(仮訳)メキシコ産の生物文化的に重要な薬用の地下生菌の新種、Elaphomyces readii
La Fuente, JI. et al., 2023. Elaphomyces readii (Elaphomycetaceae, Eurotiomycetes), a new medicinal species of hypogeous fungus with biocultural importance from Mexico. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.594.4.1 [Accessed May 9, 2023] 【R3-10586】2023/5/9投稿

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3行まとめ

メキシコにおいてマツ属の樹下に発生した地下生菌の一種を検討し、Elaphomyces readiiとして新種記載した。
本種は子嚢果が淡褐色皺状、グレバが暗紫色、子嚢胞子が大型で、時に融合してやや網目状をなす小さく扁平な乳頭状装飾を有し、近縁種とは子嚢胞子のサイズなどが異なっていた。
本種はオアハカ州の伝統的な市場で傷や出血の治療薬として売られていた。
Mexico, Oaxaca, Tlaxiaco City, state of Oaxaca

(新種)

Elaphomyces readii Pérez-Moreno & de la Fuente
語源…イギリスの菌学者、David J. Read教授に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Elaphomyces papillatus
子嚢果の形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくスペインなどに分布する
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の装飾が時に融合してやや網目状をなす小さく扁平な乳頭状ではなく胞状をなさない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Elaphomyces muricatus(ワナグラツチダンゴ)
メキシコに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国、イギリス、スウェーデン、ノルウェー、スペインにおける分布が知られている
本種よりグレバが幼時淡色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Elaphomyces verruculosus
子嚢胞子が大型
本種と異なりグレバが帯褐色ではなく幼時白色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり上表皮が帯赤色
Elaphomyces roseoviolaceus
同じマツ属樹木を宿主とする
外皮が帯黄褐色
グレバが暗紫色
子嚢胞子の装飾が扁平な乳頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなく北欧などに分布する
本種と異なりトウヒ属樹木が宿主として知られている
本種より子嚢胞子の最大サイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Elaphomyces pusillus
同じマツ科樹木を宿主とする
外皮が帯黄褐色
グレバが暗紫色
子嚢胞子の装飾が扁平な乳頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなく北欧などに分布する
本種と異なりトウヒ属樹木が宿主として知られている
本種より子嚢胞子の最大サイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Elaphomyces asperulus
同じマツ属樹木を宿主とする
グレバの色が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なりハシバミ属、クリ属、トウヒ属、コナラ属樹木が宿主として知られている
本種と異なり外皮が紫色を帯びる
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり子嚢胞子の装飾が時に融合してやや網目状をなす小さく扁平な乳頭状ではなく融合してパッチ状をなす疣状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される