(仮訳)Chlorophyllum属菌の追加:新種Chlorophyllum sapukaiおよびパラグアイ新産種
Maubet, Y. et al., 2022. Introducing a new member of the genus Chlorophyllum: Chlorophyllum sapukai sp. nov., and new records from Paraguay. Plant and Fungal Systematics. Available at: https://pfsyst.botany.pl/pdf-158348-85186 [Accessed January 3, 2023] 【R3-10208】2023/1/3投稿

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3行まとめ

パラグアイの大西洋岸森林で採集された菌を検討し、Chlorophyllum sapukaiとして新種記載した。
本種は子実体が大型、傘が帯黄色~クリーム黄褐色で半球形~広凸形、中央部がプレート状小鱗片に覆われ、担子胞子が截断状で発芽孔を有し、縁シスチジアが豊富で、傘表皮の小鱗片が毛状柵状被であることなどで特徴づけられた。
また、パラグアイ新産種としてC. hortenseを報告し、新熱帯産の本属菌の検索表を掲載した。
Paraguay, Canindeyú Department, Mbaracayú Forest Nature Reserve

(新種)

Chlorophyllum sapukai Maubet, Campi & Robledo
語源…グアラニー語で「叫び」(研究者が標本を見つけた時の歓喜の声から)
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【よく似た種との区別】
Chlorophyllum pseudoglobosum
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパラグアイではなくインドなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が強く黄色に着色するという特徴を欠く
本種と異なり胞子紋が白色
本種と異なり担子胞子が強いデキストリノイドである
本種より縁シスチジアのサイズが僅かに小さい
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorophyllum palaeotropicum
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパラグアイではなく南アフリカ、ベナンなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が強く黄色に着色するという特徴を欠く
本種と担子胞子の形態が異なる
本種と傘表皮の構造が異なる
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorophyllum molybdites(オオシロカラカサタケ)
パラグアイに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国、インド、日本、オーストラリア、中国、タイ、ドミニカ共和国、インドにおける分布が知られている
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が強く黄色に着色するという特徴を欠く
本種と異なり傘が黄色でない
本種と異なり担子胞子が未熟時弱いデキストリノイドではなくデキストリノイド
本種と異なり傘表皮の小鱗片が毛状柵状被で末端細胞が分化しないのではなく子実層状被で末端細胞が分化する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorophyllum globosum
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパラグアイではなく南アフリカ、中国、タイなどに分布する
本種と異なり担子胞子が強いデキストリノイドである
本種と異なり傘表皮が子実層状被である
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clarkeinda trachodes
肉眼的形態が類似している
本種と異なりパラグアイではなく東南アジアに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面が帯褐色の小鱗片に覆われる
本種と異なりつぼを有する
本種より担子胞子のサイズが小さい

(パラグアイ新産種)

Chlorophyllum hortense (Murrill) Vellinga
フタツミカラカサタケ
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【よく似た種との区別】
Chlorophyllum africanum
子実体のサイズが類似している
担子胞子が楕円形
縁シスチジアが類円筒形
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパラグアイなどではなく南アフリカのみから知られている
本種と異なり子実体が傷ついても変色しない
本種と異なり担子器が4胞子性
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorophyllum demangei
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパラグアイなどではなく東南アジアのみから知られている
本種と異なり担子器が4胞子性
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chlorophyllum rhacodes(カラカサタケモドキ)
胞子紋が類白色
本種と異なり担子胞子に発芽孔を欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁(Rllipsoidospororum節ではなくRhacodium節クレードに含まれる)

(その他掲載種)

Chlorophyllum molybdites (G. Mey.) Massee
オオシロカラカサタケ
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【よく似た種との区別】
Chlorophyllum sapukai
パラグアイに分布する
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国、インド、日本、オーストラリア、中国、タイ、ドミニカ共和国、インドにおける分布が知られていない
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が強く黄色に着色する
本種と異なり傘が黄色
本種と異なり担子胞子がデキストリノイドではなく未熟時弱いデキストリノイド
本種と異なり傘表皮の小鱗片が子実層状被で末端細胞が分化するのではなく毛状柵状被で末端細胞が分化しない
ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される