(仮訳)パキスタン・ヒマラヤのオーク林に産した2新種、Cortinarius pakistanicusおよびC. pseudotorvus
Naseer, A. et al., 2020. Cortinarius pakistanicus and C. pseudotorvus: two new species in oak forests in the Pakistan Himalayas. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/49734/ [Accessed November 4, 2020] 【R3-07839】2020/11/4投稿

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3行まとめ

パキスタン・ヒマラヤのオーク林で採集された2種の菌を検討し、Cortinarius pakistanicusおよびC. pseudotorvusとして新種記載した。
両種ともコナラ属樹木と菌根を形成するとみられ、前者は既知のどの節にも当てはまらず、後者はTelamonia節に含まれることが支持された。
本報告により、パキスタン産Cortinarius属菌の種数は8種に増加した。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa province, Swat, Toa, Alpuri forests

(新種)

Cortinarius pakistanicus A. Naseer & A. N. Khalid
語源…パキスタンの
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【よく似た種との区別】
Cortinarius bivelus
本種と異なりパキスタンではなくポーランドなどに分布する
本種と異なり通常亜高山帯または亜寒帯域に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が乾燥時淡黄褐色になる
本種より担子胞子が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius impennoides
本種と異なりパキスタンではなくノルウェーなどに分布する
本種と異なり通常亜高山帯または亜寒帯域に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が乾燥時淡黄褐色になる
本種より担子胞子が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius gallurae
同じコナラ属樹木を宿主とする
本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい可能性がある
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が扁平
本種と異なり傘表面に被膜の名残を豊富に伴う
本種より担子胞子が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius casimiri
本種と異なりパキスタンではなくフランスなどに分布する
本種より子実体が暖色である
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius subturibulosus
同じコナラ属樹木を宿主とする
本種と異なりパキスタンではなくスペインなどに分布する
本種と異なり子実体にオレンジフラワーのような強い芳香がある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius saniosus(キンチャニセフウセンタケ)
子実体のサイズが類似している
本種と異なりパキスタンではなくフランスなどに分布する
本種と異なり子実体が暖色である
本種と異なり被膜が鮮やかな帯黄色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa province, Swat, Toa, Alpuri forests

(新種)

Cortinarius pseudotorvus A. Naseer, J. Khan & A. N. Khalid
語源…偽のCortinarius torvus
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【よく似た種との区別】
Cortinarius torvus(ツバムラサキフウセンタケ)
落葉樹の樹下に発生する
傘表面が繊維状~フェルト状で艶消し状
襞が比較的厚い
襞が成熟すると暗色になる
襞の間隔が疎
担子胞子のサイズが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくドイツ、デンマーク、米国などに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種ほど子実体の形状が細長くなく、がっしりとしている
本種ほど傘がフェルト状でない
本種と異なり襞が初め帯灰色
本種と異なり柄が円筒形ではなく紡錘形~円筒形で棍棒形のこともある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius venustus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくカナダなどに分布する
本種と異なり落葉樹林ではなく亜高山針葉樹林に生息する
本種より子実体が鮮やかな淡紫色~帯橙色に着色する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius agathosmus
本種と異なり落葉樹林ではなく亜高山針葉樹林に生息する
本種と異なり子実体に非常に吸水性がある
本種と異なり傘が湿時暗色
本種より柄が長い
Cortinarius tigrinipes
本種と異なり柄が基部で太まるという特徴を欠く
本種と異なり柄表面に明瞭な帯またはガードルを有する
本種より担子胞子のサイズが小さい