(仮訳)Fusarium sporotrichioidesおよびF. langsethiaeに近縁な、タイプAトリコテセンを産生するアジア北部産のFusarium属の新種、F. sibiricum
Yli-Mattila, T. et al., 2011. Fusarium sibiricum sp. nov, a novel type A trichothecene-producing Fusarium from northern Asia closely related to F. sporotrichioides and F. langsethiae. International Journal of Food Microbiology. …. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168160511001619 [Accessed June 12, 2015].
【R3-01912】2015/06/12投稿

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3行まとめ

ロシアのシベリアおよび極東地方において、オオムギやエンバクなどから分離されたFusarium属菌を検討し、F. sibiricumとして新種記載した。
本種は高濃度のT-2トキシンを産生し、IGS領域に特徴的なTG繰り返し配列を有していた。
TRI1およびTRI16遺伝子などに基づく分子系統解析で、本種はF. sporotrichioidesに近縁であったが、形態的には別の2種と区別困難なほど類似していた。
Khabarovsk

(新種)

Fusarium sibiricum Gagkaeva, Burkin, Kononenko, Gavrilova, O’Donnell, T. Aoki, & Yli-Mattila
語源…シベリアの
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【よく似た種との区別】
Fusarium sporotrichioides
ロシアに分布する
オオムギ、コムギ、エンバクを宿主とする
PDA培地で盛んに生長する(コロニーの高さが3mmを超える)
タイプAトリコテセンを産生する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり古いコロニーで100 μmを超える長い分生子柄が見られるという特徴を欠く
本種より気生菌糸を盛んに形成することが多い
本種と異なり多出芽型の分生子形成細胞を有する
本種と異なりアンプル形のモノフィアライドを欠く
本種と異なり大分生子を形成する
本種と異なり偽頭状をなす小分生子の塊が容易に崩壊する
本種よりSNA培地で形成される無隔壁尖球形の分生子のサイズが大きい
本種と異なり厚壁胞子を形成する
本種よりPSA培地での生長が速い
本種と異なりPSA培地で洋紅色の色素を産生する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、PHO、RPB2、TRI1+TRI16、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
FsporF1/LanspoR1プライマーペアによる特異的PCRで区別される
Fusarium poae
コムギおよびエンバクを宿主とする
形態的に区別が困難なほど類似している
モノフィアライドがアンプル形
大分生子を形成しない
厚壁胞子を形成しない
PDA培地で盛んに生長する(コロニーの高さが3mmを超える)
本種と異なり古いコロニーで100 μmを超える長い分生子柄が見られるという特徴を欠く
本種ほど偽頭状をなす小分生子塊が安定していない
本種よりSNA培地で形成される無隔壁尖球形の分生子のサイズが大きい
本種よりPSA培地での生長が速い
本種より気生菌糸を盛んに形成することが多い
本種と異なり気生菌糸が時に橙灰色を帯びるという特徴を欠く
本種と異なりPSA培地で洋紅色の色素を産生することがある
本種と異なりコロニーが時に甘い臭いを発するという特徴を欠く
本種と異なりタイプAトリコテセンをほとんど産生しない
本種と異なりタイプBトリコテセンを産生する
PoaeIGS/CNL12およびFp82F/Rプライマーペアによる特異的PCRで区別される
Fusarium langsethiae
ロシアに分布する
オオムギ、コムギ、エンバクを宿主とする
形態的に区別が困難なほど類似している
モノフィアライドがアンプル形
大分生子を形成しない
厚壁胞子を形成しない
タイプAトリコテセンを産生する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシベリア、極東ロシア、ノルウェー、イランではなくヨーロッパおよび西シベリアに分布する
本種と異なり古いコロニーで100 μmを超える長い分生子柄が見られるという特徴を欠く
本種と異なり稀に分生子形成細胞に2つの分生子形成部位を有する
本種と異なりモノフィアライドが直線状ではなく屈曲した円筒形
本種より偽頭状をなす小分生子塊の安定性が高い
本種よりPSA培地での生長が遅い
本種ほどPSA培地で気生菌糸を産生しない
本種と異なりPSA培地で洋紅色の色素を産生することがある
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
FsporF1/LanspoR1プライマーペアによる特異的PCRで区別される

(その他掲載種)

Fusarium langsethiae Torp & Nirenberg
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【よく似た種との区別】
Fusarium sibiricum
ロシアに分布する
オオムギ、コムギ、エンバクを宿主とする
形態的に区別が困難なほど類似している
大分生子を形成しない
厚壁胞子を形成しない
タイプAトリコテセンを産生する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパおよび西シベリアではなくシベリア、極東ロシア、ノルウェー、イランに分布する
本種と異なり古いコロニーで100 μmを超える長い分生子柄が見られる
本種と異なり稀に分生子形成細胞に2つの分生子形成部位を有するという特徴を欠く
本種と異なりモノフィアライドが屈曲した円筒形ではなく直線状
本種より偽頭状をなす小分生子塊の安定性が低い
本種よりPSA培地での生長が速い
本種よりPSA培地で気生菌糸を産生する
本種と異なりPSA培地で洋紅色の色素を産生するという特徴を欠く
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
FsporF1/LanspoR1プライマーペアによる特異的PCRで区別される
Fusarium sporotrichioides
オオムギ、コムギ、エンバクを宿主とする
タイプAトリコテセンを産生する
PSA培地で洋紅色の色素を産生する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりモノフィアライドがアンプル形
本種と異なりモノフィアライドが屈曲する円筒形という特徴を欠く
本種と異なり分生子形成細胞に2つではなくそれ以上の分生子形成部位を有することがある
本種と異なり大分生子を形成する
本種よりSNA培地で形成される無隔壁尖球形の分生子のサイズが大きい
本種と異なり厚壁胞子を形成する
本種と異なりPSA培地で盛んに生長する
EF1-α+PHO+RPB2+TUB2、EF1-α、PHO、RPB2、TUB2、TRI1+TRI16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium poae
ロシアに分布する
コムギおよびエンバクを宿主とする
モノフィアライドがアンプル形
大分生子を形成する
厚壁胞子を形成しない
PSA培地で洋紅色の色素を産生する
本種と異なりモノフィアライドが屈曲する円筒形という特徴を欠く
本種と異なり分生子形成細胞に2つの分生子形成部位を有することがない
本種よりSNA培地で形成される無隔壁尖球形の分生子のサイズが大きい
本種と異なりPSA培地で盛んに生長する
本種と異なりタイプAトリコテセンをほとんど産生しない