(仮訳)クロアチア、ブリユニ国立公園産の新種Inocybe istriaca、およびその複数遺伝子系統解析により明らかになったアセタケ科における位置付け
Pošta, A. et al., 2023. Inocybe istriaca sp. nov. from Brijuni National Park (Croatia) and Its Position within Inocybaceae Revealed by Multigene Phylogenetic Analysis. Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/15/6/755 [Accessed June 13, 2023] 【R3-10691】2023/6/13投稿

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3行まとめ

クロアチア、イストラ郡の林縁の草地で採集された菌を検討し、Inocybe istriacaとして新種記載した。
本種は柄頂部と襞縁部が部分的に暗色樹脂状物質に覆われ、担子胞子が(類)扁桃形、(類)豆形、または楕円形で平滑であり、側シスチジアがメチュロイドであることなどで特徴づけられた。
本種と類似種を含む分子系統樹や主要な形態形質の比較表を作成した。
Croatia, Istria County, Brijuni National Park, Veli Brijun Island

(新種)

Inocybe istriaca Mešić, Tkalčec, Pošta, Pole & Bandini
語源…イストリア(半島)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Inocybe venustissima
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくオーストリア、カナダ、韓国などに分布する
本種と異なり沿岸域ではなく山地~亜高山帯に分布する
本種と異なり石灰質土壌ではなく酸性土壌に生じる
本種より子実体のサイズがやや大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘表面がワックス状光沢のある無毛~小亀裂状~亀裂状
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄に丸いボウル形の球根状の基部を有する
本種と異なり柄表面全体にわたってしばしば粉状
本種より担子胞子のサイズがやや小さい
本種より側シスチジアの平均長が短い
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe chalcodoxantha
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなく米国、カナダなどに分布する
本種と異なり針葉樹の樹下に発生する
本種より柄がずっと長い
本種と異なり子実体に強い精液臭がある
本種より担子胞子のサイズがやや小さい
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe adorabilis
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくオーストリアに分布する
本種と異なりトウヒ林に発生する
本種と異なり柄表面全体が粉状
本種と異なり子実体に精液臭がある
本種より担子胞子のサイズがやや小さい
本種より側シスチジアが短い
本種と異なり側シスチジア基部がしばしば丸い
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe audens
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくドイツなどに分布する
本種と異なり針葉樹の樹下に発生する
本種と異なり4-5月に子実体が発生する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種より傘表面が無毛である
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子胞子がやや短い
本種より側シスチジアがずっと厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe inodora
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくノルウェーなどに分布する
本種と異なり主に落葉樹と外生菌根を形成する
本種と異なり柄表面全体が粉状
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe morganae
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくオーストリアおよびドイツに分布する
本種と異なりマツ属樹木の近くに発生する
本種と異なり柄表面全体が粉状
本種と異なり子実体に苦扁桃臭がある
本種より側シスチジアがやや短い
本種と異なり側シスチジアがKOHで黄緑色になる
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe queletii
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくドイツなどに分布する
本種と異なりモミ属樹木と外生菌根を形成する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり子実体に精液臭がある
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe substraminea
ヨーロッパに分布する
同じブナ科樹木と関係を持つ
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりブナ属樹木と関係を持つ
本種より子実体のサイズがずっと大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄が上下同大またはほとんど基部で膨大しない
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe trollii
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくドイツ、オーストリアなどに分布する
本種と異なりマツ属、ハシバミ属、ヤマナラシ属の樹下に発生する
本種と異なり傘表面が微細な羊毛状
本種より側シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり側シスチジアがKOHで黄緑色になる
本種より側シスチジアが厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe woglindeana
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくドイツなどに分布する
本種と異なり落葉樹の樹下に生じる
本種と異なり傘表面に被膜を豊富に伴う
本種より担子胞子がやや長い
本種と異なり側シスチジアがしばしばやや袋形で基部が丸いか截断状
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe langei
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくドイツなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より側シスチジアが短い
本種より側シスチジアが通常厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe iseranensis
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくフランスなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より側シスチジアが短い
本種より側シスチジアが通常厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe heterosemen
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくフランスなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より側シスチジアが短い
本種より側シスチジアが通常厚壁
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される