clavula P.R. Johnston
語源…小さな棍棒の(子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

New Zealand, Gisborne, Urewera National Park, Lake Waikaremoana, near Aniwaniwa

(新種)

Chlorociboria colubrosa P.R. Johnston
語源…蛇のような(子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria spiralis
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子が螺旋状の糸状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が青緑色ではなく乾燥時橙褐色
本種と異なり柄の幅が狭いのではなく広い
本種と異なり托が青緑色ではなく同色または暗青緑色
本種と異なり托表面が平滑ではなく密に絡まり合った毛状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Nelson, Spooner Saddle, reserve to north of main road

(新種)

Chlorociboria duriligna P.R. Johnston
語源…堅い材の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria aeruginosa(ロクショウグサレキン)
材生息菌である
形態的に非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなく米国などに分布する
本種と異なり堅い材ではなく柔らかい腐朽材に生じる
本種より子嚢胞子の幅が僅かに広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria poutoensis
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子が円筒形
“tomentum hyphae”が粗面
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が透明な青緑色ではなく乾燥時明黄色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Bay of Plenty, vic. Ruatahuna, near Te Waiiti, Tuhoe Tuawhenua Trust forest

(新種)

Chlorociboria halonata P.R. Johnston
語源…暈状の(子嚢盤縁部の”tomentum hyphae”の様子から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria campbellensis
ニュージーランドに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria macrospora
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子の長さが同一のことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子の両端が尖るという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Gisborne, vic. Ruatahuna, main road to Papatotara Ridge

(新種)

Chlorociboria macrospora P.R. Johnston
語源…大きな胞子の(子嚢胞子のサイズから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria halonata
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子の長さが同一のことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の両端が尖る
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Waikato, vic. Awakino, Steuart Russell Awakino Beech Reserve

(新種)

Chlorociboria pardalota P.R. Johnston
語源…豹の(托の斑点から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria awakinoana
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が数個共通の子座から生じるのではなく単生する
本種と異なり子実層面が黄色、暗青緑色ではなく乾燥時黒色
本種と異なり柄が基部にかけて細まるという特徴を欠く
本種と異なり柄表面に垂直方向の粗い畝を有するという特徴を欠く
本種と異なり托が成熟時淡黄色ではなく濃青緑色
本種と異なり托表面に暗色の斑点が散在するという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria spathulata
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が単生する
本種と異なり子実層面が暗青緑色で乾燥時黒色
本種と異なり柄がいくぶん上下同大
本種と異なり柄表面が畝状でない
本種と異なり托が暗青緑色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Northland, North Kaipara Heads, vic. Pouto, Tapu Bush

(新種)

Chlorociboria poutoensis P.R. Johnston
語源…ポウト産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria albohymenia
ニュージーランドに分布する
子実層面が新鮮時いくぶん白色で乾燥時明黄色
柄が短い
子嚢胞子が円筒形
“tomentum hyphae”が粗面
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と子実層面の色が異なる
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子が非対称形
本種と異なり子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれる
本種より”tomentum hyphae”が短い
本種と異なり”tomentum hyphae”がコイル状ではなく球形~短円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria duriligna
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子が円筒形
“tomentum hyphae”が粗面
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が乾燥時明黄色ではなく透明な青緑色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Westland, vic. Haast, Jackson Bay Rd, about 5 km past Cascades turnoff

(新種)

Chlorociboria procera P.R. Johnston
語源…すらりとした(柄の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

New Zealand, Nelson, Abel Tasman National Park, track to Harwood’s Hole

(新種)

Chlorociboria spathulata P.R. Johnston
語源…箆形の(托表面菌糸末端の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria awakinoana
ニュージーランドに分布する
形態的に識別困難なほど類似している
子嚢盤が単生する
子実層面が新鮮時青緑色で乾燥時黒色
柄が短い
柄がいくぶん上下同大
柄表面が畝状でない
托が成熟時暗青緑色
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり子嚢胞子の両端の形状が等しいのではなく一端で僅かに幅広い
本種より托外被層の外側を形成する菌糸が完全かつ複雑な層状ではなく不完全な層
本種と異なり托外被層菌糸が平滑ではなく粗面
本種と異なり托外被層菌糸の末端が典型的には膨大して紡錘状~棍棒形なのではなく膨大しない
本種と異なり托外被層表面の菌糸が平滑でない
本種と異なり”tomentum hyphae”を有するが欠くことがあるのではなく欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorociboria pardalota
ニュージーランドに分布する
柄が短い
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢盤が単生するという特徴を欠く
本種と異なり子実層面が暗青緑色で乾燥時黒色でない
本種と異なり柄がいくぶん上下同大でない
本種と異なり柄表面が畝状
本種と異なり托が暗青緑色でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Buller, Rahu Saddle, vic. Newcombe Creek

(新種)

Chlorociboria spiralis P.R. Johnston
語源…螺旋の(子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Chlorociboria colubrosa
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子が螺旋状の糸状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層面が乾燥時橙褐色ではなく青緑色
本種と異なり柄の幅が広いのではなく狭い
本種と異なり托が同色または暗青緑色ではなく青緑色
本種と異なり托表面が密に絡まり合った毛状ではなく平滑
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される