(仮訳)南半球産Lepraria属の系統分類の研究、および3新種の記載
Barcenas-Peña, A. et al., 2021. Contributions to the phylogeny of Lepraria (Stereocaulaceae) species from the Southern Hemisphere, including three new species. The Bryologist. Available at: https://bioone.org/journals/the-bryologist/volume-124/issue-4/0007-2745-124.4.494/Contributions-to-the-phylogeny-of-Lepraria-Stereocaulaceae-species-from-the/10.1639/0007-2745-124.4.494.short [Accessed November 6, 2021] 【R3-08938】2021/11/6投稿

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3行まとめ

オーストラリア、チリ、ニュージーランド、南極を含む南半球各地で採集されたLepraria 属地衣の系統関係を検討した。
形態、化学、および分子データを基に9系統を認め、そのうちL. chileanaL. neozelandica、およびL. ulrikiiを新種記載した。
これらの新種はそれぞれチリ、ニュージーランド、ニュージーランド・オーストラリアに分布していた。
Chile, Magallanes Region and Chilean Antarctica, Cabo de Hornos, Navarino Island, along trail through Valle Robalo

(新種)

Lepraria chileana Grewe, Barcenas-Peña,Diaz & Lumbsch
語源…チリの
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【よく似た種との区別】
Lepraria gelida
地衣体が凝集する
地衣成分が共通している
本種と異なりチリではなくグリーンランドおよびロシアなどに分布する
本種と異なり地衣体がalpina
本種より地衣体の小粒のサイズが大きい
Lepraria nivalis
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなく米国、スロベニアなどに分布する
本種と異なり地衣体がfinkii型である
本種と異なり地衣体がプラコディオイドである
本種より地衣体の小粒のサイズが大きい
本種と地衣成分が異なる
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Auckland, Birkdale neighborhood, Eskdale Bush Preserve, along trail head off Eskdale Road

(新種)

Lepraria neozelandica Barcenas-Peña, Grewe & Lumbsch
語源…ニュージーランドの
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【よく似た種との区別】
Lepraria goughensis
形態的に類似している
本種より地衣体の小粒のサイズが小さい
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む
Lepraria achariana
地衣成分としてレカノール酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなくボリビアなどに分布する
本種より地衣体の小粒が厚い
本種と異なり地衣成分としてロセリン酸および”angardianic acid”を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lepraria cupressicola(ミズイロレプラゴケ)
地衣成分としてレカノール酸を含む
本種より地衣体の小粒のサイズが大きい
本種と異なり下生菌糸が厚い
本種と異なり下生菌糸が暗褐色
本種と異なり地衣成分としてアトラノリンおよびゼオリンを含む
Lepraria lecanorica
地衣成分としてレカノール酸を含む
本種より地衣体の小粒のサイズが大きい
本種と異なり地衣成分としてアトラノリンを含む
Lepraria maderensis
地衣成分としてレカノール酸を含む
本種より地衣体の小粒のサイズが大きい
本種と異なり地衣成分としてアトラノリン、ロセリン酸/”angardianic acid”、ジロホール酸を含む
New Zealand, Auckland, Birkdale neighborhood, Eskdale Bush Preserve, along trail head off Eskdale Road

(新種)

Lepraria ulrikii Grewe, Barcenas-Peña, Diaz & Lumbsch
語源…Ulrik Søchting氏に献名
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【よく似た種との区別】
Lepraria finkii
地衣成分としてアトラノリン、ゼオリン類、スチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドおよびオーストラリアではなくカナダ、米国、ボリビア、ノルウェー、スイスなどに分布する
本種より地衣体の小粒のサイズが僅かに大きい
本種と異なり地衣成分としてロセリン酸/”angardianic acid”、ノルスチクチン酸を含む
ITS+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される