(仮訳)中国南東部熱帯域に産したイグチ科の新属新種、Nigroboletus roseonigrescensの定義および分類体系
Gelardi, M. et al., 2015. Circumscription and Taxonomic Arrangement of Nigroboletus roseonigrescens Gen. Et Sp. Nov., a New Member of Boletaceae from Tropical South–Eastern China. PLOS ONE. Available at: http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0134295 [Accessed December 27, 2014].
【R3-02105】2015/08/16投稿

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3行まとめ

中国広東省で採集されたイグチ類の一種を検討し、新属新種Nigroboletus roseonigrescensとして記載した。
本種は子実体が小型~中型、傘がパステルローズで、黒変性を有し、担子胞子が小型の類卵形~広楕円形であることなどで特徴づけられた。
本種はITSおよび複数遺伝子に基づく分子系統解析で、Xerocomellus属およびそれと異なる系統を形成したX. armeniacusなどと区別された。
中国広東省広州市火炉山天鹿湖森林公園

(新種)

Nigroboletus roseonigrescens Gelardi, Vizzini, E. Horak, T.H. Li & Ming Zhang
語源…(属名)黒いイグチ/(種小名)桃色で黒変する(傘および柄の色と変色性から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Xerocomellus spp.
子実体が小型~中型
傘表面がビロード状~類綿毛状
傘表面が乾燥している
孔口が放射状に配列する
孔口が帯黄色~オリーブ黄色
孔口が円形~角形
柄に網目状装飾を欠く
子実層托実質の構造が類似している
傘表皮が毛状被
傘表皮に色素結晶を伴う
柄表皮に稔性を有する
ITSおよびnrLSU+rpb1+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり熱帯ではなく亜寒帯~温帯に分布する
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が類卵形~広楕円形ではなく楕円状紡錘形~類紡錘形
本種と異なり担子胞子にいくぶん明瞭な胞子盤を有する
本種と異なり”lateral stipe stratum”を通常欠くか、あっても非常に薄い
本種と異なり菌糸表面にコンゴ―レッド染色性のプラークを欠く
ITSおよびnrLSU+rpb1+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xerocomellus armeniacus
菌糸表面にコンゴ―レッド染色性のプラークを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり柄の基部の肉が明るい黄色~黄褐色から橙黄色
本種と異なり柄の基部の肉に変色性を欠く
本種と異なり傘表皮が硫酸鉄で暗青緑色に呈色する
本種と異なり柄の基部の肉が硫酸鉄で暗青緑色に呈色する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なり”armeniacusクレード”に含まれる)