(仮訳)マカロネシアおよびポルトガル本土に産したCaloplaca属類似の新種の地衣Ikaeria serusiauxii、およびポルト・サント島産地衣類のチェックリスト
Sipman, HJM. & Aptroot, A. 2020. Ikaeria serusiauxii, a new Caloplaca-like lichen from Macaronesia and mainland Portugal, with a lichen checklist for Porto Santo. Plant and Fungal Systematics. Available at: https://pfsyst.botany.pl/Ikaeria-serusiauxii-a-new-Caloplaca-like-lichen-from-Macaronesia-and-mainland-Portugal,119984,0,2.html [Accessed June 19, 2020] 【R3-07424】2020/6/19投稿

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3行まとめ

マデイラ諸島、カナリア諸島、およびポルトガル本土において採集された痂状地衣の一種を検討し、Ikaeria serusiauxiiとして新種記載した。
本種は地衣体および子器にアントラキノンを含まず、粉子器に黒色の孔口を有し、Cinereorufa-green色素を含むことなどで特徴づけられた。
また、ポルト・サント島産地衣類の予備的な目録を作成した。
Portugal, Madeira Islands, Porto Santo, E part, lower slopes N of Pico do Facho

(新種)

Ikaeria serusiauxii Sipman
語源…Emmanuel Sérusiaux氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Caloplaca cerina
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体が淡色
地衣体にアントラキノンを含まない
子器盤が黄色~橙色
子器縁部がしばしば灰色
子器縁部にアントラキノンを含まない
本種と異なり子器縁部がしばしば黒色という特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が非常に厚いという特徴を欠く
本種と異なり粉子器に黒色の孔口を有するという特徴を欠く
本種と異なり色素としてCinereorufa-greenを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Caloplaca haematites
地中海地域に分布する
地衣体にアントラキノンを含まない
子器盤がしばしば橙色
子器縁部にアントラキノンを含まない
本種と異なり地衣体が非常に暗色でほぼ黒色
本種と異なり子器縁部がしばしば黒色という特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が非常に厚いという特徴を欠く
本種と異なり粉子器に黒色の孔口を有するという特徴を欠く
本種と異なり色素としてCinereorufa-greenではなくSedifolia-greyを含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Caloplaca leptozona
粉子器が黒色
本種と異なり熱帯域などに分布する
本種と異なり樹上生ではなく岩上生
本種と異なり子器盤が黒色になる
本種より子嚢胞子の隔壁が短い
Ikaeria aurantiellina
ポルトガルに分布する
同じマツ属樹木などに生じる
粉子器が黒色
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子の隔壁が厚い
子器の顕微鏡的形質が識別不能なほど類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子器が一見ビアトラ型に見える
本種と異なり子器縁部が帯緑灰色ではなく濃黄色~橙色
本種と異なり子器にアントラキノンを含む
本種より子嚢胞子がやや短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される