(仮訳)ブラジル産キンイロダンアミタケ属再訪
Baltazar, J., Ryvarden, L. & Gibertoni, T., 2013. Diplomitoporus (Polyporales, Basidiomycota) in Brazil revisited. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0916-4 [Accessed December 27, 2013].
【R3-00199】2013/12/27投稿

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3行まとめ

ブラジル産のキンイロダンアミタケ属菌について再検討を行い、7種を認めるとともに、検索表を掲載した。
D. globisporusおよびD.intermediusの2種をベネズエラおよびブラジルから、それぞれ新種記載した。
また、D. marianoi-rochaeD. incisusのシノニムとし、本属に含められたこともあった3種を別属菌と見なした。
VENEZUELA. Provincia Merida, Sucre, Monte del Burso

(新種)

Diplomitoporus globisporus Ryvarden
語源…球形の胞子の
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【よく似た種との区別】
Diplomitoporus stramineus
形態的に一見類似している
本種と孔口のサイズや形状が僅かに異なる
本種と異なり担子胞子が球形でない
本種と異なり骨格菌糸の頂部が顕著に幅広くならない
本種と異なりハイフィディアを持たない
Diplomitoporus intermedius
形態的に一見類似している
本種と孔口のサイズや形状が僅かに異なる
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく楕円形~広楕円形
本種と異なりシスチジオールを持つ
本種と異なり骨格菌糸の頂部が顕著に幅広くならない
本種と異なりハイフィディアを持たない
Diplomitoporus hondurensis
デンドロハイフィディアを持つ
本種と異なり担子胞子が球形ではなく長楕円形~円筒形
Diplomitoporus insularis
担子胞子が球形
子実体が本種より厚い
本種より子実体が淡色
本種と異なり子実体縁部が不明瞭
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が顕著に薄壁
本種と異なり担子胞子が顕著にフロキシンを吸収して赤色を帯びる
本種と異なりハイフィディアを欠く
Diplomitoporus microsporus
担子胞子が球形
骨格菌糸の頂部が顕著に幅広くなる
子実体が本種より厚い
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が顕著に薄壁
本種と異なり担子胞子が顕著にフロキシンを吸収して赤色を帯びる
本種と異なりハイフィディアを欠く
本種と異なり骨格菌糸が厚壁でルーメンが幅広い
本種と異なり骨格菌糸が子実層および子実下層ではなく子実下層および肉に分布する
BRASILIA, Pronvicia Pernambuco, São Vicente Férrer, Mata do Estado (Sirijí)

(新種)

Diplomitoporus intermedius Baltazar & Ryvarden
語源…中間的な(D. stramineusおよびD. costaricensisの中間という意味)
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【よく似た種との区別】
Diplomitoporus costaricensis
肉眼的形態が類似している
顕微鏡的形質が類似している
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく楕円形から僅かに長楕円形になる
Diplomitoporus insularis
肉眼的に類似している
顕微鏡的形質が類似している
本種と異なり担子胞子が球形
Diplomitoporus stramineus
担子胞子のサイズが類似している
本種より子実体が薄い
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく楕円形~長楕円形で僅かに屈曲する
Diplomitoporus venezuelicus
形態的に類似している
シスチジオールを持つ
本種より子実体が薄い
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく円筒形
Diplomitoporus globisporus
形態的に一見類似している
本種と孔口のサイズや形状が僅かに異なる
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく球形~類球形
本種と異なりシスチジオールを欠く
本種と異なり骨格菌糸の頂部が顕著に幅広くなる
本種と異なりハイフィディアを持つ

(その他掲載種)

Diplomitoporus allantosporus Ryvarden & Iturr.
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【よく似た種との区別】
Diplomitoporus venezuelicus
子実体が薄い
本種と異なり孔口が多角形ではなく円形
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子がソーセージ形ではなく円筒形
本種と異なり担子胞子に油滴を欠く

(その他掲載種)

Diplomitoporus incisus Ryvarden
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Diplomitoporus marianoi-rochaeを本種のシノニムとした。

(その他掲載種)

Diplomitoporus navisporus Gibertoni & Ryvarden
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【よく似た種との区別】
Cinereomyces dilutabilis
菌糸構成が3菌糸型
本種と異なり担子胞子が長楕円形で僅かに屈曲する
本種と異なり骨格菌糸と結合菌糸がKOHに溶解する

(その他掲載種)

Diplomitoporus taquarae G. Coelho
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【よく似た種との区別】
Diplomitoporus flavescens(キンイロダンアミタケ)
担子胞子がソーセージ形
本種と異なりタケの仲間のBambusa tuldoidesではなくマツ属に発生する
本種より子実体が頑丈で厚い
本種と異なり子実体が盤状にならない
本種より孔口のサイズが大きい
Antrodiella spp.(背着生~半背着生の種)
肉眼的に類似している
一般的に本種より担子胞子のサイズが小さい

(その他掲載種)

Diplomitoporus venezuelicus Ryvarden & Iturr.
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【よく似た種との区別】
Diplomitoporus costaricensis
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく楕円形から僅かに長楕円形
Diplomitoporus intermedius
形態的に類似している
シスチジオールを持つ
本種より子実体が厚い
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく楕円形~広楕円形
Diplomitoporus insularis
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく球形
Diplomitoporus stramineus
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく楕円形~長楕円形で僅かに屈曲する
Diplomitoporus allantosporus
子実体が薄い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔口が円形ではなく多角形
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなくソーセージ形
本種と異なり担子胞子に2つの小さな油滴を含む

その他の分類学的措置

  • Diplomitoporus dilutabilisおよびD. lindbladiiCinereomyces属に置いた。
  • Diplomitoporus lenisSidera属に置いた。