2020年2月1日 (仮訳)フロリダ産のモジゴケ目地衣に生じる地衣生菌類 Diederich, P. et al., 2019. Lichenicolous fungi from Florida growing on Graphidales. Plant and Fungal Systematics. Available at: https://content.sciendo.com/view/journals/pfs/64/2/article-p249.xml [Accessed February 1, 2020] 【R3-07007】2020/2/1投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国フロリダ州産のモジゴケ目地衣を宿主とする地衣生菌類を調査し、21種を認めた。 新属新種Lawreya glyphidiphilaを記載したほか、Amerosporiopsis phaeographidisなど9新種を記載した。 Cornutispora属、Talpapellis属、および全世界でモジゴケ目地衣を宿主とする66種の検索表を掲載した。 USA, Florida, Collier Co., Fakahatchee Strand State Preserve, trail north of Boardwalk (新種) Amerosporiopsis phaeographidis Diederich & Common 語源…クロミモジゴケ属の 【よく似た種との区別】 Amerosporiopsis gaubae 本種と異なり米国ではなくイランなどに分布する 本種と生息環境が異なる 本種と異なりクロミモジゴケ属地衣ではなくSesleria属植物を宿主とする 本種と異なり分生子果が楯状子座様の構造に覆われるという特徴を欠く 本種と異なり分生子柄を欠く 本種より分生子の幅が広い 本種と異なり分生子が紡錘形 Phoma aggregata 分生子形成細胞がフィアライド状 本種と異なり分生子殻が埋生するのではなく埋生~表在性 本種と異なり分生子殻が楯状子座様の構造に覆われるという特徴を欠く 本種より分生子殻のサイズが小さい 本種と異なり分生子殻の殻壁が無色または不明瞭ではなく褐色 本種と異なり分生子柄を欠く 本種より分生子が短い 本種より分生子の幅が広い 本種と異なり分生子が桿形~狭紡錘形ではなく狭楕円形~円筒形 USA, Florida, Pasco Co., 38439 5 th Ave., Zephyrhills (新種) Arthonia acanthotheciicola Ertz & Common 語源…Acanthothecis属の 【よく似た種との区別】 Arthonia graphidicola 同じモジゴケ科地衣を宿主とする 本種と異なりAcanthothecis floridensisではなくモジゴケ属地衣を宿主とする 本種より子嚢果の幅が狭い 本種と異なり子嚢果がいくぶん円形で稀に細長い形状をとるという特徴を欠く 本種と異なり子実下層がI+帯赤色ではなくI+青色 本種と異なり子嚢が類球形ではなく広棍棒形 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3-4ではなく2-3 Arthonia subgraphidicola 米国に分布する 同じモジゴケ科地衣を宿主とする 本種と異なりAcanthothecis floridensisではなくモジゴケ属地衣を宿主とする 本種より子嚢果の幅が狭い 本種と異なり子実下層がI+帯赤色ではなくI+青色 本種と異なり子嚢が類球形ではなく広棍棒形 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3-4ではなく2-3 Synarthonia hodgesii 同じモジゴケ科地衣を宿主とする 本種と異なりAcanthothecis floridensisではなくモジゴケ属地衣を宿主とする 本種と異なり子嚢果がいくぶん円形で稀に細長い形状をとるのではなく細長い 本種と異なり子実上層に帯褐橙色の色素を含む 本種と異なり子実上層にK+マゼンタ色の色素を含む Arthonia thelotrematis 本種と異なりAcanthothecis floridensisではなくチブサゴケ属地衣を宿主とする 本種と異なり子実下層が帯赤褐色 本種と異なり子嚢が類球形ではなく棍棒形 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3-4ではなく2-3 Arthonia diorygmae 同じモジゴケ科地衣を宿主とする 本種と異なりAcanthothecis floridensisではなくDiorygma属地衣などを宿主とする 本種と異なり子実下層が顕著に厚い 本種と異なり子嚢が類球形ではなく棍棒形 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3-4ではなく1 USA, Florida, Sumter Co., Green Swamp Wilderness Preserve near FL471 (新種) Arthonia subgraphidicola Ertz, Common & Diederich 語源…Arthonia graphidicola類似の 【よく似た種との区別】 Arthonia graphidicola 同じモジゴケ属地衣を宿主とする 