(仮訳)ニュージーランド産の新種Cortinarius atropileatus
Nilsen, AR. et al., 2018. Cortinarius atropileatus sp. nov. (Cortinariaceae) from New Zealand. New Zealand Journal of Botany. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/0028825X.2018.1548493?journalCode=tnzb20 [Accessed August 8, 2022] 【R3-09764】2022/8/8投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

ニュージーランドで採集された菌を検討し、Cortinarius atropileatusとして新種記載した。
本種はナンキョクブナ属樹木と関係を持ち、形態的にはC. dulciolensに非常に類似していたが、担子胞子のサイズが有意に異なっていたほか、表皮菌糸の結晶やクランプの程度も異なっていた。
分子系統解析でも、本種は当該種と同じDulciolentes節に含まれ、未記載のシクエストレート菌と姉妹群を形成した。
New Zealand, Catlins, Catlins River Walk

(新種)

Cortinarius atropileatus A. R. Nilsen & Orlovich
語源…暗色の傘の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Cortinarius dulciolens
ニュージーランドに分布する
同じナンキョクブナ属樹木と関係を持つ
形態的に類似している(肉眼で識別困難)
子実体に甘い蜂蜜様の香りがある
傘が褐色~黒色
柄が淡色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子に顕著な装飾を有する
上表皮に若干~中程度の結晶を伴う
下表皮に褐色結晶を伴う
下表皮菌糸のクランプが稀である
実質菌糸に時に結晶を伴う
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じDulciolentes節クレードに含まれる)
本種と異なり襞が”close”ではなく”crowded”である
本種と異なり襞が幼時モーブ色~紫色で老成すると褐色になるのではなく淡肉桂色~粘土色で時に紫色を帯びる
本種より子嚢胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり担子胞子の胞子盤が不明瞭ではなく明瞭である
本種と異なり上表皮菌糸のクランプが豊富ではなく稀である
本種と異なり下表皮に若干~中程度ではなく中程度~顕著な結晶を伴う
本種と異なり実質菌糸に結晶を伴う
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される