(仮訳)Xerocomus cheoiおよび近縁種に対するイグチ科の新属Hourangia
Zhu, X-T. et al., 2015. Hourangia, a new genus of Boletaceae to accommodate Xerocomus cheoi and its allied species. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1060-0 [Accessed July 13, 2015].
【R3-02006】2015/07/14投稿

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3行まとめ

Xerocomus cheoiを含む系統(Wu et al., 2014におけるクレード8)に対して新属Hourangiaを提唱した。
本種は柄の肉が初め青色、次に帯赤色~帯褐赤色、さらに帯褐色~帯黒色に変色する点や厚い子実層托、担子胞子の装飾などで特徴づけられた。
Xerocomus punctiliferH. cheoiのシノニムとし、H. cheoiなど3種のエピタイプ標本を指定し、Phylloporus pumilusを本属に移した。
中国雲南省昆明市盤龍区龙泉路黒龍潭公園

(新組み合わせ)

Hourangia cheoi (W.F. Chiu) Xue T. Zhu & Zhu L. Yang
語源…(属名)「厚い子実層」を表す中国語「厚瓤」より
旧名:Xerocomus cheoi (W.F. Chiu) F.L. Tai
(基礎異名はBoletus cheoi W.F. Chiu)
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Hourangia nigropunctata
子実層托が管孔状
担子胞子全体に装飾を有する
本種ほど傘肉の変色が速くかつ顕著でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
Xerocomus nigromaculatus
本種と異なり傘が黒変する
本種と異なり柄が黒変する
中国雲南省普洱市菜陽河国家森林公園

(新組み合わせ)

Hourangia microcarpa (Corner) G. Wu, Xue T. Zhu & Zhu L. Yang
旧名:Boletus microcarpus Corner
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Hourangia pumila
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国およびマレーシアではなくインドネシアに分布する
本種と異なり子実層托が管孔状ではなく蜂の巣状
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の装飾が全体的にではなく部分的に分布する
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hourangia nigropunctata
子実層托が管孔状
傘肉が傷ついても速く顕著には変色しない
担子胞子全体に装飾を有する
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり亜熱帯域~熱帯域ではなく亜高山帯~高山帯に分布する
本種と異なり広葉樹ではなく針葉樹と関係を持つ
本種より傘の直径が大きい
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xerocomus parvulus(ヒメアワタケ)
子実体のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が広い
Boletus pseudo-parvulus
子実体のサイズが小さい
本種と異なり肉が褐変する
本種より担子胞子の幅が狭い
Boletus subparvulus
子実体のサイズが小さい
傘表皮が毛状被
傘表皮の末端細胞が膨大する
本種より担子胞子が長い
中国貴州省道真コーラオ族ミャオ族自治県道真大沙河省級自然保護区

(新組み合わせ)

Hourangia nigropunctata (W.F. Chiu) Xue T. Zhu & Zhu L. Yang
旧名:Xerocomus nigropunctatus (W.F. Chiu) F.L. Tai
(基礎異名はBoletus nigropunctatus W.F. Chiu)
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Hourangia cheoi
子実層托が管孔状
担子胞子全体に装飾を有する
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種より傘肉の変色が速くかつ顕著
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hourangia microcarpa
子実層托が管孔状
傘肉が傷ついても速く顕著には変色しない
担子胞子全体に装飾を有する
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり亜高山帯~高山帯ではなく亜熱帯域~熱帯域に分布する
本種と異なり針葉樹ではなく広葉樹と関係を持つ
本種より傘の直径が小さい
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Hourangia pumila (M.A. Neves & Halling) Xue T. Zhu, Halling & Zhu L. Yang
旧名:Phylloporus pumilus M.A. Neves & Halling
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【よく似た種との区別】
Hourangia microcarpa
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドネシアではなく中国およびマレーシアに分布する
本種と異なり子実層托が蜂の巣状ではなく管孔状
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾が部分的にではなく全体的に分布する
ITS+nrLSU+EF1-α+rpb1+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される