(仮訳)中国南西部、貴州省産の新種Inonotus tenuicontextusの記載および近縁種との系統関係に関する予備的議論
Zhou, L-W. & Qin, W-M., 2012. Inonotus tenuicontextus sp. nov. (Hymenochaetaceae) from Guizhou, southwest China with a preliminary discussion on the phylogeny of its kin. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-011-0792-8 [Accessed March 19, 2014]
【R3-00519】2014/03/19投稿

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3行まとめ

中国貴州省で採集された菌を、形態形質および分子系統解析の結果に基づきInonotus tenuicontextusとして新種記載した。
本種は多年生で半背着生~傘状の子実体を形成し、担子胞子が無色広楕円形で厚壁であることなどで特徴づけられた。
系統的には本種は狭義のカワウソタケ属クレードに含まれ、薬として利用されるいくつかの種と単系統群を形成した。
中国貴州省江口県梵浄山

(新種)

Inonotus tenuicontextus L.W. Zhou & W.M. Qin
語源…薄い肉の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Inonotus baumii(エゾキコブタケ)
中国に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じ”medicinal group”)に含まれる
本種と異なり、肉が2層からなり細い黒色の線で区切られるという特徴を持たない
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inonotus linteus(メシマコブ)
東アジアに分布する(ただし、Dai & Xu, 1998は東アジア産のものは別種だとしている)
肉が2層からなり細い黒色の線で区切られる
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じ”medicinal group”)に含まれる
本種と異なり中国だけではなくアフリカや中米にも分布する(ただし、Dai & Xu, 1998は東アジア産のものは別種だとしている)
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が無色ではなく帯黄褐色
本種と異なり担子胞子が広楕円形ではなく類球形
本種と異なり肉の菌糸が織り合わさらず規則的に配列する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inonotus weirianus
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じ”medicinal group”)に含まれる
本種と異なり中国ではなく米国南西部に限って分布する
本種と異なり、肉が2層からなり細い黒色の線で区切られるという特徴を持たない
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inonotus vaninii
中国に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じ”medicinal group”)に含まれる
本種と異なり、肉が2層からなり細い黒色の線で区切られるという特徴を持たない
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inonotus lonicericola
中国に分布する
LSUに基づく分子系統解析で近縁(同じ”medicinal group”)に含まれる
本種と異なり、肉が2層からなり細い黒色の線で区切られるという特徴を持たない
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される