(仮訳)北米産フウセンタケ属Sanguinei
Niskanen, T. et al., 2013. Cortinarius section Sanguinei in North America. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/2/344.short [Accessed August 10, 2016].
【R3-03186】2016/08/10投稿

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3行まとめ

北米産フウセンタケ属Sanguinei節についてタイプ標本を含めて検討し、4種を同定した。
そのうちC. harrisoniiおよびC. neosanguineusを新種記載し、新組み合わせC. sierraensisを提唱した。
また、新組み合わせ/コスタリカ新産種C. marylandensis、新階級/新学名C. smithiiを掲載した。
USA, North-Carolina, Macon County, Highland, Sunset Road Trail

(新種)

Cortinarius harrisonii Ammirati, Niskanen & Liimat.
語源…菌学者のKenneth A. Harrison Sr.氏に献名
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【よく似た種との区別】
Cortinarius sierraensis
北米に分布する
針葉樹林に発生する
子実体の色が類似している
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマサチューセッツ州~アパラチア山脈ではなくカリフォルニア州に分布する
本種より傘が褐色を帯びる
本種より担子胞子のサイズがずっと大きい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius marylandensis
北米に分布する
広葉樹林または混交林に発生する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体基部の菌糸体が黄色ではなく淡ワイン桃色~帯桃黄褐色
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius sanguineus(アカタケ)
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種と異なり傘が赤橙色~褐橙色ではなくより濃赤色
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius neosanguineus
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が赤橙色~褐橙色ではなく鮮やかな赤色~暗い帯紫赤色
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Washington, Olympic Peninsula, Sol Duc Trail

(新種)

Cortinarius neosanguineus Ammirati, Liimat. & Niskanen
語源…新しいCortinarius sanguineus
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【よく似た種との区別】
Cortinarius sanguineus(アカタケ)
北米に分布する
針葉樹林に発生する
形態的に類似している(混同されてきた)
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米の太平洋岸北西部ではなく北米およびヨーロッパに分布する
本種より傘直径が柄に比して大きい
本種と異なり傘が鮮やかな赤色~暗紫色ではなく鮮やかな赤色~濃赤色
本種より傘が乾燥するとやや褐黄色ではなく赤色を帯びる
本種より子実体基部の菌糸体が乾燥すると黄色ではなく帯赤黄色
本種ほど実質の菌糸がKOH中でアニリン・レッドを呈さない
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius sierraensis
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が鮮やかな赤色~暗い帯紫赤色ではなく赤橙色~褐橙色
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius harrisonii
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が鮮やかな赤色~暗い帯紫赤色ではなく赤橙色~褐橙色
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Cortinarius sanguineus (Wulfen) Gray
アカタケ
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【よく似た種との区別】
Cortinarius neosanguineus
北米に分布する
針葉樹林に発生する
形態的に類似している(混同されてきた)
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米およびヨーロッパではなく北米の太平洋岸北西部に分布する
本種ほど傘直径が柄に比して大きくない
本種と異なり傘が鮮やかな赤色~濃赤色ではなく鮮やかな赤色~暗紫色
本種より傘が乾燥すると赤色ではなくやや褐黄色を帯びる
本種より子実体基部の菌糸体が乾燥すると帯赤黄色ではなく黄色
本種より実質の菌糸がKOH中でアニリン・レッドを呈する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius harrisonii
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られていない
本種ほど傘が濃赤色ではなく赤橙色~褐橙色
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius sierraensis
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より傘が暗赤色ではなく赤橙色~褐橙色である
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Cortinarius sierraensis (Ammirati) Ammirati, Niskanen & Liimat
旧名:Dermocybe sierraensis Ammirati
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【よく似た種との区別】
Cortinarius harrisonii
北米に分布する
針葉樹林に発生する
子実体の色が類似している
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカリフォルニア州ではなくマサチューセッツ州~アパラチア山脈に分布する
本種ほど傘が褐色を帯びない
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius sanguineus(アカタケ)
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が赤橙色~褐橙色ではなくより暗赤色
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius neosanguineus
北米に分布する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が赤橙色~褐橙色ではなく鮮やかな赤色~暗い帯紫赤色
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ、コスタリカ新産種)

Cortinarius marylandensis (Ammirati) Ammirati, Niskanen & Liimat.
旧名:Dermocybe marylandensis Ammirati
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【よく似た種との区別】
Cortinarius harrisonii
北米に分布する
広葉樹林または混交林に発生する
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体基部の菌糸体が淡ワイン桃色~帯桃黄褐色ではなく黄色
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新学名、新階級)

Cortinarius smithii Ammirati, Niskanen, Liimat.
旧名:Cortinarius phoeniceus var. occidentalis A.H. Sm.
語源…Alexander H. Smith氏(本種を初めて記載した人物)に献名
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【よく似た種との区別】
Cortinarius fervidus
北米に分布する
担子胞子のサイズが類似している
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が鮮やかな赤色ではなく赤褐色
本種と異なり襞が明るい赤色~帯紫赤色ではなくさび赤色
ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(ロシア新産種)

Cortinarius vitiosus (M.M. Moser) Niskanen, Kytöv., Liimatainen & S. Laine
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