(仮訳)エクアドルおよびパナマのラッシタケ属菌
Gillen, K., Kirschner, R. & Piepenbring, M., 2013. Favolaschia species (Agaricales, Basidiomycota) from Ecuador and Panama. Nova Hedwigia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/schweiz/novh/2013/00000096/F0020001/art00006 [Accessed March 9, 2014].
【R3-00482】2014/03/09投稿

【お読みください】
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3行まとめ

南米産のラッシタケ属菌16種について検討し、それぞれを詳細に記載した。
そのうち1種は、本論文でFavolaschia macroporaとして新種記載した。
エクアドル新産種、パナマ新産種としてそれぞれ数種を報告し、Favolaschia oligogloeaF. heliconiaeのシノニムとした。
Panama, Chiriqui, Lagunas de Volcan

(新種)

Favolaschia macropora K. Gillen
語源…大きな孔の
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【よく似た種との区別】
Favolaschia alsophilae
グレオシスチジアを欠く
孔口のサイズが大きい
孔口の数が少ない
担子器のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
本種よりアカントシスチジアの幅が僅かに狭い
本種と異なりクランプを持つ
Favolaschia pantherina
タケに発生する
グレオシスチジアを欠く
本種と異なりクランプを持つ

(エクアドル新産種)

Favolaschia alsophilae Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia pantherina
グレオシスチジアを欠く
クランプを持つ
本種と異なり木生シダ(Alsophila属)ではなくタケ(Chusquea属)に発生する
本種と異なり孔口の数が2-8個ではなく25-45個

(エクアドル・パナマ新産種)

Favolaschia andina Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia roseogrisea
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり子実体が顕著な粉状になる
本種と異なりグレオシスチジアが担子器の間から生じない
Favolaschia pterigena var. boliviana
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり双子葉植物の枝ではなく木生シダに発生する
Favolaschia sabalensis var. geonemae
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり双子葉植物の枝ではなくウスバヒメヤシ属のヤシに発生する
本種より担子胞子が長い(10 μmを超える)

(エクアドル・パナマ新産種)

Favolaschia aurantiaca Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia heliconiae
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりChusquea属のタケではなくオウムバナ属に発生する
Favolaschia dealbata
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり新鮮な子実体が橙色ではなく白色~褐色
本種ほど実質がゼラチン化しないか全くしない
Favolaschia fendleri
子実体の形態が類似している
本種と異なりChusquea属のタケに発生しない
本種と子実体のサイズが異なる
本種と孔口の数が異なる
本種より担子胞子が短い
本種よりグレオシスチジアの幅が僅かに広い
本種ほど実質が強くゼラチン化しない

(パナマ新産種)

Favolaschia cinnabarina (Berk. & M.A. Curtis) Kuntze
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【よく似た種との区別】
Favolaschia gaillardii
乾燥した子実体が粉状にならない
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種より担子胞子の幅が狭い
Favolaschia violascens
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり乾燥した子実体が非常に粉状になる

(エクアドル新産種)

Favolaschia dealbata Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia heliconiae
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりChusquea属のタケではなくオウムバナ属に発生する
Favolaschia aurantiaca
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり新鮮な子実体が白色~褐色ではなく橙色
本種より実質が強くゼラチン化する

(その他掲載種)

Favolaschia fendleri Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia aurantiaca
子実体の形態が類似している
本種と異なりChusquea属のタケに発生する
本種と子実体のサイズが異なる
本種と孔口の数が異なる
本種より担子胞子が長い
本種よりグレオシスチジアの幅が僅かに狭い
本種より実質が強くゼラチン化する
Favolaschia calocera
LSUに基づく分子系統解析で近縁
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(エクアドル・パナマ・ペルー新産種)

Favolaschia gaillardii (Pat.) Kuntze
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【よく似た種との区別】
Favolaschia cinnabarina
乾燥した子実体が粉状にならない
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種より担子胞子の幅が広い
Favolaschia violascens
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり乾燥した子実体が非常に粉状になる

(パナマ新産種)

Favolaschia heliconiae Singer
Favolaschia oligogloeaFavolaschia heliconiaeのシノニムとした(柄の長さのみが異なるため)。
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【よく似た種との区別】
Favolaschia oligogloea
子実体の形態が類似している
本種より柄が僅かに短い
Favolaschia dealbata
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりオウムバナ属ではなくChusquea属のタケに発生する
Favolaschia aurantiaca
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりオウムバナ属ではなくChusquea属のタケに発生する

(その他掲載種)

Favolaschia pantherina Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia alsophilae
グレオシスチジアを欠く
クランプを持つ
本種と異なりタケ(Chusquea属)ではなく木生シダ(Alsophila属)に発生する
本種と異なり孔口の数が25-45個ではなく2-8個
Favolaschia macropora
タケに発生する
グレオシスチジアを欠く
本種と異なりクランプを欠く

(その他掲載種)

Favolaschia pterigena var. boliviana Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia sabalensis var. geonemae
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種より担子胞子が長い(10 μmを超える)
Favolaschia andina
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり木生シダではなく双子葉植物の枝に発生する
Favolaschia roseogrisea
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり木生シダではなくタケに発生する

(その他掲載種)

Favolaschia roseogrisea Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia andina
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり子実体が顕著な粉状にならない
本種と異なりグレオシスチジアが担子器の間から生じる
Favolaschia pterigena var. boliviana
担子器の大部分が4胞子性
担子胞子の長さが10 μmを超えない
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりタケではなく木生シダに発生する
Favolaschia sabalensis var. geonemae
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりタケではなくウスバヒメヤシ属のヤシに発生する
本種より担子胞子が長い(10 μmを超える)

(その他掲載種)

Favolaschia sabalensis var. geonemae Singer
※論文中では”geonematis”の変種名が用いられている。
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【よく似た種との区別】
Favolaschia pterigena var. boliviana
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりウスバヒメヤシ属のヤシではなく木生シダに発生する
本種より担子胞子が短い(10 μmを超えない)
Favolaschia andina
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりウスバヒメヤシ属のヤシではなく双子葉植物の枝に発生する
本種より担子胞子が短い(10 μmを超えない)
Favolaschia roseogrisea
担子器の大部分が4胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なりウスバヒメヤシ属のヤシではなくタケに発生する
本種より担子胞子が短い(10 μmを超えない)

(その他掲載種)

Favolaschia teapae Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia andina
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が小さい

(その他掲載種)

Favolaschia violascens Singer
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【よく似た種との区別】
Favolaschia gaillardii
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり乾燥した子実体が非常に粉状にならない
Favolaschia cinnabarina
担子器の大部分が2胞子性
グレオシスチジアを持つ
本種と異なり乾燥した子実体が非常に粉状にならない

(その他の分類学的措置)

  • Favolaschia aurantiacaFavolaschia fendleriのシノニムとなる可能性を示唆した。
  • Favolaschia gaillardiiFavolaschia cinnabarinaのシノニムとなる可能性を示唆した(Singer, 1974は担子胞子のサイズのみを区別点としたが、未熟な胞子を計測していた可能性を指摘した)。