(仮訳)アオカビ属Cinnamopurpurea節の種多様性および化学的多様性の拡張
Peterson, S., Jurjević, Ž. & Frisvad, J., 2015. Expanding the Species and Chemical Diversity of Penicillium Section Cinnamopurpurea. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0121987 [Accessed June 1, 2015].
【R3-01881】2015/06/02投稿

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3行まとめ

アオカビ属Cinnamopurpurea節の菌を検討し、Penicillium coleiなど7種を新種記載した。
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1とその個々の遺伝子、およびITS領域に基づく分子系統解析を行い、各系統樹の一致性を検討した。
代謝産物の解析を行い、7新種のうち2新種(P. coleiおよびP. monsserratidens)がマイコトキシンの一種、シトレオビリジンを産生することを示した。
USA, Georgia

(新種)

Penicillium colei S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…著名なマイコトキシン研究者であり、本種のタイプ標本の採集者であるRichard J. Coleに献名
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【よく似た種との区別】
Penicillium ellipsoideosporum
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1、それらの各遺伝子、およびITSに基づく分子系統解析で近縁
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium idahoense
米国に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシトレオビリジン類を産生しない
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium monsserratidens
米国に分布する
肉眼的形態が類似している
分生子が球形~楕円形
シトレオビリジンおよびシトレオモンタニンを産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1、それらの各遺伝子、およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の最大長が短い
本種と異なりCYA、PDA培地でコロニー中央部のみではなくコロニー全体(ほとんどが周縁)に滲出物を生じる
本種と異なりMEA培地で滲出物を生じないのではなく透明な滲出物を生じる
本種と異なりMEA培地で水溶性色素(帯赤黄色)を生じる
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Northern California

(新種)

Penicillium cvjetkovicii S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…クロアチア人菌学者、Bogdan Cvjetković氏に献名
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【よく似た種との区別】
Penicillium lemhiflumine
米国に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーの胞子形成領域が暗い帯青灰緑色ではなく灰緑色
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じる
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, California

(新種)

Penicillium fluviserpens S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…蛇の川の(米国アイダホ州、スネークリバーに因む)
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USA, California

(新種)

Penicillium lemhiflumine S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…レムヒ川 (Lemhi River) の
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【よく似た種との区別】
Penicillium cvjetkovicii
米国に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーの胞子形成領域が灰緑色ではなく暗い帯青灰緑色
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じるという特徴を欠く
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium salmoniflumine
米国カリフォルニア州に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じるという特徴を欠く
本種よりCYA、MEA、OA、CY20S、PDA、CYAS培地での生長が遅い
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium monsgalena
コロニーの胞子形成領域が灰緑色
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく南アフリカに分布する
本種と異なりコロニーの胞子形成領域が全体ではなく中央部のみ
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じるという特徴を欠く
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium idahoense
米国に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種よりCYA培地でのコロニーの直径が大きい
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じるという特徴を欠く
本種と異なりMEA、CYA培地で盛んに菌核(褐色~暗褐色)を形成する
本種と異なりCYA培地で帯桃色の水溶性色素を産生するという特徴を欠く
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium monsgalena
コロニーの胞子形成領域が灰緑色
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく南アフリカに分布する
本種と異なりコロニーの胞子形成領域が全体ではなく中央部のみ
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じるという特徴を欠く
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa

(新種)

Penicillium monsgalena S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…ガレナ山 (Mt. Galena) の
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【よく似た種との区別】
Penicillium monsserratidens
OA培地で帯赤色の水溶性色素を産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく米国に分布する
本種より分生子の平均サイズが小さい
本種と異なり分生子が類球形~楕円形ではなく球形~楕円形
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium salmoniflumine
筆状体が主に分枝しない
OA培地で帯赤色の水溶性色素を産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく米国に分布する
本種より分生子の平均サイズが小さい
本種と異なり分生子が類球形~楕円形ではなく球形~楕円形
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なりMEA培地でのコロニーの溝線が中程度に深い~深いのではなく深い
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium lemhiflumine
コロニーの胞子形成領域が灰緑色
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく米国に分布する
本種と異なりコロニーの胞子形成領域が中央部のみではなく全体
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じる
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, California

(新種)

Penicillium monsserratidens S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…鋸の歯の山の(米国アイダホ州、ソートゥース山に因む)
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【よく似た種との区別】
Penicillium colei
米国に分布する
肉眼的形態が類似している
分生子が球形~楕円形
シトレオビリジンおよびシトレオモンタニンを産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1、それらの各遺伝子、およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の最大長が長い
本種と異なりCYA、PDA培地でコロニー全体(ほとんどが周縁)ではなく中央部のみに滲出物を生じる
本種と異なりMEA培地で透明な滲出物を生じるのではなく滲出物を生じない
本種と異なりMEA培地で水溶性色素(帯赤黄色)を生じない
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium idahoense
米国に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシトレオビリジン類を産生しない
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium monsgalena
OA培地で帯赤色の水溶性色素を産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく南アフリカに分布する
本種より分生子の平均サイズが大きい
本種と異なり分生子が球形~楕円形ではなく類球形~楕円形
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, California

(新種)

Penicillium salmoniflumine S. W. Peterson, Ž. Jurjević & Frisvad
語源…鮭の川の(米国アイダホ州、サーモンリバーに因む)
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【よく似た種との区別】
Penicillium lemhiflumine
米国カリフォルニア州に分布する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりMEA培地でコロニーに溝線を生じる
本種よりCYA、MEA、OA、CY20S、PDA、CYAS培地での生長が速い
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium monsgalena
筆状体が主に分枝しない
OA培地で帯赤色の水溶性色素を産生する
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく南アフリカに分布する
本種より分生子の平均サイズが大きい
本種と異なり分生子が球形~楕円形ではなく類球形~楕円形
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なりMEA培地でのコロニーの溝線が深いのではなく中程度に深い~深い
BT2+CF+Mcm7+RPB2+Tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される