(仮訳)ニュージーランド、チャタム諸島産のチャシブゴケ属地衣の新種、Lecanora kohu
Printzen, C. et al., 2017. Lecanora kohu, a new species of Lecanora (lichenised Ascomycota: Lecanoraceae) from the Chatham Islands, New Zealand. New Zealand Journal of Botany. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0028825X.2017.1364274 [Accessed September 29, 2017].
【R3-04436】2017/09/29投稿

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3行まとめ

ニュージーランドのチャタム諸島で採集された樹皮生地衣の一種を検討し、Lecanora kohuとして新種記載した。
本種は典型的なチャシブゴケ属地衣とは形態的に大きく異なっており、地衣体が連続的な小区画状で子器が埋生することなどで特徴づけられた。
本種の保全状況はニュージーランドの脅威分類システムで「情報不足」と判定された。
New Zealand, Chatham Islands group, Rangatira (South East Island), Western Landing

(新種)

Lecanora kohu Printzen, Blanchon, Fryday & de Lange
語源…マオリ語で「霧」を指す言葉から(本種の発生地がしばしば海霧に包まれることから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lecanora symmicta
ニュージーランドに分布する
果殻の形態が類似している
果殻に共生藻を欠く
粉芽を欠く
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体が新鮮時帯緑白色、乾燥するとクリーム色~淡黄色ではなく新鮮時クリーム黄色、乾燥すると帯黄色
本種と異なり地衣体が連続的な小区画状ではなく平らに広がり、不均一な類小粒状で地衣体を欠くこともある
本種と異なり子器が埋生せず無柄
本種と異なり子器盤が淡桃色~桃褐色ではなく淡黄色~淡褐色
本種と異なり地衣体がPd陽性ではなくPd陰性
本種と異なり地衣成分として地衣体にアトラノリンおよびプソロミン酸を含まない
本種と異なり地衣成分として地衣体にウスニン酸、ゼオリン、キサントン類を含む
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
Lecanora densa
地衣成分としてプソロミン酸を含む
本種と異なり地衣体が連続的な小区画状ではなく小区画状
本種と異なり果托に共生藻の層を含む
本種と異なり地衣成分としてウスニン酸を含む
本種より子嚢胞子が短い
Lecanora confusa
子器が埋生することがある
本種と異なり子器縁部が小粒状
本種と地衣成分が異なる
Lecanora flavopallida
ニュージーランドに分布する
地衣成分としてウスニン酸を含まない
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり地衣体がC+橙色
本種と異なり地衣成分として地衣体にキサントン類を含む
本種より子嚢胞子のサイズがかなり大きい
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lecanora coppinsiarum
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なりニュージーランドではなくタスマニアに分布する
本種と異なり子器が埋生せず無柄
本種と異なり子器に粗い粉霜を伴う