(仮訳)分子および形態データにより支持された韓国産の新種Lactarius cucurbitoides
Lee, H. et al., 2015. Lactarius cucurbitoides (Russulales, Basidiomycota), a new species from South Korea supported by molecular and morphological data. Phytotaxa. Available at: http://www.jonjfong.com/Website/Publications_files/Phytotaxa 2015 Lee.pdf [Accessed May 12, 2015].
【R3-01819】2015/05/13投稿

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3行まとめ

韓国で採集されたチチタケ属Plinthogalus亜属の菌を検討し、Lactarius cucurbitoidesとして新種記載した。
本種は同亜属の他種とは、傘が淡黄色~淡橙色であり、乳液が白色で空気に触れても変色しない点などで区別された。
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁な種とは、塩基配列に2.8-4.3%の差異が認められた。
韓国慶尚北道尚州市聖主峰自然休養林

(新種)

Lactarius cucurbitoides H. Lee & Y.W. Lim
語源…カボチャのような(傘の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lactarius subplinthogalus(ヒロハウスズミチチタケ)
韓国に分布する
形態的に類似している(かつてこの種に同定されたことがある)
傘の直径の範囲が重なる
乳液が初め白色
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾の高さの範囲が重なる
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色ではなく類白色~帯黄色
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり肉が空気に触れると淡桃色を帯びるのではなくばら鮭肉色を帯びる
本種と異なり乳液が変色しないのではなく空気に触れると濃いばら鮭肉色を帯びる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に2.8-3.0%の差異)
Lactarius friabilis
傘の直径の範囲が重なる
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が初め白色
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色ではなくより暗色のクリーム色~淡い帯黄褐色
本種と異なり肉が空気に触れると淡桃色を帯びるのではなく汚橙桃色~橙色を帯びる
本種と異なり乳液が変色しないのではなく空気に触れると桃色を帯びる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に3.3-3.6%の差異)
Lactarius oomsisiensis
韓国に分布する
傘のサイズの範囲が重なる
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が初め白色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾の高さが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国のみではなくパプアニューギニア、タイなどにも分布する
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色ではなく帯黄橙色~淡褐色
本種より襞が僅かに暗色
本種と異なり肉が空気に触れると淡桃色を帯びるのではなく帯褐灰色~帯褐桃色となる
本種と異なり乳液が変色しないのではなく空気に触れると緩やかに桃色を帯びる
本種より担子器がずっと長い
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に2.8-4.3%の差異)
Lactarius montoyae
アジアに分布する
傘の直径の範囲が重なる
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が白色で変色しない
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色ではなく帯黄灰色~暗灰黄褐色
本種と異なり肉が空気に触れると淡桃色を帯びるのではなく変色しない
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾が高い
本種より担子胞子に装飾を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius subplinthogalus var. chiangmaiensis
アジアに分布する
形態的に類似している
乳液が初め白色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが比較的小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色ではなく淡い帯灰褐色~帯灰橙色
本種より柄が短い
本種と異なり肉が空気に触れると淡桃色を帯びるのではなく黄灰色、黄褐色、桃褐色などを帯びる
本種と異なり乳液が変色しないのではなく空気に触れると淡桃色を帯びる
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される