(仮訳)シチリア産の新種Leucopaxillus agrippinae
Buda, A. et al., 2012. Leucopaxillus agrippinae, una nuova specie raccolta in Sicilia. RdM. Available at: http://www.mykotrapani.it/files/Leucopaxillus_agrippinae.pdf [Accessed December 30, 2014].
【R3-01419】2014/12/30投稿

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3行まとめ

イタリア、シチリア州のブッケリで2003年から毎年採集された菌を検討し、Leucopaxillus agrippinaeとして新種記載した。
本種は傘が黄褐色で老成すると橙色、襞は脈状連絡が顕著で長く垂生し、柄にクモの巣状~羊毛状のつば類似の帯を有することなどで特徴づけられた。
本種と類縁種の形態形質を比較した。
Italy, Buccheri

(新種)

Leucopaxillus agrippinae Buda, Consiglio, Setti & Vizzini
語源…Andrea Buda氏(本論文の第一著者)の妻、Agrippina氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Leucopaxillus mirabilis
同じMirabilini亜節に含まれる
Leucopaxillus mirabilis var. nigrescens
同じMirabilini亜節に含まれる
Leucopaxillus alboalutaceus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が成熟すると橙色ではなく帯桃クリーム色
本種と異なり襞が迷路状ではなく直線状
本種と異なり襞が長く垂生するのではなく湾生~やや垂生
本種と異なり柄につば類似の領域を欠く
本種ほど肉に強い苦味がない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形、時に涙形ではなく類球形~楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucopaxillus paradoxus(アイオオイチョウタケ)
傘が初め白色でのちに黄褐色を帯びる
襞が垂生する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体がカヤタケ型ではなくキシメジ型
本種と異なり傘表面の中心部が亀裂状~小区画状
本種と異なり襞が初め白色、のちに黄色~黄褐色ではなく白色
本種と異なり襞が迷路状ではなく直線状(ただし柄の付近で連絡する)
本種と異なり柄につば類似の領域を欠く
本種と異なり子実体の味が強い苦味ではなく甘い
本種と異なり子実体に不快な芳香ではなく菌臭~ミカンの花の臭いがある
本種と異なり通常縁シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucopaxillus paradoxus f. cutefractus
本種と異なり主に砂質土壌に発生する
本種と異なり傘表面が成熟すると微細な亀裂状~小鱗片を伴う小区画状
本種と異なり襞が初め白色、のちに黄色~黄褐色ではなく白色
本種と異なり襞が迷路状ではなく直線状(ただし柄の付近で連絡する)
本種と異なり柄につば類似の領域を欠く
本種と異なり肉に苦味がない
Leucopaxillus cerealis
襞の間隔が密
肉が白色
肉に苦味がある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が橙色~黄褐色ではなく全体が白色で中央部のみ僅かに帯クリーム黄褐色
本種と異なり襞が迷路状ではなく直線状(ただし柄の頂部で連絡することはある)
本種と異なり柄につば類似の領域を欠く
本種と異なり子実体に不快な芳香ではなく微かな芳香がある
本種と異なり通常縁シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucopaxillus barbarus
襞の間隔が密
担子胞子の装飾がアミロイド
本種と異なり傘が橙色~黄褐色ではなく白色で中央部が黄褐色
本種と異なり襞が初め白色、のちに黄色~黄褐色ではなく白色
本種と異なり襞が迷路状ではなく直線状で連絡しない
本種と異なり柄につば類似の領域を欠く
本種と異なり味が苦いのではなく甘い
本種と異なり子実体に不快な芳香ではなく甘い芳香がある
本種と異なり縁シスチジアを欠く