2015年4月16日 （仮訳）新疆ウイグル自治区産の食用ハラタケ属菌 Wang, Z-R. et al., 2015. Edible species of Agaricus (Agaricaceae) from Xinjiang Province (Western China). Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.202.3.2 [Accessed April 15, 2015]. 【R3-01738】2015/04/16投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ 中国の新疆ウイグル自治区、エビ湖周辺でハラタケ属菌の調査を行い、赤変性を有する食用の4種を認めた。 そのうち2種をAgaricus sinodeliciosusおよびA. desjardiniiとして新種記載した。 残りの2種はそれぞれBivelares節のA. bitorquis、Nigrobrunnescentes節のA. padanus（中国新産種）と同定された。 中国新疆ウイグル自治区ボルタラ・モンゴル自治州エビ湖 （新種） Agaricus desjardinii Z.R. Wang, K.D. Hyde & R.L. Zhao 語源…菌学者のDennis E. Desjardin氏に献名 【よく似た種との区別】 Agaricus boisseletii 子実体ががっしりとしている 傘表面に顕著な大型の鱗片を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で近縁（同じクレードB2に含まれる） 本種より担子胞子が短い 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり縁シスチジアが鎖生する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Agaricus nigrobrunnescens 同じNigrobrunnescentes節に含まれる 傘表面に大型の鱗片を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で近縁（同じクレードB2に含まれる） 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアを有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Agaricus fuscovelatus 柄ががっしりとした深い根状 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 本種と異なり中国ではなく北米に分布する 本種と異なり傘表皮の鱗片が圧着する 本種と異なり縁シスチジアを有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードB2ではなくB1に含まれる） Agaricus padanus 同所的に分布する（新疆ウイグル自治区） 食用きのこである 柄のつばより下に被膜の名残を豊富に有する 本種と異なり中国だけではなくイタリアからも知られている 本種よりずっと赤変性が弱い 本種と異なり縁シスチジアを有する（棍棒形） Agaricus benesii 本種と異なりNigrobrunnescentes節ではなくSanguinolenti節に含まれる 本種と異なり中国ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なり傘表面が大型の鱗片を伴うのではなく繊維状または繊維質で小型の鱗片状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードB2ではなくB1に含まれる） Agaricus silvaticus（モリハラタケ） 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種と異なり縁シスチジアを有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードB2ではなくA1に含まれる） Agaricus dicystis 本種と異なりNigrobrunnescentes節ではなくSanguinolenti節に含まれる 本種と地理的分布が異なる 本種と異なり子実体ががっしりとしているのではなく細長い 本種より担子胞子のサイズが小さい Agaricus pleurocystidiatus 本種と異なりNigrobrunnescentes節ではなくSanguinolenti節に含まれる 本種と地理的分布が異なる 本種と異なり子実体ががっしりとしているのではなく細長い 本種より担子胞子のサイズが小さい 中国新疆ウイグル自治区ボルタラ・モンゴル自治州エビ湖 （新種） Agaricus sinodeliciosus Z.R. Wang & R.L. Zhao 語源…中国の美味な 【よく似た種との区別】 Agaricus subsubensis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁（同じクレードE2に含まれる） 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種と異なり側シスチジアを欠く 本種と異なり縁シスチジアを欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Agaricus balchaschensis 形態的に類似している（誤同定されていたと見られる例がある） 子実体が中型～大型 子実体が半地下生 本種と異なり側シスチジアを欠く 本種と異なり縁シスチジアを欠く Agaricus gennadii 中国に分布する 形態的に類似している（誤同定のおそれがある） 傘の形態が類似している 柄の形態が類似している 担子胞子の形態が類似している 縁シスチジアの形態が類似している 本種と異なりBivelares節ではなくChitonioides節に含まれる 本種より肉の赤変性がずっと弱い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードE2ではなくDに含まれる） （アジア、中国新産種） Agaricus padanus Lancon. 【よく似た種との区別】 Agaricus bitorquis 同所的に分布する（新疆ウイグル自治区） 食用きのこである 本種と異なりNigrobrunnescentes節ではなくBivelares節に含まれる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードB1ではなくE2に含まれる） Agaricus fuscovelatus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁（同じクレードB1に含まれる） 本種と異なり中国およびイタリアではなく北米に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される （その他掲載種） Agaricus bitorquis (Quél.) Sacc. 【よく似た種との区別】 Agaricus padanus 同所的に分布する（新疆ウイグル自治区） 食用きのこである 本種と異なりBivelares節ではなくNigrobrunnescentes節に含まれる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される（本種と異なりクレードE2ではなくB1に含まれる）