本種と異なり米国の熱帯域ではなくヨーロッパおよび日本などの温帯域に分布する 本種と異なりGraphis assimilisではなくG. scriptaを宿主とする 本種より子嚢果の最大長が長い 本種ほど子嚢果の形状が細長いのではなく通常長形、長楕円形、いくぶんリレラ形 本種と異なり子嚢果が帯赤褐色 本種と異なり子実層がI+で永続的に青色を呈するのではなくI+帯赤褐色~ワイン色 Arthonia agelastica 米国に分布する 子嚢胞子の形態が類似している 本種と異なり子嚢果が円形 本種と異なり子実下層が無色 本種と異なり子実層のゲルがI+青色ではなくI+橙色 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が主に2 USA, Florida, Collier Co., Fakahatchee Strand State Preserve, trail north of Boardwalk (新種) Hemigrapha graphidicola Diederich & Common 語源…モジゴケ属に生息する 【よく似た種との区別】 Hemigrapha asteriscus 本種と異なりGraphis assimilisを宿主とするという特徴を欠く 本種より分生子果のサイズがずっと大きい 本種より大分生子が顕著に長い 本種より大分生子の幅が顕著に狭い 本種と異なり小分生子が知られている Hemigrapha pseudocyphellariae 本種と異なりGraphis assimilisを宿主とするという特徴を欠く 本種より大分生子のサイズが小さい 本種と異なり大分生子がほぼ菱形 Hemigrapha atlantica 本種と異なりGraphis assimilisを宿主とするという特徴を欠く 本種より分生子果のサイズが大きい 本種と異なり小分生子が知られている Hemigrapha nephromatis 本種と異なりGraphis assimilisを宿主とするという特徴を欠く 本種と異なり子嚢果が知られている USA, Florida, Pasco Co., Zephyrhills, Fairlawns Ave. (新種) Lawreya glyphidiphila U. Braun, Common, Diederich & Ertz 語源…(属名)James D. Lawrey氏に献名/(種小名)アミモジゴケ属を好む 【よく似た種との区別】 Sclerococcum aptrootii 分生子表面が平滑 分生子が単細胞 本種と異なり米国ではなくプエルトリコなどに分布する 本種と異なりモジゴケ属、稀にチブサゴケ属地衣ではなくFissurina dumastiiなどを宿主とする Sclerococcum crassitunicatum 米国に分布する 本種と異なりモジゴケ属、稀にチブサゴケ属地衣ではなくハナゴケ属地衣などを宿主とする 本種ほど分生子果の子座状の部分が発達しない 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり小型菌核状の”loculi”を生じるという特徴を欠く Coniambigua phaeographidis 分生子果の形態が類似している 分生子形成様式が類似している 本種と異なりモジゴケ属、稀にチブサゴケ属地衣を宿主とするという特徴を欠く 本種ほど分生子果の子座状の部分が発達しない 本種と異なり有色の子座構造を有する 本種と異なり分生子果が最終的に偽分生子殻状になることがある 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり小型菌核状の”loculi”を生じるという特徴を欠く USA, Florida, Collier Co., Fakahatchee Strand State Preserve, Janes Scenic Drive (新種) Skyttea graphidicola Diederich, Common & Suija 語源…モジゴケ属に生息する 【よく似た種との区別】 Skyttea insignis 北米に分布する 地衣生菌である 子嚢盤が非常に小型 子嚢胞子の形状が細長く狭い ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくカナダなどに分布する 本種と異なりモジゴケ属ではなくチャシブゴケ属地衣などを宿主とする 本種より子嚢胞子が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Skyttea lecanorae 北米に分布する 地衣生菌である 子嚢盤が非常に小型 子嚢胞子の形状が細長く狭い ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくカナダなどに分布する 本種と異なりモジゴケ属ではなくチャシブゴケ属地衣などを宿主とする 本種より子嚢胞子が長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Skyttea thelotrematis 地衣生菌である 本種と異なりモジゴケ属ではなくチブサゴケ属地衣などを宿主とする 本種より子嚢果の直径が大きい 本種と異なり子嚢果が帯黒褐色ではなく帯黒色で孔口周辺が類白色 本種より子嚢胞子が短い 本種と異なり外被層が褐色ではなく帯緑色 本種と異なり外被層がK陰性ではなくK+帯オリーブ色 USA, Florida, Sumter