(仮訳)洞窟のコウモリグアノから得られたAjellomyces capsulatus類似の新種Chrysosporium speluncarum
Nováková, A. & Kolařík, M., 2010. Chrysosporium speluncarum, a new species resembling Ajellomyces capsulatus, obtained from bat guano in caves. Mycological progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-009-0634-0 [Accessed July 10, 2014].
【R3-00893】2014/07/11投稿

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3行まとめ

チェコ、スロバキア、ルーマニアの洞窟において、コウモリのグアノから分離された菌をChrysosporium speluncarumとして新種記載した。
本種はAjellomyces capsulatusHistoplasma属アナモルフに類似する分生子を形成したが、37°Cで生育せず、二型性を欠いていた。
本種は同じくコウモリと関係するC. chiropterorumに類似していたが系統的に異なり、ホネタケ目菌類のいくつかの菌群で収斂進化が起こっていることが示唆された。
Slovakia, Slovak Karst National Park, Kečovo, Domica Cave system – Čertova diera Cave, Great Bat Dome

(新種)

Chrysosporium speluncarum A. Nováková & M. Kolarík
語源…洞窟の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ajellomyces capsulatus
ヨーロッパに分布する
洞窟に生息する
分生子の形態が類似している(形態的に区別できない)
分生子の表面が瘤状
本種と異なりヨーロッパ温帯域の洞窟には分布しないと思われる
本種と異なりヒストプラズマ症を起こす病原菌として知られている
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(系統的に大きく異なる)
Renispora flavissima
コウモリのグアノを基質とする
分生子の表面が瘤状
二型性を欠く
コロニーが帯黄色
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパではなく米国に分布する
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なりテレオモルフを持つ
本種と異なり37°Cで生育可能
Neogymnomyces demonbreunii
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコウモリのグアノではなく土壌、哺乳類、鳥類と関係を持つ
本種と異なり分生子の表面が瘤状ではなく平滑
Chrysosporium chiropterorum
ヨーロッパに分布する
洞窟に生息する
コウモリと関係を持つ
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりコロニーが淡い帯緑黄色~淡い帯黄褐色ではなく桃緑色
本種と異なり37°Cで生育可能
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(系統的に大きく異なる)
Chrysosporium lobatum
哺乳類と関係を持つ
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(系統的に大きく異なる)
Polytolypa hystricis
糞生菌である
本種と異なりコウモリではなくヤマアラシの糞に発生する
本種と異なり分生子の表面が瘤状ではなく平滑
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(系統的に大きく異なる)
Arthroderma multifidum
ヨーロッパに分布する
コウモリのグアノを基質とする
形態的に類似している
系統的に異なる(先行研究)
Arthroderma tuberculatum
ヨーロッパに分布する
コウモリのグアノを基質とする
形態的に類似している
系統的に異なる(先行研究)
Chrysosporium vallenarense
分生子の表面が瘤状
本種と異なりシンポジオ状に生長する
本種より分生子のサイズが小さい