2014年1月6日 （仮訳）中国北東部産の新種Eupenicillium saturniforme Wang, L. & Zhuang, W., 2009. Eupenicillium saturniforme, a new species discovered from Northeast China. Mycopathologia. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11046-008-9179-z [Accessed January 5, 2014]. 【R3-00238】2014/01/06投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ 中国吉林省の土壌から分離された菌をEupenicillium saturniformeとして新種記載した。 本種は近縁種とは、閉子嚢殻の成熟が遅いことや、子嚢胞子の形態、コロニーの性状、顕微鏡的形質などで区別された。 分子系統解析では本種はAspergilloides亜属のクレードに含まれたが、近縁種とは筆状体の形態が類似していなかった。 中国吉林省延辺朝鮮族自治州敦化市小牡丹林場 （新種） Eupenicillium saturniforme L. Wang and W-Y. Zhuang 語源…土星の形の（子嚢胞子の形状から） 【よく似た種との区別】 Eupenicillium shearii 形態的に類似している 子嚢胞子がレンズ形 子嚢胞子の赤道部分に2つの圧着したフランジを持つ 筆状体が二輪生 本種より閉子嚢殻の成熟が速い（3か月以上かかることがない） 本種と異なり成熟した閉子嚢殻が帯桃褐色ではなく灰色を帯びる 本種と異なり子嚢が単生し、鎖状にならない 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり走査型電子顕微鏡で見た子嚢胞子凸型部分の表面が平滑ではなく粗面 本種より筆状体のサイズが小さい 本種と異なりメトレが棍棒形~特徴的な嚢状ではなく円筒形またはほんの僅かしか膨大しない 本種と異なり分生子が細かい粗面ではなく平滑 本種と異なり37°Cでも生長可能 カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Eupenicillium tropicum 形態的に類似している 子嚢胞子がレンズ形 子嚢胞子の赤道部分に2つの圧着したフランジを持つ 筆状体が二輪生 本種より閉子嚢殻の成熟が速い（3か月以上かかることがない） 本種と異なり成熟した閉子嚢殻が帯桃褐色ではなく灰色を帯びる 本種と異なり子嚢が単生し、鎖状にならない 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり走査型電子顕微鏡で見た子嚢胞子凸型部分の表面が平滑ではなく粗面 本種より筆状体のサイズが小さい 本種と異なりメトレが棍棒形~特徴的な嚢状ではなく円筒形またはほんの僅かしか膨大しない 本種より25°Cでのコロニーの生長が遅い カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Eupenicillium lapidosum 閉子嚢殻が赤褐色を帯びる 閉子嚢殻の成熟が遅い 単輪生と二輪生の筆状体が混ざる 分生子柄が粗面 分生子柄の頂部が膨大する メトレが膨大する 子嚢胞子の形態が異なる 分生子柄の構成部分のサイズが異なる 本種と異なり子嚢が単生し、鎖状にならない（稀に2細胞が連なることはある） 本種と異なり分生子が細かい粗面ではなく平滑 本種よりコロニーの生長が速い 本種と異なりコロニーが黄色~橙黄色 本種と異なりコロニーがビロード状ではなく密な綿毛状 本種より胞子形成が少ない カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium citrinum 筆状体が二輪生 メトレが嚢状 分生子が粗面 コロニーの生長速度が中程度 コロニーがビロード状 胞子形成が盛ん 本種と異なり閉子嚢殻を形成しない 本種と異なり分生子柄が粗面ではなく平滑 本種と異なり分生子鎖が緩く縺れ合うのではなく顕著な長い円筒形になる カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium lividum 単輪生の筆状体を持つ 分生子柄が嚢状 カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり筆状体が二輪生にならず常に単輪生 本種と異なり閉子嚢殻を形成しない カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium purpurascens 単輪生の筆状体を持つ 分生子柄が嚢状 本種と異なり筆状体が二輪生にならず常に単輪生 本種と異なり閉子嚢殻を形成しない カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium spinulosum 単輪生の筆状体を持つ メトレの形態が時に本種に類似する 分生子柄が嚢状 本種と異なり筆状体が二輪生にならず常に単輪生 本種と異なり閉子嚢殻を形成しない カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium thomii 単輪生の筆状体を持つ 分生子柄が嚢状 本種と異なり筆状体が二輪生にならず常に単輪生 本種と異なり閉子嚢殻を形成しない カルモジュリン遺伝子およびITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される