(仮訳)米国西部産の多孔菌類4新種
Vlasák, J., Vlasák, J. Jr. & Ryvarden, L. 2012. Four new polypore species from the western United States. Mycotaxon. Available at: https://www.ingentaconnect.com/contentone/mtax/mt/2012/00000119/00000001/art00024 [Accessed July 16, 2020] 【R3-07504】2020/7/16投稿

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3行まとめ

米国西部からAntrodia madronaeなど4新種を記載した。
各新種について形態学的検討およびITS領域に基づく分子系統解析を実施した。
新種Ceriporiopsis pseudoplacentaのITS1領域は非常に長く、他のどの多孔菌類とも有意な類似性が認められなかったが、形態を基に本属に含められた。
USA, California, Palomar Mt. State Park

(新種)

Fuscoporia palomari Vlasák & Ryvarden
語源…パロマー(山)の
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【よく似た種との区別】
Fuscoporia viticola
担子胞子が円筒形
剛毛が長い
本種より担子胞子の幅がずっと狭い
Fuscoporia sentifera
子実体が半背着生~背着生
担子胞子が円筒形
子実層剛毛が長い
本種と異なり米国ではなく日本、中国などに分布する
本種と異なり傘表面が剛毛状
本種より担子胞子のサイズが小さい
USA, Oregon, Oregon Caves entrance

(新種)

Antrodia madronae Vlasák & Ryvarden
語源…マドロン(Arbutus menziesii)の
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【よく似た種との区別】
Antrodia sandaliae
同じイチゴノキ属植物に生じる
子実体がクッション状
子実体が柔らかい
担子胞子の形状が類似している
菌糸構成が類似している
菌糸が厚壁
菌糸がKOH溶解性
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく地中海地域などに分布する
本種と異なりArbutus menziesiiではなくA. unedoなどに生じる
本種と異なり子実体が様々な色をとるのではなく白色
本種より担子器のサイズが顕著に小さい
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Washington, Forks, Bogachiel State Park

(新種)

Ceriporiopsis pseudoplacenta Vlasák & Ryvarden
語源…偽のPostia placenta
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【よく似た種との区別】
Auriporia aurea
米国に分布する
同じマツ科植物に生じる
肉眼的形態が類似している(混同のおそれがある)
子実体の色が類似している
子実体が柔らかい肉質
本種と異なりモミ属樹木における発生が知られている
本種と異なりシスチジアを有する
本種と異なり骨格菌糸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Auriporia aurulenta
同じマツ科植物に生じる
本種と異なり米国ではなくチェコなどに分布する
本種と異なりマツ属樹木における発生が知られている
本種と異なりシスチジアを有する
本種と異なり骨格菌糸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Postia placenta
米国に分布する
同じマツ科植物に生じる
肉眼的形態が類似している(混同のおそれがある)
子実体の色が類似している
子実体が柔らかい肉質
担子胞子の形態が類似している
菌糸構成が類似している
本種と異なりスロバキアにおける分布が知られている
本種と異なりマツ属樹木における発生が知られている
本種と異なり子実体が初め類白色または淡鮭肉桃色でのちに濃赤色から帯褐赤色または黒色になるのではなく初め濃赤色でばら桃色に変色し、老成あるいは乾燥時帯白桃色または淡黄褐色になる
本種と異なり子実体が頑丈なゴム質ではなく柔らかく脆い
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ceriporiopsis gilvescens
白色腐朽菌である
本種より子実体が淡色の帯桃鮭肉色
本種より担子胞子の幅が狭い
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodiella albocinnamomea(ハダイロアナタケモドキ)
肉眼的形態が類似している
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり米国ではなくアジアなどに分布する
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形
本種と異なり菌糸構成が2菌糸型
USA, Oregon, Crater Lake visitors center

(新種)

Skeletocutis subodora Vlasák & Ryvarden
語源…Skeletocutis odora類似の
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【よく似た種との区別】
Skeletocutis odora
米国に分布するとされる
同じマツ科樹木に生じる
形態的に類似している(初めおそらくこの種に同定された)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコにおける分布が知られている
本種と異なりトガサワラ属ではなくマツ属樹木などに生じる
本種より子実体形成菌糸層が薄い
本種と担子胞子の形状が異なる
本種と異なりシスチジオールが顕著に大型という特徴を欠く
本種と異なり肉の菌糸構成が1菌糸型という特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ceriporiopsis guidella
肉眼的形態が類似している
担子胞子の形態が類似している
シスチジオールの形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりトガサワラ属樹木ではなくカエデ属などの広葉樹に生じる
本種と異なり子実体形成菌糸層が極めて薄い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される