(仮訳)スペイン、マヨルカ島においてアーモンドの材腐朽を引き起こす幹生息性病原菌
Gramaje, D. et al., 2012. Fungal trunk pathogens associated with wood decay of almond trees on Mallorca (Spain). Persoonia. … Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3409407/ [Accessed April 11, 2015].
【R3-01725】2015/04/11投稿

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3行まとめ

スペイン、バレアレス諸島のマヨルカ島で2008年から発生した深刻なアーモンドの木の病害の原因菌を検討した。
罹病木からBotryosphaeria dothideaなど5種のボトリオスフェリア科菌類、Eutypa lataPhaeoacremonium iranianum、およびPhomopsis amygdaliを分離、同定した。
また、Collophora hispanicaおよびPhaeoacremonium amygdalinumの2新種を記載した。
Spain, Mallorca, Sant Llorenç des Cardassar

(新種)

Collophora hispanica D. Gramaje, J. Armengol & Damm
語源…スペインの
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【よく似た種との区別】
Collophora rubra
同じアーモンドを宿主とする
分生子がしばしば僅かに屈曲する
培養下でコロニーおよびその周囲に赤色色素を産生する
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくモモを宿主とすることも知られている
本種と異なり個々分離したフィアライドを多く形成するという特徴を欠く
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(EF1-αの配列類似度91%)
Collophora africana
同じサクラ属植物を宿主とする
培養下で分生子果内部に形成される分生子の形態が類似している
培養下でコロニーおよびその周囲に赤色色素を産生する
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくモモを宿主とする
本種と異なり個々分離したフィアライドを多く形成するという特徴を欠く
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Collophora paarla
同じサクラ属植物を宿主とする
内生分生子の形態が類似している
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくモモを宿主とする
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Collophora pallida
同じサクラ属植物を宿主とする
内生分生子の形態が類似している
本種と異なりアーモンドではなくモモを宿主とする
Spain, Mallorca, Sant Llorenç des Cardassar

(新種)

Phaeoacremonium amygdalinum D. Gramaje, J. Armengol & L. Mostert
語源…アーモンドの
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【よく似た種との区別】
Phaeoacremonium australiense
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium fuscum
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium krajdenii
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium occidentale
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium pallidum
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium prunicolum
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phaeoacremonium scolyti
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia africana
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Togninia griseo-olivacea
同じサクラ属植物を宿主とする
ポリフィアライドを有する
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアーモンドではなくスモモを宿主とする
本種と異なりタイプIIフィアライドを盛んに形成するという特徴を欠く
本種と培養性状が異なる
チューブリン+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Collophora africana Damm & Crous
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【よく似た種との区別】
Collophora capensis
同じモモを宿主とする
本種と菌糸上の分生子の形態が異なる
本種と分生子果内部に形成される分生子の形態が異なる
本種と最適生長温度が異なる

(その他掲載種)

Collophora paarla Damm & Crous
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【よく似た種との区別】
Collophora pallida
同じモモを宿主とする
本種と分生子の形態が異なる
本種と栄養菌糸の幅が異なる
本種と培養下で生じる滲出物が異なる
Collophora hispanica
同じサクラ属植物を宿主とする
内生分生子の形態が類似している
ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で近縁×ITS+GAPDH+EF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりモモではなくアーモンドを宿主とする

※このほか、Phaeoacremonium iranianumの宿主としてアーモンドを初めて報告した。