(仮訳)日本産の新種、Pestalotiopsis pallidotheaeの記載
Watanabe, K., Motohashi, K. & Ono, Y., 2010. Description of Pestalotiopsis pallidotheae: a new species from Japan. Mycoscience. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10267-009-0025-z [Accessed October 16, 2016].
【R3-03388】2016/10/16投稿

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3行まとめ

東京都町田市のアセビの葉からエンドファイトとして分離された分生子果不完全菌の一種を検討し、Pestalotiopsis pallidotheaeとして新種記載した。
本種は分生子の頂部および基部に先端がノブ状の付属糸を伴うことなどで特徴づけられた。
本種はP. theaeに分生子の形態が類似していたが、細胞の色や分子系統解析の結果などから別種であることが支持された。
東京都町田市玉川学園 玉川大学

(新種)

Pestalotiopsis pallidotheae K. Watan. & Yas. Ono
語源…淡色のPestalotiopsis theae(分生子の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pestalotiopsis theae
日本に分布する
分生子のサイズが類似している
分生子の付属糸の先端がノブ状
分生子頂部の付属糸が分枝しない
分生子頂部の付属糸の数が2-4
分生子頂部の付属糸の長さの範囲が重なる
分生子基部の付属糸が分枝しない
本種と異なりアセビではなくチャノキ、シャリンバイ、土壌などから分離される
本種より分生子の中ほどの3細胞が濃色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループ1ではなく2)
Pestalotiopsis kunmingensis
分生子の付属糸の先端がノブ状
分生子頂部の付属糸が分枝しない
分生子頂部の付属糸の数が2-4
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じグループ1に含まれる)
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子の中ほどの3細胞が淡褐色ではなく多色
本種より分生子頂部の付属糸の最大長が長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pestalotiopsis perseae
分生子の付属糸の先端がノブ状
分生子頂部の付属糸が分枝しない
分生子頂部の付属糸の数が2-4
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子の中ほどの3細胞が淡褐色ではなくほとんどの場合多色で時に同色
本種より分生子頂部の付属糸がかなり短い
Pestalotiopsis smilacis
分生子の付属糸の先端がノブ状
分生子頂部の付属糸が分枝しない
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子の中ほどの3細胞が淡褐色ではなく多色
本種と異なり分生子頂部の付属糸の数が2-4(-5)ではなく3-4
本種より分生子頂部の付属糸がかなり短い
Pestalotiopsis tecomicola
分生子のサイズの範囲が重なる
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子の中ほどの3細胞が淡褐色ではなく淡褐色~褐色
本種と異なり分生子頂部の付属糸の数が2-4(-5)ではなく(2-)3(-4)
本種より分生子頂部の付属糸が短い