(仮訳)ハラタケ科のシクエストレート菌の新属Cryptolepiotaおよび北米西部における適応放散の証拠
Kropp, BR. et al., 2012. Cryptolepiota, a new sequestrate genus in the Agaricaceae with evidence for adaptive radiation in western North America. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/1/164.short [Accessed February 5, 2015].
【R3-01531】2015/02/06投稿

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3行まとめ

nrLSU+ITSに基づく分子系統解析の結果から広義のGigasperma属が多系統群であることを示した。
フウセンタケ科近縁のG. crypticaに対して、ハラタケ科との類縁性が示された北米産のG. americanaに対して新属Cryptolepiotaを提唱した。
また、北米西部からC. microsporaおよびC. mengeiを新種記載し、これら3種が近年の適応放散の結果として生じた可能性を示した。

(新組み合わせ)

Cryptolepiota americana (Kropp & Hutchison) Kropp & Trappe
旧名:Gigasperma americanum Kropp & Hutchison
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【よく似た種との区別】
Cryptolepiota microspora
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
担子器の小柄が屈折性のあるガラス質
担子胞子の形状が類似している
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が1ではなく1-2
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形ではなく通常球形~類球形
本種より担子胞子が薄壁
本種と異なりシスチジアを欠く
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cryptolepiota mengei
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が1ではなく通常4
本種と異なり担子器の小柄がガラス質でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形ではなく広楕円形
本種より担子胞子が薄壁
本種と異なりシスチジアを欠く
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Utah, Rich County

(新種)

Cryptolepiota microspora Kropp & Albee-Scott
語源…(属名)隠れたキツネノカラカサ属/(種小名)小さな胞子の(C. americanaと比べて)
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【よく似た種との区別】
Cryptolepiota americana
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
担子器の小柄が屈折性のあるガラス質
担子胞子の形状が類似している
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が1-2ではなく1
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が通常球形~類球形ではなく球形
本種より担子胞子が厚壁
本種と異なりシスチジアを有する(微突形)
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cryptolepiota mengei
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
担子器の小柄が太い
担子胞子の形態が類似している
シスチジアを欠く
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が1-2ではなく通常4
本種と異なり担子器の小柄が屈折性のあるガラス質でない
本種より担子胞子のQ値が大きい(有意差あり)
本種と異なり担子胞子が通常球形~類球形ではなく典型的には広楕円形
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, California, Ventura County. Los Padres National Forest, California 33 milepost 40

(新種)

Cryptolepiota mengei Kropp & Castellano
語源…(属名)隠れたキツネノカラカサ属/(種小名)菌学者、菌根研究者であるJohn Menge博士に献名
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【よく似た種との区別】
Cryptolepiota americana
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が通常4ではなく1
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形ではなく球形
本種より担子胞子が厚壁
本種と異なりシスチジアを有する(微突形)
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cryptolepiota microspora
米国に分布する
Cercocarpus属樹木の樹下に発生する
地下生菌である
子実体が脆い
外皮が白色
外皮が薄い
グレバが新鮮時帯灰色
グレバが迷路状
担子器の小柄が太い
担子胞子の形態が類似している
シスチジアを欠く
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器の小柄の数が通常4ではなく1-2
本種と異なり担子器の小柄が屈折性のあるガラス質
本種より担子胞子のQ値が小さい(有意差あり)
本種と異なり担子胞子が典型的には広楕円形ではなく通常球形~類球形
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Gigasperma cryptica Horak
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【よく似た種との区別】
Cryptolepiota spp.
担子胞子の形態が類似している
本種と異なりフウセンタケ科ではなくハラタケ科に含まれる
本種と異なりグレバが閉じた小室状ではなく緩い迷路状
本種より担子胞子のサイズが小さい
nrLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される