(仮訳)イギリス新産の知見に乏しいフウセンタケ属菌、Cortinarius fragrantior Gaugué
Gminder, A., 2013. Cortinarius fragrantior Gaugué – a poorly known Cortinarius species, new to the UK. Field Mycology. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1468164113000078 [Accessed June 22, 2015].
【R3-01943】2015/06/22投稿

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3行まとめ

北アイルランドにおいてCortinarius fragrantiorを見出し、イギリス新産種として報告した。
本種は子実体が束生し、柄がいくぶん根状で、特徴的な臭いを有していることなどから容易に認識されたが、節レベルの分類が困難な種であった。
本種と近縁種の相違点を挙げるとともに、特に類似する2種との形質比較表を掲載した。

(イギリス新産種)

Cortinarius fragrantior Gaugué
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Cortinarius velenovskyi
秋(9-11月)に発生する
形態的に類似している(同種と結論付ける意見がある)
傘が幼時鐘形、のちに凸形
傘に中丘を欠くかまたは不明瞭
柄が先細りになる
本種と異なり粘土質土壌ではなく砂質土壌に発生する
本種と異なり針葉樹(モミ属、トウヒ属、マツ属)ではなく広葉樹(ブナ属、コナラ属)の樹下に発生する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が幼時チョコレート色~帯黒色、のちに”date brown”、乾燥するとほぼ白色~帯オリーブ色になるのではなく、暗い”chestnut-brown”で乾燥してもオリーブ色を帯びない
本種と異なり傘表面が幼時類白色粉状、のちに平滑ではない
本種と異なり傘表面に幼時帯灰白色の被膜を伴い、縁部に長く留まる
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄の基部がいくぶん直線状なのではなく非常によく鉤状になる
本種と異なり柄が顕著な根状になるのではなく僅かに根状になるか根状にならない
本種と異なり”cold smoke”または”Russian leather”ではなく酢またはヨードホルムの臭いがする
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が大きい
Cortinarius albidodiscus
粘土質土壌に発生する
傘表面が幼時類白色粉状、のちに平滑
柄のサイズの範囲が重なる
柄が先細りになる
柄の基部がいくぶん直線状
本種と異なり秋(9-11月)ではなく夏(7月)に発生する
本種と異なり塩基性~中性ではなく中性~酸性土壌に発生する
本種と異なり針葉樹ではなく広葉樹の樹下に発生する
本種より子実体のサイズがやや小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が幼時チョコレート色~帯黒色、のちに”date brown”、乾燥するとほぼ白色~帯オリーブ色になるのではなく、幼時帯黒灰褐色、のちに栗褐色になり、乾燥すると革色
本種と異なり傘が幼時鐘形、のちに凸形ではなく円錐形
本種と異なり傘に顕著な中丘を有する
本種と異なり柄が顕著な根状になるのではなく僅かに根状になるか根状にならない
本種と異なり”cold smoke”または”Russian leather”ではなく酢またはヨードホルムの臭いがする
本種より担子胞子のサイズが小さい
Cortinarius damascenus
子実体が束生する
傘の色が非常に暗い灰褐色
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
Cortinarius cystidiophorus
外見がかなり類似している
本種と異なり秋(9-11月)ではなく春~初夏に発生する
本種と異なり子実体が束生せず通常単生する
本種より傘の色が成熟時に鮮やか