(仮訳)サルノコシカケ目の新科、フラジリポリア科
Zhao, C-L. et al., 2015. FFragiliporiaceae, a new family of Polyporales (Basidiomycota). Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-014-0299-0 [Accessed April 25, 2015].
【R3-01766】2015/04/25投稿

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3行まとめ

形態および分子データを基に、サルノコシカケ目においてFragiliporia属を基準属とする新科フラジリポリア科を提唱した。
基準種Fragiliporia fragilisは中国雲南省、浙江省、貴州省で採集され、子実体が背着生、管孔が新鮮時非常に柔らかく、厚壁の生殖菌糸にクランプを有することなどで特徴づけられた。
分子系統解析で本科は単系統群を形成し、phlebioidクレード、resudal polyporoidクレード、およびcore polyporoidクレードと同一のグループに含まれた。
中国雲南省保山市高黎貢山自然保護区

(新種)

Fragiliporia fragilis Y.C. Dai, B.K. Cui & C.L. Zhao
語源…脆い(子実体の質から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceriporia lacerata
白色腐朽菌である
子実体が一年生
子実体が背着生
子実層面が孔口状
ITS領域の塩基配列が類似している(BLASTで一致度88%)
本種と異なりフラジリポリア科ではなくマクカワタケ科に含まれる
本種と異なり生殖菌糸にクランプを欠く
ITS領域の塩基配列が異なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Griseoporia carbonaria
nrLSUの塩基配列が類似している
本種と異なり子実体が褐色
本種と異なり1菌糸型ではなく2菌糸型(骨格菌糸を有する)
nrLSUの塩基配列が異なる
本種と異なり分子系統解析で近縁でない(先行研究)
Neolentinus kauffmanii(エゾナミハタケ)
nrLSUの塩基配列が類似している
本種と異なり白色腐朽ではなく褐色腐朽を引き起こす
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状
本種と異なり子実体が非常に柔らかいのではなくコルク質
本種と異なり子実層面が孔口状ではなく襞状~迷路状
本種と異なり1菌糸型ではなく2菌糸型
nrLSUの塩基配列が異なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Veluticeps fimbriata(マツノウロコタケ)
nrLSUの塩基配列が類似している
本種と異なり白色腐朽ではなく褐色腐朽を引き起こす
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種と異なり子実体が非常に柔らかいのではなく堅い
本種と異なり子実層面が孔口状ではなく平滑
本種と異なり担子器がかなり大型
本種と異なり担子胞子がかなり大型
本種と異なりシスチジアが単生または束生する
nrLSUの塩基配列が異なる
本種と異なり分子系統解析で近縁でない(先行研究)
Ceriporiopsis spp.
白色腐朽菌である
子実体が一年生
子実体が背着生
子実層面が孔口状
本種と異なりフラジリポリア科ではなくマクカワタケ科に含まれる
本種と異なり子実体が非常に柔らかいのではなく柔らかいコルク質~コルク質
本種と異なり子実体が乾燥時傷つくと粉状になるという特徴を欠く
本種と異なり生殖菌糸がH、W、Y形の分枝を示さない
本種と異なり生殖菌糸がクランプの部分で枝分かれするという特徴を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される