(仮訳)フェノスカンジア産の瘤状胞子を有する2新種、Inocybe caprimulgiおよびI. lacunarum
Vauras, J. & Larsson, E., 2016. Inocybe caprimulgi and I. lacunarum, two new nodulose-spored species from Fennoscandia. Karstenia. Available at: https://www.researchgate.net/profile/Ellen_Larsson/publication/294811832_Inocybe_caprimulgi_and_I_lacunarum_two_new_nodulose-spored_species_from_Fennoscandia/links/56c41e7b08ae8a6fab5a4f24.pdf [Accessed May 12, 2016].
【R3-02918】2016/05/12投稿

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3行まとめ

Marginatae節の2新種、Inocybe caprimulgiおよびI. lacunarumを記載した。
両種は担子胞子が瘤状で、前者は砂質土壌に生じ、後者はしばしば湿った窪地に生じた。
スウェーデン、ノルウェー、およびフィンランドからI. substellataを、スウェーデンからI. krieglsteineriを、それぞれ新産種として報告した。
Finland, Perä-Pohjanmaa, Rovaniemi, Pahtaja, ca 200 m SSE from Lapin Metsäkoulu

(新種)

Inocybe caprimulgi Vauras & E. Larss.
語源…ヨタカ属の(採集地の環境に生息する鳥から)
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【よく似た種との区別】
Inocybe krieglsteineri
スウェーデンに分布する
砂地に発生する
子実体のサイズがほぼ同一
子実体が乾燥すると黒色を帯びることがある
傘が黄褐色
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランス、ドイツ、オランダ、スロバキア、スロベニア、スペインなどにおける分布が知られている
本種と異なりマツ属およびカバノキ属ではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種より傘が黄色
本種より担子胞子の平均サイズが僅かに大きい
本種より側シスチジアの平均長が長い
本種より側シスチジアの幅がやや狭い
本種と異なり側シスチジアの基部がしばしば丸いのではなく瓶形
本種より柄シスチジアが長い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe substellata
フィンランド、ノルウェー、スウェーデンに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり高山性の種であるという特徴を欠く
本種と肉眼的形質が異なる
本種と顕微鏡的形質が異なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(23塩基の置換および11塩基のインデル)
Inocybe mixtilis
北欧に分布する
生息環境が同一
本種より傘が明色
本種より傘が平坦
本種と異なり柄が白色
本種より担子胞子の瘤状装飾が多い
本種よりシスチジアが短い
Finland, Varsinais-Suomi, Turku, Ruissalo island, ca 100 m N of Honkapirtti, by the road to the villa Turila

(新種)

Inocybe lacunarum Vauras & E. Larss.
語源…窪地の
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【よく似た種との区別】
Inocybe populea(ポプラトマヤタケ)
子実体のサイズがほぼ同一
子実体の色が類似している
子実体の形状が類似している
担子胞子のQ値の範囲が重なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィンランドおよびスウェーデンではなく日本などに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種ほど担子胞子の装飾が規則的でない
本種と異なり担子胞子に王冠形の装飾を有することがある
本種より側シスチジアのサイズが小さい
本種より柄シスチジア(柄の頂部)のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアに結晶を欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(31塩基の置換と12塩基のインデル)
Inocybe salicis
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子の瘤状装飾が全て短い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe calospora(アシボソトマヤタケ)
担子胞子が星状
本種より担子胞子の装飾の数が多い
本種と異なり担子胞子の装飾が鈍頭の円筒形

(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド新産種)

Inocybe substellata Kühner
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【よく似た種との区別】
Inocybe argenteolutea
傘表面に被膜を伴う
本種より襞が明るい黄色
本種より柄が明るい黄色
Inocybe caprimulgi
フィンランド、ノルウェー、スウェーデンに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり高山性の種である
本種と肉眼的形質が異なる
本種と顕微鏡的形質が異なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(23塩基の置換および11塩基のインデル)

(スウェーデン新産種)

Inocybe krieglsteineri Fernández Sas.
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【よく似た種との区別】
Inocybe caprimulgi
スウェーデンに分布する
砂地に発生する
子実体のサイズがほぼ同一
子実体が乾燥すると黒色を帯びることがある
傘が黄褐色
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランス、ドイツ、オランダ、スロバキア、スロベニア、スペインなどにおける分布が知られていない
本種と異なりコナラ属などではなくマツ属およびカバノキ属植物を宿主とする
本種ほど傘が黄色でない
本種より担子胞子の平均サイズが僅かに小さい
本種より側シスチジアの平均長が短い
本種より側シスチジアの幅がやや広い
本種と異なり側シスチジアが瓶形ではなく基部がしばしば丸い
本種より柄シスチジアが短い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される