(仮訳)乾燥耐性を有するモジホコリ属新種の記載、培養、および系統的位置
Novozhilov, YK. et al., 2013. Description, culture and phylogenetic position of a new xerotolerant species of Physarum. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/6/1535.short [Accessed January 2, 2017].
【R3-03623】2017/01/02投稿

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3行まとめ

ユーラシア、スペイン、南米、および北米に広範に分布する変形菌の一種を検討し、Physarum pseudonotabileとして新種記載した。
本種は砂漠やステップなどの乾燥地域においてリター、樹皮、ヒツジの糞上などに発生し、17の形態形質を用いた非計量多次元尺度法で近縁種と区別された。
本種はnrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で、P. notabileと遠縁であることが示された一方、P. pusillumP. nivaleに近縁であった。
Kazakhstan. Atyrau region, 20 km SO Inderborskii settlement, desert steppe at the southern bank of Inder lake

(新種)

Physarum pseudonotabile Novozh., Schnittler & Okun
語源…偽のPhysarum notabile
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Physarum notabile
ロシア、米国などにおける分布が知られている
同じヤマナラシ属植物などを宿主とする
子実体が灰色系
子実体が有柄
本種と異なりリトアニアなどにおける分布が知られている
本種と異なり乾燥地域ではなく亜寒帯林や温帯林などに分布する
本種と異なりトウヒ属、カバノキ属植物などが宿主として知られている
本種と異なり生木の樹皮や地上のリターなどではなく粗大木質デブリなどを基質とする
本種と異なり胞子の装飾が不規則に分布する疣状なのではなくより密でかつ規則的に分布する小刺状
本種より胞子の装飾の丈が高い
nrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Physarum pusillum(コシアカモジホコリ)
米国、ロシアなどに分布する
外皮を灰色の石灰片が覆う
胞子の装飾が散在する鈍頭の疣状
nrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツなどにおける分布が知られている
本種より柄が長い
本種と異なり柄の形状が細長い
本種と異なり柄が帯赤色、橙色、帯赤褐色
本種と異なり柄表面に石灰片を欠く
nrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Physarum nivale
ロシアなどに分布する
リターに発生する
nrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり好雪性変形菌である
本種と異なり高山帯に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が通常有柄ではなく無柄
本種と異なり胞子の装飾が不規則に分布する疣状なのではなく密な装飾
nrSSU+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Physarum leucophaeum
ロシア、米国などに分布する
ヤマナラシ属植物などを宿主とする
子実体が灰色系
子実体が有柄
本種と異なりスイスなどにおける分布が知られている
本種と異なり砂漠やステップではなく森林などに分布する
本種と異なりカバノキ属植物などが宿主として知られている
本種と異なり生木の樹皮や地上のリターなどではなく粗大木質デブリなどを基質とする