(仮訳)北米西部においてパシフィックマドロンに潰瘍病を引き起こす新種Fusicoccum arbuti、およびScytalidium dimidiatumNattrassia mangiferaeに対する正名Fusicoccum dimidiatumについて
Farr, DF. et al., 2005. Fusicoccum arbuti sp. nov. causing cankers on Pacific madrone in western North America with notes on Fusicoccum dimidiatum, the correct name for Scytalidium dimidiatum and Nattrassia mangiferae. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15572536.2006.11832803 [Accessed February 2, 2021] 【R3-08107】2021/2/2投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

米国およびカナダにおいてArbutus menziesiiに潰瘍病を引き起こした菌を検討し、Fusicoccum arbutiとして新種記載した。
本種はしばしばNattrassia mangiferaeと同定されてきたが、その種は別種であることが確かめられた。
N. mangiferaeおよびそのシンアナモルフScytalidium dimidiatumを検討し、それらに対して新組み合わせF. dimidiatumを提唱した。
United States, Washington, King County, Seattle

(新種)

Fusicoccum arbuti D.F. Farr & M. Elliott
語源…イチゴノキ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Botryosphaeria ribis
米国に分布する
厚壁胞子が鎖生する
厚壁胞子が褐色
厚壁胞子が厚壁
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイチゴノキ属ではなくスグリ属植物などに生じる
本種より分生子が短い
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botryosphaeria parva
米国に分布する
分生子の形状が類似している
分生子に時に2隔壁を有することがある
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアなどに分布する
本種と異なりリンゴ属、マタタビ属、ヤマナラシ属、ユーカリ属、セコイア属、スグリ属植物などに生じる
本種より分生子が短い
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botryosphaeria dothidea
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国およびカナダではなくニュージーランド、スイスなどに分布する
本種と異なりイチゴノキ属ではなくヤマナラシ属、トネリコ属、アサダ属、サクラ属植物などに生じる
本種より分生子が長い
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botryosphaeria lutea
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国およびカナダではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なりイチゴノキ属ではなくマタタビ属、リンゴ属植物などに生じる
本種と異なり培養下で黄色の水溶性色素を産生する
ITSおよびITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusicoccum dimidiatum
米国に分布する
宿主に潰瘍病を引き起こす
形態的に類似している(しばしば誤同定されてきた)
分生子の中位の細胞が褐色になる
分生子の隔壁数が2のことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり汎世界的に分布するとされる
本種と異なりイチゴノキ属ではなくサクラ属、クルミ属、マンゴー属植物やヒトの皮膚、爪などから分離される
本種と異なり最小生長温度が10°Cではなく15°C
本種と異なり生育適温が25°Cではなく30-35°C
本種と異なり最大生長温度が30-35°Cではなく38-40°Cである
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Fusicoccum dimidiatum (Penz.) D.F. Farr
旧名:Nattrassia mangiferae (Syd. & P. Syd.) B. Sutton & Dyko、Scytalidium dimidiatum (Penz.) B. Sutton & Dyko
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusicoccum arbuti
米国に分布する
宿主に潰瘍病を引き起こす
形態的に類似している(しばしば誤同定されてきた)
分生子の中位の細胞が褐色になる
分生子の隔壁数が2のことがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり汎世界的に分布するという特徴を欠く
本種と異なりサクラ属、クルミ属、マンゴー属植物やヒトの皮膚、爪などではなくイチゴノキ属植物から分離される
本種と異なり最小生長温度が15°Cではなく10°C
本種と異なり生育適温が30-35°Cではなく25°C
本種と異なり最大生長温度が38-40°Cではなく30-35°Cである
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される