Co. (新種) Strigula graphidicola Diederich & Common 語源…モジゴケ属に生息する 【よく似た種との区別】 Pygmaeosphaera epigraphis 同じモジゴケ属地衣を宿主とする 子嚢殻のサイズの範囲が重なる 本種と異なりGraphis assimilisではなくGraphis cf. angustataなどを宿主とする 本種と異なり子嚢殻が半埋生~表在性ではなく表在性 本種と異なり子嚢殻が帯赤色~暗褐色ではなく暗褐色 本種より子嚢が長い 本種より子嚢の幅が狭い 本種と異なり子嚢が広楕円形ではなく棍棒形 本種より子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり子嚢殻の殻壁が透明な細胞からなるという特徴を欠く 本種と異なり分生子殻が知られていない USA, Florida, Hillsborough Co., Hillsborough River State Park, Florida Trail (新種) Strigula perparvula Diederich & Common 語源…非常に小さな(子嚢盤のサイズから) USA, Florida, Collier Co., Fakahatchee Strand State Preserve, trail north of Boardwalk (新種) Talpapellis graphidis Heuchert, Common, U. Braun & Diederich 語源…モジゴケ属の 【よく似た種との区別】 Talpapellis beschiana 分生子柄の形態が類似している 分生子形成細胞に顕著で粗く、しばしばフレア状になるアネレーションを有する 分生子の着色が規則的 本種と異なりGraphis caesiellaを宿主とするという特徴を欠く 本種より分生子柄が長い 本種と異なり分生子柄基部が顕著に幅広いという特徴を欠く 本種と異なり分生子柄の隔壁数が1-10ではなく(0-)1-8 本種より分生子形成細胞が長い 本種と異なり分生子が永く鎖生するのではなく容易に分離する 本種と異なり分生子の隔壁数が1-5でない USA, Florida, Pasco Co., Zephyrhills, near US 301 (新種) Tremella wedinii Diederich, Common & Millanes 語源…Mats Wedin氏に献名 【よく似た種との区別】 Tremella anaptychiae 担子器が有柄 本種より担子器の幅がずっと広い Tremella harrisii 担子器が有柄 本種と異なり担子器が2胞子性ではなくしばしば4胞子性 Tremella pertusariae 担子器が有柄 本種と異なり担子器が2胞子性ではなくしばしば4胞子性 Tremella phaeographinae 米国に分布する 同じモジゴケ科地衣を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアミモジゴケ属などではなくクロミモジゴケ属地衣を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tremella diploschistina 地衣生菌である 担子器のサイズの範囲が重なる 本種と異なりモジゴケ属ではなくキッコウゴケ属地衣などを宿主とする 本種と異なり宿主にゴールを誘導する 本種より子実体の最大直径が大きい 本種と異なり子実体が淡褐色で稀に褐色~暗褐色なのではなく淡黄色、暗褐色、または黒色 本種より担子胞子が短い (その他掲載種) Ampullifera foliicola Deighton (フロリダ州、ミシシッピ州新産種) Coniambigua phaeographidis Etayo & Diederich (その他掲載種) Cornutispora ciliata Kalb (その他掲載種) Cornutispora intermedia Punith. & D. Hawksw. 【よく似た種との区別】 Cornutispora lichenicola 分生子がY形 本種より分生子本体のサイズが小さい (その他掲載種) Etayoa trypethelii (Flakus & Kukwa) Diederich & Ertz (その他掲載種) Spirographa fusisporella (Nyl.) Zahlbr. (その他掲載種) Synarthonia hodgesii (Lendemer & R.C. Harris) Van den Broeck & Ertz (その他掲載種) Taeniolella delicata M.S. Christ. & D. Hawksw. (その他掲載種) Tremella graphidis Diederich, Millanes, Wedin & Common (その他掲載種) Tremella phaeographinae Diederich & Aptroot 【よく似た種との区別】 Tremella wedinii 米国に分布する 同じモジゴケ科地衣を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりクロミモジゴケ属などではなくアミモジゴケ属地衣を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される